Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)

TCP の SACK 機能

TCP の選択確認応答 (TCP SACK) は、RFC 2018 に準拠します。この機能は、衛星通信や大陸横断通信などで TCP のラージウィンドウ (RFC1323) を使用するアプリケーションにおいて、輻輳や複数のパケット落ちの問題を解決します。

TCP の SACK 機能がないと、受信側 TCP アプリケーションは最後に受信されたパケットだけについて確認応答します。たとえば、TCP アプリケーションは、パケット 1、パケット 2、およびパケット 3 を受信してからパケット 5 を受信した場合、パケット 3 までの受信だけを確認し、パケット 4 を受信するまではその後のパケットすべてを破棄します。このため大量の再送が生じます。TCP の SACK 機能があると、受信側は複数のパケットについて確認応答ができます。また、送信側は受信されなかったパケットがどれかを判断できます。たとえば、受信側は、パケット 1、パケット 2、およびパケット 3 を受信してからパケット 5 とパケット 6 を受信した場合、これらの各パケットを確認するため、送信側は、パケット 4、パケット 5、パケット 6 を再送するのではなく、失われたパケット 4 を再送するだけですみます。

詳細については、『TCP/IP とデータ通信』を参照してください。