SunVTS 3.1 ユーザーマニュアル

付録 A SunVTS チュートリアル

この付録の説明に従って順に作業を進めることによって、SunVTS の基本的な設定や実行方法を理解することができます。

この付録で説明する内容は、以下のとおりです。

SunVTS の使用手順の概要

SunVTS 診断ソフトウェアを使用してシステムをテストするときの一般的な手順は以下のとおりです。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. テストに必要な記憶媒体またはループバックコネクタを取り付けます。

  3. 使用するウィンドウ環境 (CDE、OPEN LOOK、なし) を起動します。

  4. SunVTS 診断ソフトウェアを起動します。

  5. SunVTS で使用するオプションの設定をします。

  6. テストを実行します。

  7. テスト結果を確認します。


    注 -

    この章の説明は順を追って作業を進めるように記述されています。ただし、上記の手順番号が、チュートリアルの手順番号に対応しているわけではありません。


CDE インタフェースでの SunVTS の実行

この節は、以下の内容で構成されています。

初期手順

以下の手順に従って SunVTS を起動してください。

  1. システムにログインして、スーパーユーザーになります。

  2. 必要であれば、記憶媒体を挿入します (下記の注を参照)。

    テストをするために、記憶媒体やループバックコネクタを必要とするデバイスがあります。こうしたデバイスを SunVTS カーネルが正しく特定できるように、SunVTS を起動する前に記憶媒体やループバックコネクタを取り付けておいてください。

    Functional (機能) テストモードで以下のデバイスをテストする場合は、そのデバイスに記憶媒体やループバックコネクタが取り付けられている必要があります。

    • テープドライブ - テストするテープドライブにスクラッチテープを挿入してください。テープテストは読み取り専用モードで行われますが、誤ってデータが上書きされることのないようスクラッチテープを使用してください。

    • CD-ROM ドライブ - CD-ROM ドライブに CD を挿入してください。音楽用 CD またはデータ CD のどちらでもかまいません。

    • フロッピーディスクドライブ - フロッピーディスクドライブにスクラッチディスクを挿入してください。フロッピーディスクテストは読み取り専用モードで行われますが、誤ってデータが上書きされることのないようスクラッチディスクを使用してください。

    • 通信ポート - ほとんどの通信ポートテストでは、ポートにループバックコネクタが接続されている必要があります。テストするポートに必要なループバックコネクタを接続してください。ループバックコネクタについては、『SunVTS 3.1 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。


      注 -

      このチュートリアルでは、テストするシステムにテープドライブや CD-ROM ドライブ、フロッピーディスクドライブ、通信ポートが接続されていないものとして説明を行っています。このため、以下の手順では、記憶媒体やループバックコネクタを取り付ける必要はありません。


ローカルシステムで SunVTS を起動する

以下の手順は、SunVTS パッケージと CDE 環境がシステムにインストールされていて、上記の「初期手順」が完了しているものとして説明をしています。

  1. CDE 環境を起動します。

  2. SunVTS アプリケーションを起動します。


    # /opt/SUNWvts/bin/sunvts

    sunvts コマンドが、SunVTS カーネル (vtsk) と SunVTS ユーザーインタフェース (vtsui、この場合は CDE GUI) を起動します。初期化の際、SunVTS カーネルは、システムに接続されているデバイスを検出して調査し、その情報をユーザーインタフェースに渡します。

    起動する SunVTS ユーザーインタフェースは、以下の条件に基づいて決定されます。

    • CDE ウィンドウマネージャー (dtwm) が動作している場合は、デフォルトの SunVTS GUI は CDE になります。

    • OPEN LOOK ウィンドウマネージャー (olwm) が動作している場合は、デフォルトの SunVTS GUI は OPEN LOOK になります。

    • ウィンドウマネージャーが動作していない場合は、TTY モードのインタフェースが起動されます。


      注 -

      connection to ":0.0" refused by server Xlib: Client is not authorized to connect to Server Error: Can't open display: :0.0 というエラーメッセージが表示された場合は、xhost + と入力して、xhost アクセス権を付与する必要がある場合があります。


    SunVTS コマンド行では、コマンド行オプションを使用することができます。詳細は、「ローカルシステムの SunVTS の起動」を参照してください。

SunVTS テストの実行 (第 1 部 - 基本機能の操作)

上記の作業を完了すると、以下に示すような SunVTS CDE ユーザーインタフェースが画面に表示されます。SunVTS は idle (アイドル) 状態であり、テストパラメタはすべてデフォルト値に設定されています。

この節では、SunVTS の設定、テストの実行、テスト結果の確認を行うときの基本的な手順を説明します。

図 A-1 SunVTS のメインウィンドウ (CDE)

Graphic


注 -

CDE ユーザーインタフェースの詳細については、「CDE ユーザーインタフェース」を参照してください。


  1. テストモードを選択します (図 A-2 参照)。

    SunVTS には、以下のテストモードがあります。

    • Connection test (接続テスト) - 選択されたデバイスに対して低負荷で高速のテストを行って、その使用可不可と接続状態を調べます。このモードでのテストは非占有型であり、テストが完了すると、デバイスはすぐに解放されます。システムに多大の負荷がかかることはありません。

