dr(1m)

名前 | 形式 | 使用条件 | 機能説明 | 使用例 | 注意 | 関連項目

名前

dr- 動的再構成シェルの開始

形式

dr

使用条件

Sun Enterprise 10000 サーバーのみ。

機能説明

dr コマンドは、DR コマンド拡張機能の付いた Tcl アプリケーション (下記の「注意事項」を参照) である動的再構成 (DR: Dynamic Reconfiguration) シェルを開始します。 コマンド行から、またはスクリプト経由でdr シェルを使用して、システムボードを Enterprise 10000 のドメインに 論理的に接続したり、ドメインから論理的に切り離すことができます。

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注 -

DR 操作を実行する場合は、 可能な限り Hostview による DR の GUI を使用してください。Hostview を実行できない場合、 たとえば、DR をダイヤルアップ接続で実行する必要がある場合には、 dr シェルを使用します。 詳細は、『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』 および 『Sun Enterprise 10000 SSP リファレンスマニュアル』 hostview(1M) を参照してください。

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コマンド行で dr を実行すると、SUNW_HOSTNAME 環境変数で指定されたドメインへの 接続が実行されます。接続が完了すると、DR コマンドを受け付ける dr プロンプトが表示されます。

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注 -

AnswerBook を使用していないときに DR コマンドの一覧を表示するには、 ユーザー ssp としてログインした SSP 上で man Intro を実行します。

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exit と入力するか Control-d を押すことによって、 dr シェルを随時終了することができます。

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注意 -

dr_cmd_ で始まる DR コマンドは実行しないでください。 これらは dr.service(1M) で説明されているとおり、 正規のサービスプロバイダが特別な状況でだけ使用する保守用コマンドです。

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意図しない DR 操作が起こる危険性を最小限にとどめるために、 このシェルは DR コマンドを実行する直前に起動し、 実行が終わったらすぐにシェルを終了してください。

DR コマンドは、広域 Tcl 変数である dr_return にエラー状態を返します。 通常、Tcl コマンドは出力と状態を一緒に返すので、 スクリプトの中から解析するのが煩雑であったり困難な場合もあります。 しかし、DR コマンドの実行後に、DR コマンドセット dr_return を実行して dr_return を表示することで、 コマンドが成功したか失敗したかを判断することができます。 ただし、ほとんどの状況では、 dr シェルによる診断メッセージ出力に、成功か失敗かが明示されます。

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注 -

dr シェルのプロンプト ( dr> ) でT help と入力すると、DR の クイックリファレンスヘルプガイドを表示することができます。

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使用例

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例 1 dr(1M) を使用する




ボード 2 を「e100001」という名前のドメインに DR 接続する例を 以下に示します。 complete_attach(1M) が正常に完了すると、 dr は dr_return に格納された結果コードを表示します。

e100001-ssp% domain_switch e100001

e100001-ssp% dr

Checking environment...

Initializing SSP SNMP MIB...

Establishing communication with DR daemon...

e100001: System Status - Summary

BOARD #: 2 3 5 6 physically present.

BOARD #: 0 1 4 being used by the system.

dr> init_attach 2

Initiate attaching board 2

phase init_reset: Initial system resets...

phase jtag_integ: JTAG probe and integrity test...

phase mem_probe: Memory dimm probe...

phase jtag_bbsram: JTAG basic test of bootbus sram...

phase procl: Initial processor module tests...

phase pc/cic_reg: PC and CIC register tests...

phase dtag: CIC DTAG tests...

phase mem: MC register and memory tests...

phase procmem: Processor vs. memory tests...

phase xcall: Interprocessor interrupt tests...

phase io: I/O controller tests...

Skipping phase ecc: Proc ecc vs. memory tests...

phase final_config: Final configuration...

Creating OBP handoff structures...

Configured in 3F with 3 processors, 0 SBus cards, 1024 MBytes
memory.

Boot processor is 4.0 = 8

POST execution time 1:23

hpost is complete.

/opt/SUNWssp/bin/obp_helper

Master cpu is 8

Slave cpus initialization:

Slave cpus initialization OK

board debut utility complete.

Board attachment initiated successfully.

Ready to COMPLETE board attachment.

dr> complete_attach 2

Completing attach for board 2

Board attachment completed successfully.

dr> set dr_return

0

dr> exit

e100001-ssp%

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注意

Tcl (ツールコマンド言語) は、アプリケーションを制御し、 拡張するための簡単なスクリプト言語です。 dr シェルを使用するのに Tcl 言語の知識は必要ありません。 ただし、Tcl スクリプトを作成する場合や、Tcl の詳細に については、Addison-Wesley Publication から発行されている John K. Ousterhout の 『Tcl and the TK Toolkit』 が参考になります。

dr は、Tcl アプリケーションとして、ある種の構文エラーをチェックし、 エラーが見つかると dr シェルコマンドを実行せずに中止します。 たとえば、引数を必要としないコマンドに引数が指定されていると、 dr は使用方法のエラーメッセージを出力して中止します。 dr は dr コマンドが完了してから dr_returnを更新します。 このようにコマンドが完了しない場合、 dr は dr_return を更新しません。

関連項目

『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』

『Sun Enterprise Servers Alternate Pathing User's Guide』

『Sun Enterprise 10000 SSP ユーザーマニュアル』

『Sun Enterprise 10000 SSP リファレンスマニュアル』 の domain_switch(1M) および hostview(1M)

『SMCC ソフトウェア対応 Solaris リファレンスマニュアル』 の dr(7)

『SunOS リファレンスマニュアル』 add_drv(1M), drvconfig(1M), devlinks(1M), disks(1M), inetd(1M), ports(1M), prtconf(1M), tapes(1M)

『SunOS リファレンスマニュアル』 の syslog(3)

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