名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | デフォルト | 使用例 | ファイル
GFXconfig は Raptor GFX グラフィックスアクセラレータの設定用コマンドで、 これには X11 ウィンドウシステムの一部を Raptor GFX 用にデフォルト設定する機能も含まれます。
形式の項に記された GFXconfig の第 1 の形式では、指定したオプションを OWconfig ファイルに保存します。 次回の Raptor GFX デバイス上でのウィンドウシステム起動時に、 ここで指定したオプションに従って Raptor GFX デバイスを初期化します。 OWconfig ファイルに保存されたオプションの更新内容は、 異なる複数のウィンドウシステムセッションや再起動後のシステムでも有効となります。
その他の形式 (2、3、4 番目の形式) を使用した場合はオプション -prconf, -propt, -help, -res? and -vpd を呼び出すだけで、OWconfig ファイルに保存されているオプションを更新することはありません。 更に、3 番目の形式を使用した場合はこれ以外のオプションはすべて無視されます。
一度にオプションを指定できる Raptor GFX デバイスの数は、1 つだけです。 複数の Raptor GFX デバイスにオプションを指定する場合は、 GFXconfig を複数回起動する必要があります。
GFXconfig コマンドで指定できるのは、Raptor GFX 固有のオプションだけです。 デフォルトの表示色数、デフォルトのビジュアルクラスなどを指定する通常のウィンドウシステムのオプションは、 openwin コマンド行のデバイス修飾子で指定してください (OpenWindows のマニュアルページの Xsun(1)を参照)。
ユーザーは、更新する OWconfig ファイルを指定することもできます。 デフォルトでは /etc/openwin ディレクトリツリーにあるマシン固有のファイルが更新されます。別のファイルを指定するには、 -file オプションを使用します。たとえば、 /usr/openwin ディレクトリツリーにあるシステム共通の OWconfig ファイルを代わりに更新することができます。
いずれの標準 OWconfig ファイルでも、書き込み権限があるのはスーパーユーザーだけです。したがって、 GFXconfig は、スーパーユーザーがプログラムの所有者となり、 setuid による root 権限で実行されます。
Raptor GFX 特殊ファイルを指定します。デフォルトは /dev/fbs/gfxp0 、または使用可能な場合であれば /dev/fbs/raptor0 です。
更新する OWconfig ファイルを指定します。 ここで machine が指定された場合は、 /etc/openwin ディレクトリツリーにあるマシン固有の OWconfig ファイルが使用されます。 system が指定された場合は、 /usr/openwin ディレクトリツリーにある共通の OWconfig ファイルが使用されます。ファイルがない場合は、新たに生成されます。
Raptor GFX デバイスに接続されているモニターの制御に使用する表示モードを指定します。
具体的には、以下の形式のビデオモードが組み込まれています。
width と height は画面の幅と高さ (共にピクセル単位)、rate は垂直方向の画面再描画周期です。 再描画周期 rate の前の x は、@ でも代用できます。 つまり周期の指定に限っては、たとえば 1280x1024@76 のような形式にも対応しています。 オプションに -res ? を付けて GFXconfig を実行すると (コマンド形式の項に記された 3 番目の形式)、表示モードの一覧が表示されます。 ビデオボードとモニターの両方が、すべての解像度をサポートしているわけではありません。 ボードのサポートしていない解像度を指定した場合には、GFXconfig はその要求を許可しません。 また、モニターのサポートしていない解像度を指定した場合には、 その値を適用する前に確認を求めてきます。
便宜上、一部の表示モードには記号名が定義されています。 widthxheightxrate の形式の代わりに、記号名を -res の引数として指定することができます。記号名 none は、ウィンドウシステムを実行すると、画面の解像度が現在デバイスにプログラムされている表示モードになることを意味します。
記号名 |
対応する表示モード |
---|---|
svga |
1024x768x60 |
1152 |
1152x900x76 |
1280 |
1280x1024x76 |
vga |
640x480x60 |
none |
(上記を参照) |
-res オプションには、表示モードの直後に次の追加引数を指定することができます。 追加引数は、単独でも複数でも指定できます。
-res オプションを指定した際に、システムが使用可能であっても、 表示出力のない状態になる場合があります。 このような状況は、特定のコードが読み込まれた際のモニターセンスコードに あいまいさがあった場合などに発生します。 このような事態を避けるために GFXconfig のデフォルトの動作では、この問題についての警告メッセージと、 処理を継続するかどうかを確認するメッセージを表示します。 noconfirm オプションを指定すると、 GFXconfig コマンドはこの確認をせずに、 要求のあった表示モードにプログラムします。 このオプションは、 GFXconfig がシェルスクリプトから実行されている場合に便利です。 ここでオプションに noconfirm を指定すると、 GFXconfig はこの確認作業を省略し、 指定したビデオモードを無条件に適用します。 シェルスクリプトから GFXconfig を実行する場合などは、このオプションを使用すると便利です。