    • Functional test (機能テスト) - システムやデバイスに対してより徹底したテストを行います。テスト中は常にシステム資源を使用するため、他のアプリケーションが実行されていないことが前提になります。


      注 -

      vtsui.online コマンドで SunVTS を起動した場合は、オンラインの機能テストモードになり、他のアプリケーションに大きな影響を及ぼさないテストとオプションの使用に限定されます。詳細は、「SunVTS のテストモード」 を参照してください。


    1. Connection test ボタンをクリックします。

    2. Functional test ボタンをクリックします。

      モードを変更すると、選択可能なテストが変化します。

      図 A-2 SunVTS の Select mode ボタン

      Graphic

  2. System map でシステムの構成を確認します。

    SunVTS によって認識された、システム上のデバイスが、SunVTS のウィンドウの System map に一覧表示されます (図 A-3 参照 )。

    SunVTS は、デバイスを以下のいずれかの方法で表示することができます。

    • Physical (物理表示) - FRU (現場交換可能ユニット) を特定できるように、システム上の物理的な位置に基づいてデバイスを一覧表示します。物理マップによって、デバイスの実際の位置を特定することができます。可能な場合は、ボード番号とコントローラの種類も表示されます。物理マップは、configd プログラム (Solstice SyMON の SUNWsyc パッケージに含まれるプログラム) がインストールされているシステムでのみ表示することができます。ここでは、Physical は選択しないでください。

    • Logical (論理表示) - デバイスを機能別のグループに分けて一覧表示します。たとえば、ディスクドライブ、テープドライブ、CD-ROM ドライブは SCSI devices カテゴリの下に表示されます。システム上の特定の 1 つのグループを表示したり、すべてのグループを表示したりすることができます。

    図 A-3 SunVTS System map (論理表示)

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  3. Processor(s) デバイスグループの正符号 (+) をクリックして、デバイスグループを広げ、その下の個々のテスト可能デバイスを表示します (図 A-4 参照)。

    正符号 (+) は、デバイスグループが閉じられていることを示します。この場合、そのデバイスグループ名だけが表示され、そのグループに属するデバイスは隠されます。

    マイナス (-) は、デバイスグループが広げられていることを示します。そのデバイスグループに属するテスト可能デバイスを確認することができます。

    たとえば、Processors(s) の正符号をクリックすると、Processor カテゴリが展開され、そのグループでテスト可能なデバイスの種類 (system、CPU-init0 など) と、各デバイスのテストに使用される SunVTS テスト名 (systestfputest など) が表示されます。括弧 ( ) に囲まれているのがテスト名です。


    注 -

    SunVTS の個々のテストについての詳細は、『SunVTS 3.1 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。


    図 A-4 SunVTS System map (Processor グループを広げた状態)

    Graphic

  4. "system" および "cpu" のチェックマークをクリックして、それらのデバイスをテスト対象から除外します。

    チェックマークが付いている場合は、そのデバイスがテスト対象として選択されていることを意味します。

    いくつかのデバイスは、SunVTS を初めて起動したときにすでに選択されています。こうしたデバイスは、Functional モードでテストするデバイスのデフォルトセットに含まれているデバイスです。

    デバイスグループを選択または選択解除すると、そのグループ内のすべてのデバイスが選択または選択解除されます。

    この手順では、通信ポートなどのいくつかのデバイスは選択できません。こうしたデバイスを選択するには、Intervention モードを有効にする必要があります (次の手順を参照)。

  5. その他のテストを選択できるようにするには、Intervention ボタンをクリックします (図 A-5 参照)。

    通信ポート、テープドライブ、CD-ROM ドライブ、フロッピーディスクドライブなどのデバイスをテスト対象として選択するには、ユーザーの介入が必要になります。これらのデバイスには、記憶媒体やループバックコネクタをあらかじめ取り付けておく必要があります (Functional モードのみ)。

    このチュートリアルでは、これらのデバイスのテストを行いませんが、試しにテストをする場合で、必要な記憶媒体やループバックコネクタを取り付けていない場合は、この時点で取り付けてください。取り付け後に Intervention ボタンをクリックすると (図 A-5 参照)、必要な記憶媒体が装着されていることが示され、テストを選択することができます。SunVTS によって、正しい記憶媒体が取り付けられているかどうかの確認は行われないことに注意してください。記憶媒体なしで、これらのテストを実行することはできません。


    注 -

    SunVTS の起動後に記憶媒体を挿入した場合は、SunVTS カーネルによるシステムの再調査が必要になることがあります。詳細は、図 4-3を参照してください。


  6. テストするデバイスをまとめて選択または選択解除する場合は、Select devices のボタンを使用します (図 A-5 参照)。

    1. None ボタンをクリックします。

      すべてのデバイステストが選択解除されます。

    2. All ボタンをクリックします。

      すべてのデバイステストが選択されます。Intervention が有効になっていない場合は、ユーザーの介入を必要とするテストは選択されません。

    3. Default ボタンをクリックします。

      デフォルトのテストセットが選択されます。Intervention が有効になっている場合は、デフォルトのテストセットには、システムに対するすべてのテストが含まれます。

