Solaris 7 Maintenance Update 2 ご使用にあたって

付録 B 既知の問題

Solaris 7 MU2 の既知の問題

この章では、Solaris 7 MU2 のインストールと使用に関連する既知の問題について説明します。

インストールに関するバグ

install_mush で起動すると正常に動作しない (bug ID 4062334)

sh(1)ksh(1) とのやりとりに問題があるため、コマンド行から次のコマンドを実行したり、管理用スクリプトから install_mu を起動すると、install_mu は特定のパッチを正常にインストールしません。


# /bin/sh ./install_mu arguments

対処方法 : コマンド行または管理用スクリプトから次のようにして install_mu を実行します。


# ./install_mu arguments

install_mu/tmp ディレクトリにファイルを残す (bug ID 4108278)

install_mu/tmp にファイルと作業ディレクトリを残します。そのファイルとディレクトリにより /tmp が一杯になり、システム上で問題を起こす可能性があります。/tmp に残されるファイルとディレクトリは、install*SUNW* という形式です。

対処方法 : install_mu の実行が完全に終了した後、install*SUNW* というファイルおよびディレクトリが /tmp にないかどうかを確認します。それらのファイルが root によって最近作成されていた場合、それらを削除します。あるいは、MU2 をスタンドアロンマシンまたはサーバーにインストールした場合は、システムをリブートします。

Patchadd が終了メッセージを表示する

次のメッセージが install_mu によって表示されることがあります。


Installation of XXXXXX-YY failed:
  Attempting to patch a package that is not installed.

ログファイルには、以下のメッセージが残されます。


One or more patch packages included in
XXXXXX-YY are not installed on this system.

Patchadd is terminating.

patchadd は、そのパッチの対象となるパッケージが Solaris 7 システムに入っていなかった場合、パッチの適用はしません。このメッセージは、そういった理由で適用しなかったことを示しています。

たとえば、あるアーキテクチャのパッチを別のアーキテクチャのシステムにインストールしようとした場合 (sun4c システムに sun4u パッチをインストールするなど)、patchadd はそれを検知し、このメッセージを表示します。

このメッセージは、システム上に 1 つまたは複数のパッケージが見つからない場合にも表示されます。管理者がパッケージを削除した可能性や、もともとインストールされていなかった可能性 (全体ディストリビューションより小さいクラスタをインストールした場合など) があります。ディスクレスクライアントと AutoClient の場合は、これが当てはまります。

対処方法 : このメッセージは無視してください。

バックアウトに関するバグ

SPARC サーバーの /devices エントリが 106542-04 の postpatch スクリプトによって削除されてしまう (bug ID 4228999)


注 -

この状態は、x86 ディスクレスクライアントまたは x86 Solstice AutoClient を持つ SPARC サーバーにのみ起こります。


MU2 に含まれているパッチ 106542-04 (x86) の postpatch スクリプト中の $ROOTDIR によって、2 つの /devices/pseudo エントリが削除されてしまいます。この 2 つのエントリが削除されると、サーバーが、次回のリブート中に /var/utmpx が書き込まれない状態になります。

対処方法: x86 ディスクレスクライアントまたは Solstice AutoClient サービス領域を持つ SPARC サーバーから MU2 をバックアウトした後、SPARC 版の場合は -04 またはそれ以降のリビジョンのパッチ 106541、Intel 版の場合はパッチ 106542 を使用して postpatch スクリプトを実行し、削除されたデバイスエントリをサーバー上に再び作成します。

サーバーをリブートしていない場合
  1. MU2 CD またはローカルにコピーしたイメージにある postpatch スクリプトを /tmp ディレクトリにコピーします。以下は CD を使った例です。

    • SPARC 版


      # cp /cdrom/s7_maintenance_update_2_sparc/Solaris_7_MU2/sparc/Patches/106541-04  ¥
      /postpatch /tmp
      
    • Intel 版


      # cp /cdrom/s7_maintenance_update_2_x86/Solaris_7_MU2/i386/Patches/106542-04/postpatch /tmp
      

      注 -

      SPARC 版、Intel 版のどちらでもこのスクリプトは同じです。


  2. コマンドを実行する前に、コピーした postpatch スクリプトの先頭に次の行を追加します。


    ROOTDIR=/

  3. postpatch スクリプトを実行します。


    # /tmp/postpatch
    

サーバーをすでにリブートしている場合
  1. MU2 CD またはネットワークからシングルユーザーモードでブートし、root のファイルシステムを /a にマウントします。

  2. MU2 CD またはローカルにコピーしたイメージにある postpatch スクリプトを /a/tmp ディレクトリにコピーします。以下は CD を使った例です。

  3. コマンドを実行する前に、コピーした postpatch スクリプトの先頭に次の行を追加します。


    ROOTDIR=/a

  4. postpatch スクリプトを実行します。


    # /a/tmp/postpatch
    

  5. postpatch スクリプトを削除します。


    # rm /a/tmp/postpatch