このオプションを指定すると、(前述の) モニターセンスコードに 基づく通常のエラーチェックが行われません。 ユーザーによって指定された表示モードは、 現在接続されているモニターに適切かどうかにかかわらず受け付けられます。 このオプションは、Raptor GFX デバイスに異なるモニターを 接続する場合に便利です。 このオプションの指定は、noconfirm の指定も兼ねます。
このオプションを指定すると、指定した表示モードが試験的にプログラムされます。 まず、指定したモードに基づいたタイピングパターンが表示され、 このビデオモードを適用するか否かの確認を促してきます。 適用する場合はパターンの表示中に「y」(次いでキャリッジリターン) を入力します。 「y」以外の文字を入力 (次いでキャリッジリターンを入力) した場合は、 この新規ビデオモードをそのまま適用するか否かを 「yes」または「no」のどちらかで選択するように促してきます。
すべてのオプションの値をそれぞれのデフォルト値に戻します。
-file オプションで指定された OWconfig ファイルに書かれた Raptor GFX オプションの値のうち、 -dev オプションで指定されたデバイスに対するものすべてを表示します。 GFXconfig の呼び出しが終了した後に、 OWconfig ファイルに書き込まれるオプションの値を表示します。 以下に表示例を示します。
--- OpenWindows Configuration for /dev/fbs/gfxp0 --- OWconfig: machine Video Mode: not set |
Raptor GFX のハードウェア構成を表示します。 以下に表示例を示します。
--- Hardware Configuration for /dev/fbs/gfxp0 --- DAC: version 0x0 Type: Board: PROM: version 0x0 PROM Information: RAM: EDID Data: Monitor Sense ID: Card possible resolutions: 640x480x60, 800x600x75, 1024x768x60 1024x768x70, 1024x768x75, 1280x1024x75, 1280x1024x76 1280x1024x60, 1152x900x66, 1152x900x76, 1280x1024x67 960x680x112S, 960x680x108S, 640x480x60i, 768x575x50i, 1280x800x76, 1440x900x76, 1600x1000x66, 1600x1000x76, vga, svga, 1152, 1280, stereo, ntsc, pal Monitor possible resolutions: 720x400x70, 720x400x88, 640x480x60 640x480x67, 640x480x72, 640x480x75, 800x600x56, 800x600x60, 800x600x72, 800x600x75, 832x624x75, 1024x768x87, 1024x768x60, 1024x768x70, 1024x768x75, 1280x1024x75, 1280x1024x76, 1152x900x66, 1152x900x76, 1280x1024x67, 960x680x112S, vga, svga, 1152, 1280 stereo Current resolution setting: 1280x1024x76 Possible depths: Current depth: 8 |
GFXconfig コマンド行のオプションと機能の概要を一覧で表示します。
カードの製品データのうち主要なもの (シリアルナンバーや PROM のバージョンなど) を一覧表示します。
GFXconfig コマンド行で指定されていないオプションについては、 対応する OWconfig ファイル中のオプションは更新されず、 ファイル内の値がそのまま使用されます。ただし、 '-depth' と '-24only' については、その限りではありません。
ウィンドウシステムを実行する際に、 GFXconfig による Raptor GFX のオプションの指定がまったくなかった場合は、 デフォルト値が使用されます。 オプションのデフォルトは次のとおりです。
表 2 オプションのデフォルト値
オプション |
デフォルト値 |
---|---|
-dev |
/dev/fbs/gfxp0 |
-file |
machine |
-res |
none |
-res オプションのデフォルト値 none とは、 ウィンドウシステムが実行された場合に、 画面解像度がそのデバイスに現在プログラムされている表示モードに なることを意味しています。
注 - これによって、PROM によってデバイスの解像度を 指定しているユーザーとの共用性が保てます。 (GX などの) 一部のデバイスでは、PROM が表示モードを 指定する唯一の手段です。 これは、デフォルトの Raptor GFX 表示モードは、 最終的に PROM によって決まることを意味しています。
example% /usr/sbin/GFXconfig -res 1280x1024x76