Solaris 7 - 5/99 ご使用にあたって (Intel 版)

Solaris 7 - 5/99 実行時の注意事項とバグ情報

この節では、Solaris 7 - 5/99 実行時の注意事項およびバグ情報について説明します。

Solaris CDE に関するバグ情報

dtgreet からリモートログインするとローカルのウィンドウシステムが動かなくなる (バグ ID: 4213502)

CDE のメインログインメニューで「オプション」->「リモートログイン」を選択すると、他のシステムにログインできます。このリモートログインセッションを終了して元のシステムに戻ると、X サーバーが起動しなくなることがあります。その画面上で CDE セッションを開始するには、画面が動かなくなっているシステムにコマンド行からスーパーユーザーでログインして以下のコマンドを実行し、ログアウトしてください。


# /etc/init.d/dtlogin stop
# /etc/init.d/dtlogin start

回避方法 : 上記の問題を防ぐためにパッチ 107181-05 またはそれ以降のバージョンを適用してください。パッチの入手方法については、ご購入先にお問い合わせください。

フロッピーディスクのフォーマットウィンドウが終了しない (バグID: 4211612)

ファイル・マネージャを使用してフロッピーディスクのフォーマットをする場合、フォーマットウィンドウが繰り返し表示されて、フォーマットができないことがあります。

回避方法 : 以下のようにして、いったんコマンド行からフロッピーディスクを取り出し、フォーマットウィンドウを終了してください。


% eject
その後、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「コマンド行でのフロッピーディスクのフォーマットと使用方法」を参考にして、コマンド行からフロッピーディスクをフォーマットしてください。

システム管理に関するバグ情報

init がシリアルディスプレイからのキャリアの脱落を認識しないのでデフォルトのコンソールに戻らない (バグ ID: 4191023)

キャリアが失われたときつまり (ログイン時に経由したデフォルトのコンソール上または補助コンソール上にはない) シリアルポートとの接続が切れたときに、そのシリアルポートから init コマンドを実行してシステムをシングルユーザーモードまたは管理モードにした場合、システムをリブートする前にそのシリアルポート上にキャリアが再確立されていることを確認してください。(init コマンドの実行対象となったポート上のみの) システムをブートする実行レベルを入力するためのプロンプトが表示されます。

回避方法: キャリアが失われた時には、シリアルポートに再接続してから、システムをリブートしてください。

スタンドアロンのセッションから reboot コマンドを実行したときに、実行レベルを入力するプロプトが init コマンドから表示される (バグ ID: 4191148)

init コマンドを使用するシステム管理作業を行なっているとき、reboot コマンドを実行すると init 状態 (実行レベル) を変更したデバイス上に不適当なメッセージが出力されることがあります。init s を実行するとリモートコンソール上にシングルユーザーシェルが確立され、その後システムをリブートすると、以下のようなメッセージが出力されます。


Enter run level
 

回避方法: 上記のような場合は、メッセージを無視してください。

Control-D キーを押すまたは exit コマンドを実行した tty 上に表示する init コマンドの実行レベルプロンプトが変わる (バグ ID: 4196862)

デフォルトの実行レベルにするために、スーパーユーザーで Control-D キーを押すかまたはスーパーユーザーのログインプロンプトから root としてログインした後に exit コマンドを実行すると、デフォルトの実行レベルを入力するためのプロンプトが表示されます。プロンプトは、Control-D キーまたは exit コマンドが実行されたコンソール上ではなく、init コマンドが最初に実行されたコンソール上に表示されます。

pty から init コマンドを実行した場合は、/dev/console がデフォルトのデバイスになり、このデバイス上に実行レベルを入力するためのプロンプトが表示されます。リモートコンソールを実行中にスーパーユーザーとしてログインし、Control-D キーを押してシステムをブートすると、実行レベルを入力するためのプロンプトが補助コンソール上ではなくそのコンソール上に表示されます。

