DHCP サーバーには、これまでの IP アドレスを取得する方法に比べて、優れた点があります。DHCP サーバーが提供できる機能を以下に示します。
IP アドレスの重複問題の防止を含む、IP アドレスの自動管理。
BOOTP クライアントのサポートが可能、これによりネットワークを BOOTP から DHCP へ容易に移行することが可能。
管理者がリース時間を設定することが可能であり、手動で割り当てた IP アドレスに対しても設定することが可能。
動的な IP アドレスを用いてサービスを提供する対象の MAC アドレスを制限することが可能。
管理者が、BOOTP の場合に可能である範囲を超えた、追加の DHCP オプションの種類を構成することが可能。
動的に割り当てることができる IP アドレスのプール (複数可) を定義することが可能。ユーザーのサーバーで、プールが 1 つのサブネットまたはネットワーク全体になるよう強制するものがありますが、1 つのプールが連続した IP アドレスから構成されることを強制するサーバーは望ましくありません。
別個の IP ネットワーク (またはサブネット) に対する、複数の動的な IP アドレスのプールを関連付けることが可能。この関連付けは、二次ネットワークに対する基本サポートであり、複数の IP ネットワークアドレスまたはサブネット IP アドレスを持つインタフェースの BOOTP 中継としてルーターが動作することを可能にします。
DHCP サーバーの機能の一部ではありませんが、DHCP サーバーを管理する方法に関連したいくつかの機能を以下に示します。
複数のサーバーの集中管理
サーバーが動作中で、かつリースが追跡されている状態でも、変更を行う能力。たとえば、IP アドレスをプールに追加したりプールから削除すること、またはパラメータを変更することができます。
パラメータに対して広域的変更 (すべてのエントリに対して適用される変更) を行うか、あるいはクライアントまたはプールのグループに対して変更を行う能力
リースの監査トレール (たとえば、貸し出し中のリースのログ) の保守
DHCP は、IP アドレスを割り当てる 4 つの方法をサポートします。これらの方法は独立した機能です。特定の 1 つのサーバーに注目すると、そのサーバーはすべての機能を提供できるか、あるいは 1 つも提供できないかのいずれかです。
手動。クライアント識別子と IP アドレスとの間の一意な割り当てを管理者が行います。したがって、DHCP サーバーは、この種類の IP アドレスをリースの期限が切れた後でその他のクライアントに再度割り当てることはできません。この種類の IP アドレスの割り当ては、管理者がホストに同じ IP アドレスを保持させ、かつ IP アドレスが使われなくなった際にはそのことを検出したいと希望する場合に便利です。メールのように IP アドレスにより配置が行われるサービスを提供するホストがこの例です。
永久。サーバーの管理者が IP アドレスだけを格納したサーバーの構成を作成して、クライアントに提供します。IP アドレスが MAC アドレスと関連付けられた後、サーバーの管理者が介入しない限りその関連付けは永久的です。永久 IP アドレスの割り当てには、割り当てた IP アドレスを自動的に回収することはできないという欠点があります。
動的 (期間が制限されたリースを使用します)。サーバーがリースを追跡し、リースの期限が切れて使用可能になると、サーバーが自動的に DHCP クライアントにそれらの IP アドレスを提供します。管理者による対話は必要ありません。非 BOOTP クライアントに対しては、この種類の IP アドレスを推奨します。
BOOTP。BOOTP クライアントが使用するために予約されたアドレスです。この方法では、BOOTP クライアント専用の IP アドレスのプールに管理者が入力することが可能です。