      図 A-5 SunVTS のデバイス選択ボタン

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  7. 次のテストオプションの設定をします。

    1. Connection mode を選択します。

    2. Select devices ボックスから None を選択します。

    3. comm-port のチェックボックスをクリックして、チェックマークを付けます。


      注 -

      comm-port が表示されない場合は、システムにそうしたデバイスが存在しない可能性があります。その場合は、Processor(s) などの別のデバイスグループを選択してください。


  8. 左上の緑色の Start ボタンをクリックして、テストを実行します。

    ただちにテストが開始されます。Connection モードになっているため、選択されたテストが 1 回だけ実行され、SunVTS は idle (アイドル) 状態に戻ります。

    SunVTS ウィンドウ下部の Test Message (テストメッセージ) 領域にメッセージが表示されます。エラーが発生した場合は、この領域にエラーメッセージも表示されます。

    システムマップの色は、テストの pass/fail 状態を示します。少なくとも 1 回デバイスがテストにパスして障害が発生しない場合は、テスト中にデバイス名の色が黒から緑に変わります。デバイスに障害が発生した瞬間、デバイス名の色は赤に変わります。

  9. テストの結果を参照します。

    1. ウィンドウのシステム状態パネルを参照します (図 A-6 参照)。

      以下の情報がレポートされます。

      • Testing status - VTS の以下のいずれかの状態を示します。

        • Idle - テストが行われていないことを示します。

        • Testing - SunVTS が実行中であることを示します。

        • Suspend - テストが一時的に中断されていることを示します。

        • Replay - 過去に記録されたセッションが表示されていることを示します。

        • Stopping - SunVTS がテストを停止したときに一時的に表示されます。

      • System passes - 成功したシステムパスの合計値を示します。システムパスは、すべてのテストが 1 回実行された時点で、システムパス 1 回になります。

      • Cumulative errors - すべてのテストでのエラー発生回数の合計値を示します。

      • Elapsed test time - 時 : 分 : 秒の形式でテストの経過時間を示します。

      図 A-6 システム状態パネル

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    2. Test Messages 領域を参照します。

      この領域には、テストの状態メッセージとエラーメッセージが表示されます。領域外のメッセージは、スクロールバーを使用して見ることができます。

      図 A-7 Test Messages 領域

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    3. テストログを参照します。

      1. ウィンドウ上部にある Log ボタンをクリックします。

        ログファイルウィンドウが表示されます。テスト結果は、以下の 3 つのファイルに含まれています。

        • SunVTS エラー状態ログ (/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.err) - テストのエラーメッセージが含まれます。

        • SunVTS 情報ログ (/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.info) - SunVTS を起動したり、停止したりしたときに生成される情報メッセージが含まれます。これらのメッセージは、開始、停止時刻やメインウィンドウの Status 領域に表示される情報から構成されます。

        • Solaris システムメッセージログ (/var/adm/messages) - 一般的な UNIX メッセージのログです (/etc/syslog.conf ファイルの設定に基づく)。

        SunVTS ウィンドウ上部にある Log file ボタンを使用して、3 つのログファイルを切り替えることができます。Delete (削除) ボタンや Print (印刷) ボタンを使用して、ログファイルの削除や印刷を行うことができます。

      2. 表示するログファイルを変更する場合は、Log file ボタンをクリックします。

      3. Close ボタンをクリックします。

        画面から Log file ウィンドウが消えます。

  10. ウィンドウ上部の Reset ボタンをクリックして、現在のテスト統計情報をリセットします。

    テスト状態情報がゼロにリセットされます。ログファイルは消去されません。

  11. ウィンドウ右上の Clear ボタンをクリックして、Test messages 領域の内容を消去します。

    領域の内容がクリアされます。ログファイルはクリアされません。

この手順では、SunVTS の重要な基本機能を紹介しました。次のチュートリアルに進んで、その他の SunVTS 機能も理解してください。ここで、SunVTS 診断ソフトウェアを終了する場合は、メニューバーの Commands から Quit SunVTS を選択し、UI and Kernel をクリックします。

SunVTS テストの実行 (第 2 部 - その他の機能)

以下の手順は、SunVTS が起動され、第 1 部の説明に従って SunVTS の基本操作を習得しているものとして説明を行っています。

このチュートリアルでは、より徹底したテストを行います。

  1. Functional テストモードを選択します。

  2. システム構成のレポートを表示します (図 A-8 参照)。

    1. メニューバーから Reports を選択します。

      Reports メニューが表示されます。

    2. Reports メニューから System configuration を選択します。

      システム構成を示すウィンドウが表示されます。

      プリンタが使用可能で、この情報を印刷する場合は、Print ボタンをクリックして、ウィンドウにプリンタ名を指定し、OK をクリックします。

    3. システム構成ウィンドウの Close ボタンをクリックします。

      システム構成ウィンドウが閉じます。

      図 A-8 CDE Reports メニュー

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  3. SunVTS Notify オプションを使用し、電子メールによる通知を受けるようにします。

