Solaris 7 - 5/99 ご使用にあたって (Intel 版)

Solaris 7 - 5/99 インストールの注意事項とバグ情報

この節では、主に次の情報について説明します。

Solaris Web Start 1.0 インストールに関する注意事項とバグ情報

この節では、Solaris Web Start 1.0 を使用してインストールを行う場合に発生する問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用する場合には発生しません。

Solaris Web Start 1.0 についての詳細は、『Solaris 7 インストールライブラリ (Intel 版)』の「Solaris Web Start の使い方」を参照してください。

ルート (/) ファイルシステムを移動できない (バグ ID: 4046659)

Solaris Web Start 1.0 ではシステムディスクを選択できますが、その後にルート (/) ファイルシステムをシステムディスクから移動できません。

回避方法 : ルート (/) ファイルシステムをシステムディスクから移動する必要がある場合は、Solaris Web Start 1.0 ではなく Solaris 対話式インストールプログラムを使用してください。

製品がすべての予約領域を使用しない (バグ ID: 4059182)

Solaris Web Start 1.0 は、インストールするすべての製品に必要な合計ディスク容量に基づいてディスク容量を確保します。インストール後、製品を使用する前にディスク容量の割り当てをチェックすると、かなりの容量が未使用であるように見えます。この容量の一部は未使用のままになる場合もありますが、一部はソフトウェアを実行するときに使用されます。

回避方法 : Solaris Web Start 1.0 が必要とする容量よりも少ないディスク容量を割り当てたい場合は、Solaris Web Start 1.0 ではなく Solaris 対話式インストールプログラムを使用してください。

ルート (/) ファイルシステムが HBA シリンダ 1023 を超えて配置される (バグ ID: 4062008)

Solaris Web Start 1.0 でファイルシステムを手動で配置すると、インストールプログラムの起動後、エラーメッセージが表示される場合があります。これは、ルート (/) ファイルシステムに割り当てられた領域が大きすぎるためです。

回避方法 : Solaris Web Start 1.0 を再起動し、自動ファイルシステム配置を使用してください。

対話式インストールに関する注意事項とバグ情報

この節では、対話式インストールに関連する問題について説明します。

Solaris dtlogin 画面

システムを初めて起動すると、どのデスクトップを使用するかにかかわらず、デフォルトでログイン画面が表示されます。使用するデスクトップを、そのログイン画面で選択することができます。またログイン画面では、ユーザー名とパスワードを入力します。ユーザー名とパスワードが認証されると、デスクトップが表示されます。ログイン画面についての詳細は、dtlogin のマニュアルページ (Solaris CDE マニュアルページに含まれている) または『Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』を参照してください。

dtlogin に関するシステム管理者向けの注意事項

Solaris CDE システムを運用するシステム管理者は、Solaris CDE の GUI によるログインプログラム (dtlogin) に関する知識を持っている必要があります。『Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』または dtlogin および dtconfig のマニュアルページを参照してください。

ファイルシステムのマウントでエラーが発生してインストールが失敗する (バグ ID: 4164303)

次のメッセージが表示されます。


The Solaris operating environment on slice c0t0d0s0 cannot be upgraded.
A file system listed in the file system table (vfstab) could not be mounted.

ルート (/) の i ノード用にストライプされた DiskSuiteTM メタデバイスに格納されている i ノードに、インストールプログラムが割り込み、そのメタデバイスをアップグレード可能なスライスとしてマウントしようとしたと考えられます。この問題が発生した場合は、マウントが失敗してインストールが異常終了します。

リブート後に TotalNET Advanced Server (SunLink) ドライバでパニックが発生する (バグ ID: 4121961)

次のような警告メッセージが表示されます。


Warning:  mod_install: MT-unsafe driver 'tnatp' rejected panic[cpu0] /
thread=7051e040:mutex-enter:bad_mutex lp=1046aa20 owner=7051e040 thread=7051e040

ドライバの衝突が発生するため、Solaris 7 オペレーティング環境では TotalNET Advanced Server (SunLinkTM)をバージョン 5.2 へアップグレードする必要があります。TotalNET Advanced Server 5.0 および 5.1 では、Solaris 7 オペレーティング環境が正常にブートしません。

回避方法 : Solaris 7 オペレーティング環境をインストールする前に、インストールされている TotalNET Advanced Server のすべての構成要素をバージョン 5.2 にアップグレードする必要があります。TotalNET Advanced Server 5.2 は、Solaris Easy Access Server 2.0 CD から入手することができます。アップグレード方法については、添付のマニュアルを参照してください。

