Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

システムクラッシュ

システムクラッシュは、ハードウェアの誤動作、入出力の障害、ソフトウェアエラーなどが原因で発生します。システムがクラッシュすると、コンソールにエラーメッセージが表示され、物理メモリーの内容がダンプデバイスに書き込まれます。その後、システムは自動的にリブートします。システムがリブートすると、savecore コマンドが実行され、ダンプデバイスからデータを取り出し、保存されているクラッシュダンプを savecore ディレクトリに書き込みます。このクラッシュダンプファイルには、問題を診断する際にサポートプロバイダにとって大変役立つ情報が含まれています。

クラッシュダンプファイル

savecore コマンドはシステムクラッシュの後で自動的に起動され、ダンプデバイスからクラッシュダンプ情報を取り出して、unix.Xvmcore.X という 1 組のファイルを作成します。X はダンプシーケンス番号です。これらのファイルには、保存されたシステムクラッシュダンプの情報が含まれます。クラッシュダンプファイルは core ファイルと混同されることがありますが、コアファイルは、アプリケーションが異常終了した場合に書き込まれるユーザーアプリケーションのイメージです。

クラッシュダンプファイルは、あらかじめ指定されているディレクトリに保存されます。デフォルトでは /var/crash/hostname です。Solaris 2.6 リリースおよび互換バージョンでは、システムが、物理メモリーのイメージをクラッシュダンプファイルに保存できるように手作業で設定されていなければ、クラッシュダンプファイルは、システムがリブートしたときに上書きされてしまいました。Solaris 7 リリースでは、デフォルトでクラッシュダンプファイルが保存されます。

クラッシュダンプの保存

制御構造体、アクティブなテーブル、動作中またはクラッシュしたシステムカーネルのメモリーのイメージなど、カーネルの動作状況についての情報を調べるには、crash または adb ユーティリティを使用します。crash または adb を完全に使いこなすには、カーネルについての詳細な知識が必要ですが、このマニュアルでは説明を省きます。crash ユーティリティの詳細は、crash(1M) または adb(1) のマニュアルページを参照してください。

savecore で保存したクラッシュダンプを購入先に送って、システムがクラッシュした原因を解析してもらうことも可能です。購入先にクラッシュダンプファイルを送る場合は、「クラッシュダンプの管理」にリストされている最初の 2 つの作業を実行してください。