    1. メニューバーから Options を選択します。

      Option メニューが表示されます。

    2. Option メニューから Notify を選択します。

      Notify ウィンドウが表示されます (図 A-9 参照)。以下のオプションを設定することができます。

      • Send Email - 電子メールによる通知方法を制御します。

        • Disabled (電子メールを送信しない)

        • Now (ただちに送信する)

        • On Error (エラー発生時に送信する)

        • Periodically (Log Period で指定された間隔で送信する)

        • On Error & Periodically (エラー発生時および定期的に送信する)

      • Email Address - テストの状態メッセージを送信する電子メールアドレスを指定します。

      • Log Period - テストの状態メッセージを送信する間隔を指定します (単位: 分)。

      図 A-9 Notify Options メニュー

      Graphic

    3. Notify オプションを以下のように設定します。

      1. Send Email - on error & periodically

      2. Email Address - 自分の電子メールアドレス (例: user1@pergola)

      3. Log Period - 15 (15 分)

      4. Apply ボタンをクリックします。

次回の SunVTS テスト時に、Log Period に指定した時間が経過するか、エラーが検出されると、電子メールが送信されます。

  1. テスト実行オプションを設定します。

    1. メニューバーから Options を選択します。

    2. Options メニューから Test Execution を選択します (図 A-10 参照)。

      詳細テスト実行パラメタが表示されます。これらのパラメタを使用して、テスト全体の動作を制御します。これらのパラメタは、特定のグループやデバイスに対して設定することもできます。以下は、詳細テスト実行パラメタの簡単な説明です。詳細は、「Options メニュー」を参照してください。

      • Stress - Stress (負荷) モードでテストを実行します。通常よりシステム負荷が大きくなります。

      • Verbose - SunVTS コンソールウィンドウに詳細メッセージを表示します。

      • Core File - イベントが発生した場合に、コアファイルを作成します。disabled (無効) に設定した場合は、コアファイルは作成されませんが、イベントはメッセージ領域に表示され、エラーログに記録されます。

      • Run On Error - disabled (無効) の場合は、エラーが発生するとテストが停止します。enabled (有効) の場合は、Max Errors 数に達するまでテストを継続します。

      • Max Passes - テストの最大実行回数 (パス数) を指定します。ゼロを指定した場合は、Functional モードのテストは、時間制限なしで実行されるか、エラー数が Max Errors 値に達するか Max Time 値に達するまで継続されます。

      • Max Errors - テストに対する許容エラー発生回数を指定します。ここで指定された回数のエラーが発生すると、テストが停止します。0 を指定すると、エラーの発生回数に関係なくテストは継続されます。

      • Max Time - このテストに対する最大実行時間を分単位で指定します (0 = 時間制限なし)。

      • Number of Instance - 複数のインスタンス (同じテストの複数コピーの同時実行) をサポートするテストに対するテストインスタンス数を指定します。

    3. これらのオプションに、以下の設定を適用します。

      • Stress - disabled

      • Verbose - enabled

      • Core - disabled

      • Run-on Error - enabled

      • Max Passes - 2

      • Max Errors - 10

      • Max Time - 0

      • Num. of Instances - 2


        注 -

        SunVTS が Connection テストモードのときは、これらのパラメタを適用することはできません。


      図 A-10 Test Execution Options メニュー

      Graphic

    4. Apply をクリックします。

      画面から Test Execution メニューが消えます。

  2. すべてのデバイスグループを広げます。

    以下の手順で View コマンドを使用することで、System Map の正符号 (+) を 1 つ 1 つクリックせずに、すべてのディスクグループを一度に広げることができます。

    1. メニューバーから View を選択します。

    2. Open system map をクリックします。

      System map 内のすべてのデバイスグループが広げられ、各グループに属するすべてのデバイスとテストが表示されます。

  3. デバイスの Test Parameter Options メニューを表示します。

    デバイスの Test Parameter Options メニューでは、特定のテストに対するテストオプションを設定することができます。このメニューは、テストごとに異なります。このチュートリアルでは、nettest のメニューを例として説明します。その他のテストの Test Parameter Options メニューも、以下に説明する方法で表示することができます。個々のテストと関連するオプションについての詳細は、『SunVTS 3.1 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。

    1. nettest 上でマウスのメニューボタンをクリックして、メニューを表示します。

    2. Test Parameter Options をクリックします。

      Test Parameter Options メニューが表示されます。

      図 A-11 Test Parameter メニューの例

      Graphic

    3. Print_Warning オプションの Enable をクリックします。

    4. Apply をクリックします。

      設定したオプションが割り当てられ、メニューが閉じます。


      注 -

      Apply to Group および Apply to All ボタンについては、図 5-1を参照してください。


  4. デバイスグループの Test Execution Options メニューを表示します。

    デバイスやデバイスグループの Test Execution Options メニューでは、メニューバーの Options の Test Execution で表示されるのと同じオプションが提供されます。このチュートリアルで説明しているように、両者の違いは、デバイスやディスクグループの Test Execution オプションが詳細オプションではなく、特定のデバイスやデバイスグループに対してだけ適用されることです。各オプションの設定については、「Options メニュー」を参照してください。