インストールの進捗を示すスケール表示が不正確 (バグ ID: 1266156)

Solaris ソフトウェアのインストール中であるにもかかわらず、「Solaris ソフトウェアのインストール - 実行中」で表示されるスケールが、インストールが完了したことを示す場合があります。スケールがインストール完了を示した後も、インストールプログラムがパッケージを追加していることがあります。インストールが完了したかどうかを、スケール表示で判断しないでください。すべてのインストール処理が完了すると、次のメッセージが表示されます。


インストールが完了しました

アップグレードに関する注意事項とバグ情報

この節では、アップグレード時にのみ発生する問題について説明します。


注意 - 注意 -

x86 システムを Solaris 7 オペレーティング環境にアップグレードする前に、必ずバグ ID: 4121281 に関する説明をお読みください。


DiskSuite でデータが失われる可能性がある (バグ ID: 4121281)

DiskSuite を使用しているシステムを Solaris 7 にアップグレードする場合、DiskSuite をバージョン 4.2 にアップグレードする必要があります。DiskSuite 4.2 には、metadb 複製の削除および交換を自動的に行う metacvt というスクリプトが含まれています。このスクリプトを使用して、metadb 複製に格納されている SCSI ドライバ名を cmdk から sd に変更できます。

回避方法 : Solaris 7 オペレーティング環境へのアップグレード中にデータを損失しないようにするには、DiskSuite が動作している x86 システムのアップグレードを開始する前に、メタデバイス構成をテキストファイルに保存し、metadb 複製を削除してください。x86 システムのアップグレード後に、DiskSuite のコマンド行インタフェースを使用してメタデバイス構成を復元してください。

Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』には、metadb 構成の保存、metadb 複製の削除、x86 システムの Solaris 7 オペレーティング環境へのアップグレード、DiskSuite のバージョン 4.2 へのアップグレード、メタデバイス構成の復元について、それぞれの手順が記載されています。Solaris 7 オペレーティング環境には、これらの手順を自動化する Bourne シェルスクリプトが含まれています。

なお DiskSuite 4.2 は、Solaris Easy Access Server 2.0 CD から入手することができます。

ディスクレスクライアントのインストールでサーバー上の dfstab ファイル内の変更が保存されない (バグ ID: 4045544)

ディスクレスクライアントを持つサーバーの Solaris オペレーティング環境をアップグレードするとき、/usr に対する dfstab 行のオプションが保存されません。たとえば、dfstab ファイルに次のように入力したとします。


share -F nfs -o rw /export/exec/Solaris_2.7_sparc.all/usr

アップグレード時に、このエントリが自動的に次のように置換されてしまいます。


share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_2.7_sparc.all/usr

回避方法 : ディスクレスクライアントまたは SolsticeTM AutoClientTM を持つ OS サーバーで Solaris オペレーティング環境をアップグレードする前に、各クライアントの /etc/dfs/dfstab ファイルのバックアップを取っておいてください。

複数のアーキテクチャを持つサーバーにパッチを適用できない (バグ ID: 1249343)

複数の SPARC カーネルアーキテクチャのディスクレスクライアントを持つサーバー (たとえば、sun4c、sun4d、sun4m アーキテクチャのディスクレスクライアントを持つ sun4u サーバー) をアップグレードした後、サーバーとはカーネルアーキテクチャが異なるクライアントの SUNWkvm パッケージには、パッチを適用できません。

回避方法 : SUNWkvm に関連するパッチを適用する前に、手動ですべての SUNWkvm パッケージを追加してください。


# pkgadd -d  SUNWkvm.*

アップグレードできるシステムがディスク容量不足のためにアップグレードできないと間違って判断される (バグ ID: 4041733)

アップグレードプログラムは、Solaris ソフトウェアのシステムをアップグレードするために必要な容量よりも 30% 多くの容量を見積もります。したがって、アップグレードできるシステムでも、パッケージの選択を解除したり、容量を増やしたりしないとアップグレードできない場合があります。

回避方法 : 手動でファイルシステムのディスク容量を再度割り当ててください。または、「ソフトウェアのカスタマイズ」メニューを選んで、不要なソフトウェアパッケージを削除してください。

サーバーをアップグレードしたときに一部のパッチがクライアントに適用されない (バグ ID: 4175220)

