Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

正しいパスの設定

パス変数を正しく設定することが重要です。正しく設定しないと、他人が持ち込んだプログラムを偶然に実行して、データやシステムを破壊する可能性があります。この種のプログラムはセキュリティ上の危険を招くので、「トロイの木馬」と呼ばれます。たとえば、公共のディレクトリの中に別の su プログラムを入れておくと、システム管理者が気づかずに実行してしまう可能性があります。この種のスクリプトは通常の su コマンドとまったく同じに見えます。実行後はスクリプトそのものが削除されるので、実際に「トロイ」の木馬を実行してしまったのかを調べるのは困難です。

パス変数は、ログイン時に起動ファイル .login.profile.cshrc により自動的に設定されます。カレントディレクトリ (.) への検索パスを最後に指定すれば、この種のトロイの木馬を実行するのを防ぐことができます。root のパス変数には、カレントディレクトリを指定しないでください。ASET ユーティリティは起動ファイルを検査して、パス変数が正しく設定されているかと、ドット (.) エントリが入っていないかを確認します。