    1. Processor(s) 上でマウスのメニューボタンをクリックします。

      デバイスグループに属するすべてのデバイス用の設定メニューが表示されます。

    2. Test Execution を選択します。

    3. Max Passes パラメタを 4 に変更します。

      この前の手順では、Max Passes パラメタを 10 に設定しました。このパラメタを変更することによって、Processor グループのすべてのデバイステストのみ実行回数が 4 回に制限されます。その他のテストは 10 回のままです。

    4. Apply をクリックします。

  5. .ウィンドウ上部の Meter ボタンをクリックし、システムの統計情報を表示します。

    パフォーマンスメーターが表示されます (図 A-12 参照)。このメーターには、SunVTS がアイドル状態のときでもシステムの統計情報が視覚的に表示されます。負荷テストを実行しているときには、有用な情報が得られることがあります。

    表示される統計情報は以下のとおりです。

    • CPU - CPU の使用率

    • pkts - 1 秒あたりの Ethernet パケット数

    • page - 1 秒あたりのページング活動 (単位: ページ)

    • swap - 1 秒あたりのスワップジョブ数 (単位: ページ)

    • intr - 1 秒あたりのデバイス割り込み回数

    • disk - 1 秒あたりのディスクトラフィック (転送回数)

    • contxt - 1 秒あたりのコンテクストスイッチ回数

    • load - 直前の 1 分間の平均プロセス数

    • colls - 1 秒あたりの Ethernet 衝突回数

    • errs - 1 秒あたりの受信パケットエラー数

    図 A-12 パフォーマンスメーター

    Graphic

  6. 以下のテスト設定を行います。

    1. Functional テストモードを選択します。

    2. Select devices ボックスから None を選択します。

    3. テストするデバイスとして以下を選択します。

      1. Processor(s) デバイスグループ

      2. Network デバイスグループ

  7. Click on the Start ボタンをクリックします。

    テストが開始され、しばらくの間実行されます。

  8. テスト中に以下のことを確認してください。

    • Verbose オプションを有効にしているため、Test message 領域に多数のメッセージが表示されます。

    • デバイスの横に、そのデバイスがテスト中であることを示すアスタリスクが表示されます。

    • テスト中のデバイス名の色が変わります。緑は、少なくとも 1 回のパスが完了し、エラーが検出されなかったことを示します。赤は、少なくとも 1 つのエラーが発生したことを示します。

    • パフォーマンスメーターに、システムの稼働レベルの変化が示されます。

    • Log Period の設定に従って、電子メールが送信されます。

  9. Stop ボタンをクリックします。

  10. 以下の手順で個々のテストの状態を確認します。

    1. systest 上でマウスのメニューボタンをクリックします。

    2. メニューから Status を選択します。

      テスト名、パス回数、障害の発生回数がメニューに示されます。

    3. Close をクリックして、状態ウィンドウを閉じます。

  11. SunVTS を終了する場合は、メニューバーの Commands から Quit SunVTS を選択し、UI and Kernel をクリックします。


    注 -

    SunVTS を終了する前に、実行中のすべてのテストを停止する必要があります。テープテストなどの一部のテストは、テープを巻き戻す時間が必要なため、ただちにテストが停止しないことがあります。


    これで、「CDE インタフェースでの SunVTS の実行」の説明は終わりです。

    このマニュアルでは、その他の SunVTS 機能についても説明しています。

TTY インタフェースでの SunVTS の実行

TTY インタフェースから SunVTS を使用する

TTY インタフェースは、GUI 環境を必要としない ASCII 形式のメニューからなるインタフェースです。SunVTS GUI インタフェースで使用できる SunVTS の制御および監視オプションの大部分は、TTY インタフェースでも使用することができます。

TTY インタフェースを使用して、端末、シェルツール、シリアルポートに接続されたモデムから SunVTS を実行することができます。

  1. TTY インタフェースで SunVTS を起動します。


    # /opt/SUNWvts/bin/sunvts -t

    TTY メインウィンドウが表示されます。

    図 A-13 TTY メインウィンドウ

    Graphic

  2. メインウィンドウを構成する 4 つの主な領域を確認します (図 A-13 参照)。

    • 制御パネル - SunVTS のコマンドやオプションにアクセスすることができます。

    • システムマップ - システムマップ - テストグループ別にテスト可能デバイスを表示します。それぞれのデバイスのテストオプションにアクセスすることができます。

    • 状態パネル - SunVTS テストの状態情報を表示します。

    • コンソール領域 - テストメッセージやエラーメッセージが表示されます。この領域に入力を行うことはできません。

  3. 使用できるキーボードコマンドを確認します。

    TTY インタフェースからの SunVTS の制御には、マウスやポインタではなく、キーボードコマンドを使用します。以下の手順では、よく使う手順のいくつかを順を追って説明します。いずれの手順でも、テストオプションの選択と適用には、キーボードコマンドを使用します。

