TCP/IP とデータ通信

アプリケーション層 - ユーザーが通信を開始

パケットの履歴は、あるホストのユーザーが、リモートホストへのアクセスを必要とするようなメッセージを送信するかコマンドを発行した時点から始まります。そのコマンドまたはメッセージに関連付けられているアプリケーションプロトコルは、対応する TCP か UDP のどちらかのトランスポート層プロトコルで取り扱えるように、パケットの形式を設定します。

図 2-1 に示したように、ユーザーが、リモートホストにログインするために rlogin コマンドを発行したとします。rlogin コマンドは TCP トランスポート層プロトコルを使用します。TCP は、コマンド内の情報を含むデータをバイトストリーム形式で受け取るものと仮定しています。したがって、rlogin はこのデータを TCP ストリームとして送信します。

しかし、すべてのアプリケーション層プロトコルが TCP を使用するわけではありません。あるユーザーが、リモートホストのファイルシステムをマウントしようとして、NIS+ アプリケーション層プロトコルを開始したとします。NIS+ は UDP トランスポート層プロトコルを使用します。したがって、このコマンドを含むパケットは、UDP が仮定しているような方法に形式化する必要があります。この種類のパケットをメッセージと言います。