サーバーをアップグレードしたときに、Solaris 7 - 5/99 Software CD の Patches ディレクトリにあるパッチがサーバー上のクライアント OS へ自動的には適用されません。

回避方法 : サーバーのアップグレードが完了した後に、Patches ディレクトリにあるパッチをサーバー上のクライアント OS に適用してください。

ヨーロッパ言語ロケール用のアップデートパッチを適用してアップグレードするとエラーが発生する (バグ ID: 4230247)

ヨーロッパ言語ロケールのアップデートパッチ 106931-04、107617-01 を適用したシステムをアップグレードすると、次に示すようなエラーメッセージがアップグレードログに記録されます。


Doing pkgadd of SUNWplow to /.
pkgadd: ERROR: unable to create package object </a/usr/openwin/share/locale/de.ISO8859-15>.
    file type <s> expected <d> actual
    unable to remove existing directory at </a/usr/openwin/share/locale/de.ISO8859-15>
....
Installation of <SUNWplow> partially failed.
pkgadd return code = 2
 
 
Doing pkgadd of SUNWpldte to /.
WARNING: /a/usr/dt/appconfig/types/de.ISO8859-15 
may not overwrite a populated directory.
......
pkgadd: ERROR: /a/usr/dt/appconfig/types/de.ISO8859-15 could not be installed.
.......
Installation of <SUNWpldte> partially failed.
pkgadd return code = 2

アップグレードログに示されているディレクトリは、パッチによってシンボリックリンクからディレクトリに変更されます。この変更がアップグレード時にインストールしようとしたパッケージに含まれていないため、上記のエラーメッセージが出力されます。ただし、アップグレードしたシステムのオペレーティング環境に対して、このエラーによる影響はありません。

回避方法: 問題は発生しないので、このエラーメッセージは無視してください。

インストール全般に関するバグ情報

ファイルシステムの作成時に警告メッセージが出力されることがある (バグ ID: 4189127)

インストール中にファイルシステムを作成しているときに、次のどちらかの警告メッセージが出力されることがあります。


Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last
    cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated.

Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated

   

作成中のファイルシステムと等しい容量が、使用しているディスク上の領域に割り当てられない時に、上記の警告メッセージが表示されます。この場合、ディスク上に未使用の領域ができ、その領域は作成中のファイルシステムに取り込まれません。また、この未使用のディスク領域は、他のファイルシステムでも利用されません。

回避方法 : 問題は発生しないので、上記の警告メッセージは無視してください。

OS サーバーに Solaris 7 OS サービスを追加すると、追加に失敗したというメッセージが出力される (バグ ID: 4171470)

OS サーバーに OS サービスとして Solaris 7 システムソフトウェアを追加すると、次のようなエラーメッセージが表示されます。


os_server:  Error:  Error adding OS service Solaris 2.7 i386 i86pc: 
service modification failed.
See /var/sadm/system/logs/upgrade_log for more information
(/var/sadm/install_data/upgrade_log on Solaris 2.3 or 2.4).

os_server の部分は、OS サーバーの名前になります。

上記のログファイルを見ると、次のようなメッセージで SUNWplow パッケージの追加に失敗していることがわかります。


Doing pkgadd of SUNWplow to /.
ERROR: attribute verification of <export/exec/Solaris_2.7_i386.all/etc/default/init> failed
pathname does not exist

回避方法 : エラーメッセージを無視してください。

ユーザーが inetd.conf 中のデーモンとサーバーを無効に設定してもパッケージインスタンスによって上書きされる (バグ ID: 4220923)

KCMS プロファイルサーバー、フォントサーバー、CacheFS デーモン、Kerbd デーモンの行が /etc/inetd.conf ファイル中にすでに存在しておりコメントアウトされている場合でも、対話式インストールプログラムはそれらの行を追加します。

回避方法 : テキストエディタを使用して、/etc/inetd.conf ファイル中の不要なエントリを削除またはコメントアウトしてください。

ハードウェアに関するバグ情報

kdmconfig: JumpStart インストールが pnp モニターで失敗する (バグ ID: 4166376)

プラグ&プレイモニターを使用するように JumpStart インストールを構成している場合、インストールが正しく行われません。インストールされたシステム上のモニター情報が不完全になります。

回避方法 : JumpStart インストールを、周波数が多い同等のモニターを使用するように構成してください。