    表 A-1 TTY キーボードコマンド

    キー 

    働き 

    Tab 

    別のウィンドウにフォーカスを移動します。たとえば、制御パネル上で Tab キーを押すと、状態パネルにフォーカス (強調表示) が移動し、状態パネルがアスタリスク (*) で囲まれます。パネルのオプションを変更する場合は、最初にそのパネルを強調表示させる必要があります。 

    Return 

    状況によって異なります。以下のいずれかを実行します。 

    - メニューを表示します。 

    - メニューのオプションやコマンドを選択し、適用します。 

    スペース 

    テストパネルのオプションのチェックボックスを選択、または選択解除します。 

    角括弧 [ ]= 選択状態; アスタリスク入り角括弧 [*]= 選択解除状態 

    矢印 

    強調表示されているパネル内のオプション間の移動に使用します。 

    バックスペース 

    テキストフィールドのテキストを削除します。 

    Esc 

    ポップアップメニューやウィンドウを終了します。 

    Control-F 

    スクロール可能なウィンドウを順方向にスクロールします。 

    Control-B 

    スクロール可能なウィンドウを逆方向にスクロールします。 

    Control-X 

    SunVTS カーネルを動作させたまま、TTY ユーザーインタフェースだけを終了します。 

    Control-L 

    ウィンドウを再表示します。 

  4. Tab キーを使用してメインウィンドウのパネル間を移動します。

    メインウィンドウ内の現在の位置は、黒の長方形で示されます。メインウィンドウ上の現在の位置を認識しておくことは重要です。黒の長方形がコマンドや語句上に表示されると、そのコマンドや語句が強調表示されて選択可能な状態になります。

    Tab キーを押すと、制御パネルから状態パネル、システムマップへと移動することを確認してください。

  5. テストモードを選択します。

    1. Tab キーを使用して制御パネルに移動します (Start が強調表示されます)。

    2. 右矢印キーを使用して test_mode を強調表示させます。

    3. Return キーを押して test_mode メニューを表示します。

    4. 下矢印キーを押して Connectivity (Connection モード) を強調表示させます。

      (オプション間の移動には、上下矢印キーを使用します。)

      テストモード (Connection、Functional) については、「Test モード」を参照してください。

    5. Return キーを押して変更を適用し、メニューを終了します。

    6. Return キーを押して再び test_mode メニューを表示します。

    7. 矢印キーを使用して Functional を強調表示させ、Return キーを押します。

      SunVTS から、この変更を適用してもよいかどうかの確認が求められます。

    8. 矢印キーを使用して OK を強調表示させ、Return キーを押します。

  6. Tab キーを使用してシステムマップ (Test_Group 領域) に移動します。

    グループ名の横にある角括弧内のアスタリスク ([*]) は、そのグループに属するすべてのデバイスがテスト対象として選択されていることを示します。

  7. たとえば、Processor(s) グループ内のデバイスを表示する場合は、以下の操作を行います。

    1. 右矢印キーを使用して Processor(s) を強調表示させます。

    2. Return キーを押します。Processors グループに属する個々のデバイスと対応するテストを示すメニューが表示されます。

      図 A-14 Processor グループのテスト (TTY インタフェース)

      Graphic

    3. Esc キーを押して、メインメニューに戻ります。

  8. すべてのテストグループの選択を解除するには、以下の操作を行います。

    1. Tab キーを使用して制御パネルに移動します。

    2. 矢印キーを使用して test_select を強調表示させます。

    3. Return キーを押して test_select メニューを開きます。

    4. None を強調表示させて、Return キーを押します。

      各テストグループ横のすべてのアスタリスクが消えて、テストが選択されていないことを示します。

  9. デバイス固有のテストオプションの設定を変更するには、以下の操作を行います。

    1. Tab キーを使用してシステムマップに移動します。

    2. 矢印キーを使用して Network を強調表示させ、Return キーを押します。

      メニューが表示され、ネットワークデバイスが示されます。

    3. .nettest (またはシステムで実行できる他のネットワークテスト) を強調表示させ、Return キーを押します。

    4. Test_Parameters を強調表示させて Return キーを押します。

      nettest の Test Parameters メニューが表示されます。ここでは、Print_Warning オプションの設定変更だけを行います。

    5. 矢印キーを使用して Print_Warning の横の Disabled を強調表示させます。

      図 A-15 nettest の Test_Parameters メニュー (TTY インタフェース)

      Graphic

    6. Return キーを 1 回押して enable/disable メニューを開き、再度 Return キーを押して enable を選択します。

      Print_Warningenable に設定されました。このとき、Esc キーは押さないでください。変更は Apply (適用) する必要があります。

    7. 矢印キーを使用して Apply を強調表示させ、Return キーを押します。

      変更が適用され、前のメニューに戻ります。


      注 -

      個別テストオプションの詳細については、「個別テストオプション」 と『SunVTS 3.1 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。