補助コンソールのポートへの接続時に init コマンドが実行レベルを表示しない (バグ ID: 4196993)

1 つまたはそれ以上の補助コンソールを構成している場合に、init コマンドが実行された補助コンソールに対する接続をキャリアが切断し、別の補助コンソールまたはデフォルトコンソールから sulogin シェルが終了した場合、キャリアが接続を切断したポート上に接続を再確立した後、以下のプロンプトが表示されません。


ENTER RUN LEVEL

実行レベルを指定するためのプロンプトが表示されませんが、システムは実行レベルが入力されるのを待機しています。

回避方法: キャリアが接続を切断したポートに対して接続を再度確立し、プロンプトが表示されていなくても任意の実行レベルを入力してください。

コンソールメッセージが補助コンソールにリダイレクトされないことがある (バグ ID: 4197589)

デーモンまたはコマンドは、メッセージを表示するために明示的に /dev/console を使用することがあります。そのようなメッセージは、コンソールに表示されるその他のメッセージの中で表示される頻度が低いです。

回避方法: すべてのメッセージは /dev/console に出力されるので、これを監視できます。また、syslog のログファイルを監視することもできます。

syslog がメッセージを syslogd へ送ることができないときに /dev/syscon へ送る (バグ ID: 4219265)

syslogd がコンソール上にエラーメッセージを表示する必要がある場合、これらのエラーメッセージはデフォルトの場所 /dev/syscon にリダイレクトされます。エラーメッセージは、機能パッチ中に含まれている構成済み補助コ ンソール上には表示されません。

ブート後に UFS 割り当てが使用可能にならない (バグ ID: 4226352)

/etc/vfstab ファイル中に、ディスク割り当て使用可能としてリストされている UFS ファイルシステムがある場合、以下の処理を行なってください。以下の処理を行わないと、システムをブート後にディスク割り当てが自動的に使用可能になりません。

回避方法: 使用可能にするディスク割り当てに対して quotacheck -aquotaon -a コマンドを実行してください。このコマンドを実行しないと、ディスク割り当てが使用不可のままです。

デバッグに関するバグ情報

マルチスレッドプログラムのデバッグ時に dbx 4.0 はスタックトレースをダンプできない (バグ ID: 4207409)

マルチスレッドプログラムをデバッグする際に、dbx 4.0 はシグナルハンドラがあるスレッドスタックを正しくダンプできません。

回避方法 : dbx 5.0 を使用してください。

JDK (Java Development Kit) に関する注意事項とバグ情報

スワップ領域が十分にない場合、Java アプリケーションでコアダンプが起きる (バグ ID: 4037312)

スワップ領域が十分にない場合、Java アプリケーションでコアダンプが起き、次のバスエラーが表示されます。


not enough space

回避方法 : システムで動作しているほかのアプリケーションを終了するか、スワップ領域を追加してください。スワップ領域の追加方法については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。

トゥルーカラー環境での性能を改善するためカラーマップを調整する (バグ ID: 4102599)

Java アプリケーションでの X 要求が多いと、8 ビットカラー (TrueColor または PseudoColor) 環境でときどき起動が遅くなります。処理速度の遅いマシン上では、より 顕著にこの状態が現れます。起動が遅れる主な原因は、初期化時に awt ライブラリによ り最適にディザ処理されるカラーマップの計算です。

回避方法 : 初期化時に計算されたカラーマップの大きさを、環境変数 VIRTCUBESIZE を使用して調整してください。4 から 32 までの間の 2 の累乗数を設定してください。デフォルトは 32 です。


setenv VIRTCUBESIZE 8 

-nojit オプションで警告が表示される (バグ ID: 4144550)

-nojit を使用すると、次の警告が表示されます。


Warning: JIT compiler "none" not found. Will use interpreter

回避方法 : -nojit オプションの代わりに --Djava.compiler=NONE を設定してください。