SunVTS 3.2 ユーザーマニュアル

第 2 章 SunVTS のインストールと削除

この章では、SunVTS のインストールと削除方法について説明します。

SunVTS のパッケージ

サンでは、パッケージと呼ばれる形態でソフトウェア製品を提供しています。SunVTS 3.2 では、以下の 5 つのパッケージと 1 つの README ファイルがあります。

これらのパッケージは、Solaris メディアキットに含まれているサプリメント CD に収録されています。

SunVTS のインストール

パッケージのインストールに使用することができるユーティリティーは、いくつかありますが、この章では、pkgadd ユーティリティーを使用して、ローカルの CD-ROM ドライブから SunVTS をインストールする方法を説明します。swmtool を使用してパッケージをインストールする方法については、『Solaris 7 - 5/99 Sun ハードウェアマニュアル』を参照してください。

インストール条件

pkgadd コマンドで SunVTS をインストールする
  1. システムにログインして、スーパーユーザーになります。

    プロンプトに対して、以下のように入力してください。


    ariela% su
    

  2. SunVTS がシステムにインストールされているかどうかを確認します。

    プロンプトに対して、以下のように入力してください。


    # pkginfo | egrep 'SUNWvts|SUNWodu'
    

    SunVTS パッケージがインストールされていない場合、画面には何も表示されません。SunVTS のインストールに進むことができます。

    次のようなメッセージが表示された場合は、SunVTS がインストールされています。下記の注をお読みください。


    system      SUNWvts        SunVTS


    注 -

    同じディレクトリに異なるバージョンの SunVTS をインストールしないでください。SunVTS をインストールする前に、pkgrm コマンドを使用して、既存の SunVTS を削除してください。詳細は、「日本語環境での SunVTS の使用について」を参照してください。


  3. CD-ROM ドライブにサプリメント CD を挿入します。

    ボリュームマネージャーによって、CD が自動的にマウントされます。

  4. 下記の例を参考に pkgadd を使用して、SunVTS をインストールします。

    • SunVTS をデフォルトのディレクトリ (/opt) にインストールする場合は、以下のように入力します。


      # pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWvts
      

    • SunVTS をデフォルト (/opt) 以外のディレクトリにインストールする場合は、以下のように入力します。この場合は、インストールするディレクトリを入力するように求められます。


      # pkgadd -a none -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWvts
      

  5. 問い合わせに答えます。


    注 -

    Warning: The <SUNWsycfd> package "Sun Enterprise SyMON Agent" is a prerequisite package and should be installed.という 警告メッセージが表示されることがあります。 このメッセージによって、SunVTS の正常なインストールまたは実行が妨げられることはありません。このメッセージは、configd プログラム (SUNWsycfd に含まれる) がシステムに存在しないことを示します。configd は、SunVTS の物理マッピング (Physical mapping) 機能に必要です。物理マッピング機能を使用する場合は、SUNWsycfd パッケージをインストールしてください。SUNWsycfd は、サプリメント CD に含まれています。


  6. 実際の Solaris 操作環境に合わせて SunVTS サポートパッケージをインストールします。 (詳細は、「SunVTS のパッケージ」を参照してください。)


    # pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWvtsx SUNWodu SUNWvtsmn SUNWjvtsm
    


    注 -

    SUNWvts のインストールで -a none を使用した場合は、ここでも -a none を使用してください。


  7. SunVTS のパッケージがインストールされたことを確認します。


    # pkginfo  SUNWvts SUNWvtsx SUNWvtsmn SUNWodu
    system      SUNWodu        Online Diagnostic Utilities
    system      SUNWvts        SunVTS
    system      SUNWvtsmn      SunVTS Man Pages
    system      SUNWvtsx       64-bit SunVTS
    

SunVTS のマニュアルページの利用に必要な設定をする

SunVTS のマニュアルページは、"SunVTS のインストールディレクトリ/man" (デフォルトでは /opt/SUNWvts/man) ディレクトリにインストールされます。マニュアルページを利用するには、ログインシェルに対応する初期化ファイル (通常、Bourne および Korn シェルでは .profile、C シェルでは .login) の MANPATH シェル変数にこのディレクトリを追加する必要があります。

下記の手順では、SunVTS パッケージのインストールでデフォルトの SunVTS インストールディレクトリ (/opt/SUNWvts) が使用されているものとして説明を行っています。デフォルト以外のディレクトリにインストールした場合は、手順の説明中のディレクトリ名を、マニュアルページを実際にインストールしたディレクトリの名前に置き換えてお読みください。

  1. テキストエディタで適切な初期化ファイルを開き、MANPATH 変数に SunVTS のマニュアルページのディレクトリ (デフォルトでは/opt/SUNWvts/man ) を追加します。

    Bourne, Korn シェルの例 :

    MANPATH=/usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man;export MANPATH

    C シェルの例 :

    setenv MANPATH /usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man

  2. . (ドット) または source コマンドで初期化ファイルを再読み込みするか、ログインし直すことによって、編集した初期化ファイルをシステムに読み取らせます。

  3. SyMON のマニュアルページディレクトリが MANPATH 変数に設定されていることを確認するには、次のコマンドを入力します。


    # echo $MANPATH
    /usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man


    注 -

    ユーザーの作業環境、シェル変数、初期化ファイルのカスタマイズについては、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


日本語環境での SunVTS の使用について

SunVTS 3.2 ソフトウェアは、国際化 (I18N: Internationalization) のレベル 4 に対応しており、国際化について熟知している場合は、SunVTS を日本語環境に対応させて実行できるように設計されています。日本語環境で SunVTS を実行する際には、英語フォントまたは日本語フォントのいずれかを使用できます。以下の手順で、どちらの言語を使用するか選択してください。

日本語環境で英語版 SunVTS を実行する

SunVTS を起動する前に、LANG 変数を英語に設定します。C シェルを使用した例を以下に示します。

  1. LANG 変数を設定します。

    # setenv LANG C

日本語環境用 GUI resource ファイルを設定する
  1. スーパーユーザーになってディレクトリを作成します。

    # mkdir -p /opt/SUNWvts/lib/locale/LANG/app-defaults

    ここで LANG には、使用している言語の言語コード (日本語 EUC の場合は ja) を入力します。

  2. 作成したディレクトリに SunVTS Xresource (Vtsui) ファイルをコピーします。

    # cp /opt/SUNWvts/lib/Vtsui /opt/SUNWvts/lib/locale/LANG/app -defaults


    注 -

    上記の例は、SunVTS をデフォルトのディレクトリ (/opt) にインストールした場合を前提としています。SunVTS を別のディレクトリにインストールした場合は、そのディレクトリのパスに合わせて指定してください。


  3. 日本語環境で必要なフォント仕様に合うように、Vtsui ファイルのフォント定義をカスタマイズします。

SunVTS の削除

新しいバージョンの SunVTS をインストールする前に、既存の SunVTS を削除する必要があります。以下に、pkgrm コマンドを使用して既存の SunVTS を削除する手順を示します。

pkgrm コマンドで SunVTS を削除する
  1. システムにログインして、スーパーユーザーになります。

    プロンプトに対して、以下のように入力してください。


    ariela% su
    

  2. pkgrm コマンドを使用して、パッケージを削除します。


    # pkgrm  SUNWvtsx SUNWvtsmn SUNWodu SUNWvts SUNWjvtsm
    

    削除を確認するプロンプトに対して y (はい) を入力します。

    Removal of <パッケージ名> was successful. というメッセージが表示されます。