Solaris 7 MU1 をインストールするには、install_mu を実行するシステムと対象となるシステムで Solaris 7 がすでに稼働していなければなりません。
MU1 はシステムライブラリにパッチを適用するため、MU1 をインストールする前にシステムをシングルユーザーモードでリブートするのが最善の方法です。マルチユーザーシステム上では、パッチを適用していないライブラリにプロセスがマップされ、古いライブラリの別のセクションへのマップが試みられた場合、システムが不安定になります。
シングルユーザーモードでは、ネットワークサービスは使用できません。MU1 イメージが CD 上ではなくネットワーク上にある場合、シングルユーザーモードでシステムをブートする前に MU1 イメージをネットワークからローカルシステムにコピーしなければなりません。
十分なローカルディスク容量がないため MU1 イメージをローカルにコピーできない場合や CD がないまたはつながっていない場合、あるいはシステムをシングルユーザーモードにできない場合には、マルチユーザーモードで NFSTM を使用して MU1 をインストールすることになります。この場合、システムをできるだけ静かな状態 (つまり、ユーザーがすべてログアウトし、実行されているジョブがない状態) にしておく必要があります。
必ずオペレーティングシステムのバックアップをとった後、手順を進めてください。
Solaris 7 MU1 をインストールするには、次の手順に従います。
重要なユーザープロセスまたはシステムプロセスが実行されていないことを確認します。
現在のセッションを終了します。
CDE ログイン画面が表示されます。
「オプション」ボタンをクリックして、「コマンド行ログイン」を選択します。
ログインプロンプトが表示されます。
ログイン名として root を入力し、root のパスワードを入力します。
login: root password: root password |
シングルユーザーモードでリブートします。root のシェルプロンプトで次のように入力します。
# reboot -- -s |
shutdown または init コマンドで実行レベルをマルチユーザーモードからシングルユーザーモードへ変更すると、vold プロセスが実行されたままになることがあります。この状態で MU1 CD をマウントしようとすると、問題が発生することがあります。
root のパスワードを入力します。
システムが次のメッセージを表示し、システム保守モードになっていることを確認します。
Entering System Maintenance Mode Sun Microsystems Inc. SunOS 5.7 Generic October 1998 # |
CD から install_mu を実行している場合、手順 7 に進みます。
MU1 イメージのローカルコピーから install_mu を実行している場合、手順 8 に進みます。
MU1 CD をマウントするには、CD をドライブに挿入し、root のシェルプロンプトで次のように入力します。
# mount -o ro -F hsfs /dev/dsk/c0t6d0s0 /cdrom |
CD-ROM ドライブが c0 以外のコントローラにあるか、t6 以外のターゲットにあることがあります。この場合は CD-ROM デバイスへのパスを変更する必要があります。CD-ROM ドライブのマウントについては、システム管理者にお問い合わせください。
install_mu を実行します。
MU1 イメージのローカルコピーから実行するには、次のように入力します。
# cd <MU1 が格納されているローカルディレクトリ> # ./install_mu <任意のオプション> |
MU1 CD から実行するには、次のように入力します。
# cd /cdrom # ./install_mu <任意のオプション> |
以下のオプションがコマンド行で使えます。
表 2-1 install_mu のコマンド行オプション
オプション |
説明 |
---|---|
-u |
無条件のインストール。更新されるファイルが初期インストール状態から変更されているかどうかを検証しない |
-d |
パッチをバックアップしない。この引数を使うとソフトウェアのインストールに要する時間が短縮される。ただし、個々のパッチをバックアウトできなくなる。-B オプションと組み合わせて使うことはできない |
-p patchdir |
すべてのパッチが含まれているディレクトリを指定する |
-q |
install_mu の処理状況を示すドットの表示を無効にする |
-B backoutdir |
指定したディレクトリにバックアウトデータを保存する。-d オプションと組み合わせて使うことはできない |
-f |
十分なディスク容量があるかどうかをチェックせずに、パッチセットをインストールする。このオプションを使用すると時間が短縮される。ただし、このオプションを使用するときは、十分な容量があることを確認しておく。-D オプションと組み合わせて使うことはできない |
-D |
ドライ実行モード。パッチを適用せずに、必要なディスク容量を報告する。-f オプションと組み合わせて使うことはできない |
-R rootdir |
代替ルートディレクトリを指定する。クライアントのルート領域である rootdir 以下のディレクトリツリー内にあるパッケージシステム情報に MU1 を適用するときに使用する。-S オプションと組み合わせて使うことはできない |
-S servicedir |
Solaris のバージョンが異なる場合、またはサーバーとクライアントのアーキテクチャが異なる場合は、そのサービス領域に MU1 を適用するときに使用する。-R オプションと組み合わせて使うことはできない |
インストールが終了すると、次のメッセージが表示されます。
install_mu completed successfully. |
このメッセージが表示された場合は、手順 9 と 10 に進み、インストールを完了します。
エラーが発生した場合は、手順 11 に進みます。
次のように入力してシステムをリブートします。
# sync ; reboot |
ここでログインするように求められます。
ライブラリの衝突を防ぐために、MU1 をインストールした後に必ずシステムをリブートしてください。
ログイン名とパスワードを入力します。
login: login password: password |
エラーが発生した場合は、詳細ログファイルでエラー情報がないかどうかを調べます。
パッチのインストール時に発生したエラーは、インストールが終了したあと一覧表示されます。詳細ログファイルを調べてインストールされなかったパッチやパッケージの追加情報がないかどうか確認してください。
# more $rootdir/var/sadm/install_data/Maintenance_Update_log.mu_version_name.date_time |
$rootdir は、更新したシステムのルートディレクトリです。たとえば、ローカルシステムの場合、/ になり、ディスクレスクライアントの場合、/export/root/clientname になります。
mu_version_name は MU のバージョンを表します (MU1 の場合、Solaris_7MU1)。
date_time は date +%y%m%d%H%M%S からコピーされた指定日時 ( yyyymmddHHMMSS) です。
$rootdir/var/sadm/install_data/Maintenance_Update_log は最新の MU ログファイルへのシンボリックリンクです。
エラーコードの説明と対処方法については、付録 A を参照してください。