    8. Return キーを押して再び nettest のオプションメニューを開きます。

    9. Test_Execution を強調表示させ、Return を押します。

    10. Verbose オプション (disabled の状態) を強調表示させ、Return キーを 2 回押して、enabled に変更します。

    11. 矢印キーを使用して Apply を強調表示させ、Return キーを押します。

  10. テストするデバイスを選択します。

    テストはいくつでも選択することができます。ここでは、1 つのテスト (nettest) だけを選択します。

    1. 矢印キーを使用して nettest の横の角括弧 ([ ]) を強調表示させます。

    2. スペースキーを押します。

      システムマップの Network グループの横にアスタリスクが表示されます。

    3. Esc キーを押して TTY のメインウィンドウに戻ります。

      システムマップの Network グループの横にアスタリスクが表示されます。

      図 A-16 Network グループが選択されている状態のシステムマップ (TTY インタフェース)

      Graphic

  11. 詳細オプションの設定を行うには、以下の操作を行います。

    1. Tab キーを使用して制御パネルに移動します。

    2. 下矢印キーを使用して 2 行目のコマンド行に移動します。

    3. 矢印キーを使用して set_options を強調表示させます。

    4. Return を押して set_options メニューを開きます。

    5. 再度 Return キーを押して Thresholds メニューを開きます。

    6. Max_System_Passes のフィールドに 3 と入力します。

    7. 矢印キーを使用して Apply を強調表示させ、Return キーを押します。

  12. テストを開始するには、以下の操作を行います。

    1. 矢印キーを使用して制御パネル内の Start を強調表示させます。

    2. Return キーを 1 回押して start メニューを開き、再度 Return キーを押して Start を選択します。

      テストが開始されます。verbose オプションが有効になっているため、コンソール領域にメッセージが表示されます。また、状態パネルには、システムの状態やパス回数、エラーの発生回数、経過時間などのテスト情報が表示されます。


      注 -

      nettest は、システムの CPU ボードとネットワークコントローラボード上のすべてのネットワークハードウェアを検査します。このテストは、ネットワークに接続されているシステムに対して行います。


  13. テスト結果を確認します。

    1. テストが終了したときに表示されるメッセージウィンドウを参照します。

      メッセージウィンドウには、テストされたすべてのデバイスのテスト結果が表示されます。

      図 A-17 TTY メッセージ領域 (TTY インタフェース)

      Graphic

    2. Esc キーを押してメッセージウィンドウを閉じます。

      他のコマンドを使用するには、このウィンドウを閉じる必要があります。

  14. ログファイルを参照します。

    SunVTS のイベントは、3 つのログファイルに記録されます。詳細は、「Log Files ボタン」を参照してください。このチュートリアルでは、情報ログの内容を表示する方法を示します。

    1. Tab キーを使用して制御パネルに移動します。

    2. log_files を強調表示させて Return キーを押します。

    3. Information を強調表示さて Return キーを押します。

    4. Display を強調表示さて Return キーを押します。

      SunVTS の情報ログの内容が表示されます。

      SunVTS は、シェル (Bourne、Korn、c など) のデフォルトのエディタを使用して一時ファイルを開き、ログファイルを表示します。ほとんどの場合、デフォルトのエディタは vi エディタです。このファイルでは、エディタの標準のコマンドをすべて使用することができますが、元のログファイルが変更されることはありません。

      vi エディタを使用する場合は、以下の vi コマンドを使用してログファイルの内容を表示することができます。

      • 矢印キー - カーソルを 1 行ずつ、または 1 文字ずつ移動します。

      • Control-F - 次の画面を表示します。

      • Control-B - 前の画面を表示します。

      • / 文字列 - 順方向に文字列を検索します。

      • Esc または Q - 終了します。

      図 A-18 SunVTS の情報ログ (TTY インタフェース)

      Graphic

    5. 情報ログの内容を確認したら、Esc キーを押し、続いて :q と入力して情報ログ画面を閉じます。

    6. 再度 Esc キーを押して、log_file メニューを閉じます。

  15. 現在のテスト状態情報をリセットするには、以下の操作を行います。

    次のテストセッションを開始する前に、前のテスト状態情報をリセットすることを推奨します。

    1. Tab キーを押して制御パネルに移動します。

    2. reset を強調表示させて Return キーを押します。

      状態パネルがクリアされます。


      注 -

      このリセットによって、ウィンドウ下部のコンソール領域のメッセージがクリアされることはありません。


  16. SunVTS を終了するには、以下の操作を行います。

    1. Tab キーを使用して制御パネルに移動します。

    2. quit を強調表示させて Return キーを押し、Quit メニューを表示します。Quite メニューで再度 Return キーを押して quit UI and kernel を選択します。

