バージョン 1.1 およびその互換 ToolTalk サービスでは、ttsession が分類機構 (CE) データベースからその型を読み取りません。また、ToolTalk 型コンパイラの tt_type_comp は CE データベースに型を併合しません。
この付録では、既存の ToolTalk を利用したアプリケーションを、CE データベースから ToolTalk 型データベースへ移行する方法について説明します。
ToolTalk サービスは、ttce2xdr というスクリプトを提供します。これによって、CE データベース (ToolTalk サービスのバージョン 1.0.x によって使用されたデフォルトのデータベース) に格納された ToolTalk の型を、XDR 形式のデータベースに変換します。これは、バージョン 1.1 およびその互換 ToolTalk サービスによって使用されるデータベースです。
ToolTalk 1.1. およびその互換 ttsession が初めて起動されるときに、ユーザー型データベースは CE データベースから新しい ToolTalk 型データベースに自動的に変換されます。ただし、現在のユーザーデータベースをコマンドを使用して自分で変換することもできます。
ttce2xdr [ -xnh ] -d user |
表 A-1 では、ttce2xdr スクリプトのオプションについて説明します。
表 A-1 ttce2xdr スクリプトのオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-x |
ttce2xdr によって実行された基本的なコマンドを表示する |
-n |
ttce2xdr が実行できる基本的なコマンドを表示する |
-h |
ttce2xdr のオプションについて説明する |
-d |
変換するデータベース (「user」、「system」、または 「network」) を指定する |
型は CE データベース ‾/.cetables/cetables から読み取られ、新しい ToolTalk 型データベース ‾/.tt/types.xdr に書き込まれます。
システム CE データベースは、マシン単位のデータベースです。ToolTalk 型の各マシン上で、ttce2xdr スクリプトを実行する必要があります。システム CE データベースに ToolTalk 型があるかどうかを判定するには、コマンド行に次のコマンドを入力します。
tt_type_comp -Epd system |
システム CE データベースに ToolTalk 型がない場合、出力は生成されません。
システム CE データベースの ttce2xdr スクリプトを実行するには、スーパーユーザーとしてログインする必要があります。
システム CE データベースの ttce2xdr スクリプトを実行するには、コマンド行に次のコマンドを入力します。
ttce2xdr [ -xnh ] -d system |
表 A-2 では、ttce2xdr スクリプトのオプションについて説明します。
表 A-2 ttce2xdr スクリプトのオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-x |
ttce2xdr によって実行された基本的なコマンドを表示する |
-n |
ttce2xdr が実行できる基本的なコマンドを表示する |
-h |
ttce2xdr のオプションについて説明する |
-d |
変換するデータベース (ユーザー、システム、またはネットワーク) を指定する |
型は、CE データベース /etc/cetables/cetables から読み取られ、新しい ToolTalk 型データベース /etc/tt/types.xdr に書き込まれます。
ネットワーク CE データベースは、OpenWindowsTM のインストール単位のデータベースです。OpenWindows 3.x 製品といっしょに出荷されたものとは異なる ToolTalk 型を持つ各ネットワーク CE データベースは、変換する必要があります。
ネットワーク CE データベースの ttce2xdr スクリプトを実行するには、スーパーユーザーとしてログインする必要があります。
ネットワーク単位のデータベースを変換するには、コマンド行に次のコマンドを入力します。
ttce2xdr [ -xnh ] -d network [ OPENWINHOME-from [ OPENWINHOME-to ]] |
表 A-3 では、ttce2xdr スクリプトのオプションについて説明します。
表 A-3 ttce2xdr スクリプトのオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-x |
ttce2xdr によって実行された基本的なコマンドを表示する |
-n |
ttce2xdr が実行できる基本的なコマンドを表示する |
-h |
tttce2xdr のオプションについて説明する |
-d |
変換するデータベース (ユーザー、システム、またはネットワーク) を指定する |
|
このディレクトリの中のデータベースから型を読み取る。 |
|
このディレクトリの中のデータベースへ型を書き込む。 |
型は CE データベース $OPENWINHOME/lib/cetables/cetables から読み取られ、新しい ToolTalk 型データベース $OPENWINHOME/etc/tt/types.xdr に書き込まれます。
OpenWindows 3.x 製品といっしょに出荷されたものとは異なる ToolTalk 型を、ネットワーク CE データベースからネットワーク XDR データベースに移動するには、コマンド行に次のコマンドを入力します。
ttce2xdr -d network old_OPENWINHOME new_OPENWINHOME |
old_OPENWINHOME は移動元のネットワーク CE データベースを保持している OpenWindows のインストール場所、new_OPENWINHOME は ToolTalk の XDR データベースを更新する OpenWindows のインストール場所です。