TCP/IP とデータ通信

DHCP の利点

DHCP サーバーには、これまでの IP アドレスを取得する方法に比べて、優れた点があります。DHCP サーバーが提供できる機能を以下に示します。

  1. IP アドレスの重複問題の防止を含む、IP アドレスの自動管理。

  2. BOOTP クライアントのサポートが可能、これによりネットワークを BOOTP から DHCP へ容易に移行することが可能。

  3. 管理者がリース時間を設定することが可能であり、手動で割り当てた IP アドレスに対しても設定することが可能。

  4. 動的な IP アドレスを用いてサービスを提供する対象の MAC アドレスを制限することが可能。

  5. 管理者が、BOOTP の場合に可能である範囲を超えた、追加の DHCP オプションの種類を構成することが可能。

  6. 動的に割り当てることができる IP アドレスのプール (複数可) を定義することが可能。ユーザーのサーバーで、プールが 1 つのサブネットまたはネットワーク全体になるよう強制するものがありますが、1 つのプールが連続した IP アドレスから構成されることを強制するサーバーは望ましくありません。

  7. 別個の IP ネットワーク (またはサブネット) に対する、複数の動的な IP アドレスのプールを関連付けることが可能。この関連付けは、二次ネットワークに対する基本サポートであり、複数の IP ネットワークアドレスまたはサブネット IP アドレスを持つインタフェースの BOOTP 中継としてルーターが動作することを可能にします。

DHCP サーバーの機能の一部ではありませんが、DHCP サーバーを管理する方法に関連したいくつかの機能を以下に示します。

  1. 複数のサーバーの集中管理

  2. サーバーが動作中で、かつリースが追跡されている状態でも、変更を行う能力。たとえば、IP アドレスをプールに追加したりプールから削除すること、またはパラメータを変更することができます。

  3. パラメータに対して広域的変更 (すべてのエントリに対して適用される変更) を行うか、あるいはクライアントまたはプールのグループに対して変更を行う能力

  4. リースの監査トレール (たとえば、貸し出し中のリースのログ) の保守

DHCP は、IP アドレスを割り当てる 4 つの方法をサポートします。これらの方法は独立した機能です。特定の 1 つのサーバーに注目すると、そのサーバーはすべての機能を提供できるか、あるいは 1 つも提供できないかのいずれかです。