Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

ページアウトとメモリーをチェックする方法 (sar)

sar -g オプションを使用すると、ページアウトとメモリー解放動作が (平均値として) 表示されます。

$ sar -g
00:00:01  pgout/s ppgout/s pgfree/s pgscan/s %ufs_ipf
01:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00

sar -g で表示される出力は、より多くのメモリーが必要かどうかを判断するのに役立ちます。ps -elf コマンドを使用すると、ページデーモンに使用される CPU サイクル数が表示されます。サイクル数が大きく、pgfree/spgscan/s の値が大きければ、メモリー不足を示します。

また、sar -g を使用すると、i ノードの再利用間隔が短すぎるために、再利用可能なページが失われているかどうかも表示されます。

表 26-11 に、-g オプションからの出力を示します。

表 26-11 sar -g コマンドからの出力

フィールド名 

説明 

pgout/s

1 秒間にページアウトされた要求数 

ppgout/s

1 秒間に実際にページアウトされたページ数 (1 つのページアウト要求で複数のページがページアウトされることがある) 

pgfree/s

空きリストに配置された 1 秒当りのページ数 

pgscan/s

ページデーモンによって走査された 1 秒当りのページ数。この値が大きい場合は、ページデーモンが空きメモリーのチェックに大量の時間を費やしている。これは、メモリーを増やす必要があることを示す

%ufs_ipf

ufs がそれに関連付けられた再使用可能ページを持つ iget によって空きリストから取り出された割合。これらのページはフラッシュされ、プロセスが回収できなくなる。したがって、これはページフラッシュを伴う igets の割合である。値が大きければ、i ノードの空きリストがページ境界であり、ufs の i ノード数を増やす必要があることを示す

例 - ページアウトとメモリーをチェックする

次の例に、sar -g コマンドからの出力を示します。

$ sar -g
SunOS venus 5.7 Generic sun4m    06/17/98

00:00:01  pgout/s ppgout/s pgfree/s pgscan/s %ufs_ipf
01:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
02:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
03:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
04:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
05:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
06:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
07:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
08:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
08:20:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
08:40:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
09:00:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
09:20:00     0.02     0.07     0.23     6.01     0.00
09:40:00     0.06     0.58     1.57     5.83     0.00
10:00:02     0.58     2.49     5.72    13.69     0.00
10:20:02     0.49     4.66    14.11    31.06     0.00

Average      0.04     0.25     0.70     1.83     0.00