      SunVTS が終了します。

コマンド行からのテストの実行

状況によっては、コマンド行から SunVTS のテストを単独で実行した方が都合の良いことがあります。その場合、テストは SunVTS カーネル (vtsk) なしで実行されます。すべてのイベントとエラーメッセージは stdout または stderr に送られ、ログファイルに記録されることはありません。

テストは、以下の 2 つのディレクトリに格納されています。

使用しているオペレーティングシステムのバージョン (32 ビットまたは 64 ビット) に基づいて、テストのパス名を使用してください。

コマンド行からテストを実行する場合、すべてのテストオプションは、コマンド行引数の形式で指定する必要があります。

コマンド行引数は、以下の 2 種類があります。

コマンド行から実行するときの標準の構文は以下のとおりです。


テスト名  [-scruvdtelnf] [-p 数値] [-i 数値] [-w 数値] [-o テスト固有の引数]

SunVTS のすべてのテストに共通の標準コマンド行引数の意味は、以下の表に示すとおりです。

表 A-2 標準のコマンド行引数

引数 

意味 

-s

SunVTS カーネル (vtsk) から起動したかのようにテストを実行します。テストの出力は、SunVTS カーネルが使用している RPC ポートに送信されます。デフォルトでは、出力は stdout または stderr に送信されます。

-c

いくつかのシグナルを受信したとき、現在の作業用ディレクトリにテストプロセスのコアイメージを作成します。このオプションが無効な場合は、コアイメージが作成されないように、シグナルは捕捉、処理されます。デフォルトでは、コアイメージの作成は無効です。 

-r

エラー発生時の実行 (run on error) を有効にします。この場合は、エラーが発生しても、テストは終了せず、次のテストシーケンスに進みます。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-u

コマンド行の使用法を表示します。 

-v

詳細モードでテストを実行し、テストプロセスに関する詳細メッセージを表示します。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-d

デバッグモードでテストを実行し、テストコードのデバッグに役立つ情報を表示します。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-t

テスト機能の Trace モードでテストを実行し、テストコードによって使用されている関数呼び出しとシーケンスを含むメッセージを表示します。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-e

システム負荷を大きくすることによって Stress モードでテストを実行します。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-l

Functional テストモードでテストを実行します。これは、vtsui.online コマンドから実行したときと同じモードです。他のアプリケーションに多大な影響を及ぼすことのない非占有型のテストが実行されます。下記の注を参照してください。デフォルトでは、このオプションは有効です。

-n

Connection テストモードでテストを実行します。下記の注を参照してください。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-f

完全な Functional テストモードでテストを実行します。このモードは、テスト中のデバイスを完全に制御できることが前提になります。下記の注を参照してください。デフォルトでは、このオプションは無効です。 

-i 数値

スケーラブルテストのインスタンス数を指定します。 

-p 数値

パス回数を指定します。 

-w 数値

テストを割り当てるインスタンスを指定します (スケーラブルテストのみ)。 

-o

この後のオプションと引数がテスト固有であることを示します。 注 - テスト固有の引数は、コンマで区切って指定してください。コンマの後に空白を挿入しないでください。 


注 -

lnf オプションを使用してテストモードを指定する場合は、そのうちの 1 つのオプションだけを指定してください。異なるテストモードを同時に指定することはできません。


コマンド行からテストを単独で実行する
  1. 実行するテストのコマンド行構文と引数を確認します。

    SunVTS には、約 50 種類のテストがあります。実行できるテストは、個々のシステム構成によって異なります。ここでは、どのような構成でも一般的なデバイスに対する 3 つのテストのうちの 1 つを説明します。実際のシステム構成に対応するテストの 1 つを選択し、実行してください。コマンド行構文とテストオプションについての詳細は、『SunVTS 3.1 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。

  2. テストに必要な記憶媒体 (テープ、CD、フロッピーディスクなど) やループバックコネクタを装着します。


    注 -

    いくつかのテストでは、この作業は必須です。ただし、このチュートリアルでは、記憶媒体やループバックコネクタを必要とするテストは説明しません。


  3. 下記の例のいずれか 1 つを選択して、テストを実行します。

    オーディオデバイスのテスト:


    # /opt/SUNWvts/bin/audiotest -vf -p1 -o M,X

    この例では、-vf -p1 -o がすべてのテストに共通の標準引数で、 MX の 2 つが audiotest に固有の引数です。テストに固有の引数が空白ではなく、コンマで区切られていることに注意してください。

    ディスクドライブのテスト:


    # /opt/SUNWvts/bin/disktest -n -p2 -o dev=c0t0d0

    このコマンドは、c0t0d0 という名前のディスクドライブをテストします。必要に応じて、このデバイス名を実際にシステムに接続されているドライブのデバイス名に置き換えてください。

    CPU のテスト:


    # /opt/SUNWvts/bin/systest -v -f -p3 -i5

  4. テストの実行中に画面に表示されるメッセージを確認します。

    エラーが発生すると、画面にエラーメッセージが表示されます。SunVTS カーネルなしでテストを実行しているため、イベントやエラーがログファイルに記録されることはありません。