Intel 版 Solaris 7 - 3/99、5/99、8/99 コンピューティング環境でサポートされている x86 ハードウェアデバイスに関する情報、構成時に発生する問題の対処法を記載しています。
この付録の情報は、『Solaris 7 デバイスの構成 (Intel 版)』の内容を補足するものです。
Solaris デバイスドライバ: |
cadp |
デバイスタイプ: |
SCSI-2, SCSI-3, Ultra2 SCSI |
アダプタ: |
Adaptec AHA-2940U2B, AHA-2940U2W, AHA-2940U2/OEM, AHA-2950U2B, AHA-3950U2B |
チップ: |
AIC-7890AB, AIC-7891B, AIC-7896, AIC-7897 |
バスタイプ: |
PCI |
複数イニシエータの構成はサポートされていません。
Plug N Play SCAM サポートオプションはサポートされていません。
「Adaptec SCSISelect BIOS」オプションの「Reset SCSI Bus at IC Initialization」 (「Advanced Configuration Options」メニュー中にある) が使用可能に設定されていることを確認してください。システムのブート中に Adaptec のバナーが表示された場合は、Ctrl-A キーを押して SCSISelect ユーティリティを実行してください。
パッチのインストール後に、システムをリブートしてください。
Intel 版 Solaris のアップグレードと新しいデバイスドライバの追加の両方を行う場合は、次に示す手順で、まず Solaris のアップグレードを行なってからシステムをリブートし、その後ドライバアップデートを適用してください。
Solaris のアップグレードを行います。このときにはまだ cadp ドライバアップデートを適用しないでください。
システムをリブートします。
システムが正常にリブートされたら、ドライバアップデートのフロッピーディスクをフロッピードライブに挿入し、次のようにしてドライバアップデートを適用します。
DOS フォーマットのファイルシステムをマウントします。
# mount -Fpcfs /dev/diskette0 /mnt |
ディレクトリを移動します。
# cd /mnt/DU/sol_27/i86pc/Tools |
ドライバアップデートをインストールします。
# . ./install.sh -i |
再構成リブートを実行します。
内部 wide インタフェース上の narrow SCSI CD-ROM ドライブを使用しているときに問題が発生した場合は、Adaptec 構成ユーティリティで、そのデバイスに対する「negotiate wide」および「negotiate sync」のどちらか一方またはその両方を使用不可にしてください。
narrow 内部コネクタを使用しているときに問題が発生した場合は、Adaptec 構成ユーティリティで「de-selection」を使用不可にしてください。
富士通製 narrow ディスク (M1603SAU) は、無効なキュータグ ID で再選択することがわかっています。これは SCSI プロトコル違反なので、 cadp ドライバが正しく動作しなくなります。これを防止するのは難しいので、これらのターゲットに対するタグ付きキューを使用不可にすることが最善の方法です。
富士通製 M1603S-512 ディスクがあるかどうかを調べるには iostat -E コマンドを使用してください。このディスクが検出された場合は、/kernel/drv/cadp.conf ファイルを編集して以下のプロパティを追加してください。target n -scsi -options=0x1f78 (n はターゲット番号です)
IBM 製外部 wide ディスク (DFHSS2W, Revision 1717) はサポートされていません。
Adaptec 構成ユーティリティを使用します。
各 SCSI デバイスが固有の SCSI ID を持つように構成してください。「Advanced Configuration Options」メニューで「Plug N Play SCAM Support」を「Disabled」に設定してください。
必ず SCSI チェーン上の両端のデバイスが終端になるようにしてください。同じ wide チェーン上に wide (16 ビット) と narrow (8 ビット) のデバイスが混在している場合。 wide デバイスがチェーンの終端にあるようにしてください。narrow デバイスがチェーンの終端にある場合、同じチェーン上の wide デバイスは low バイトだけを終了させます。これは不正な構成です。
複数のコントローラ (または埋め込み型コントローラ) がある場合、1 つのコントローラにつき 1 つの IRQ を使用するようにしてください。
指示があった場合、ホストバスアダプタ付きのスロットに対するバスマスターを使用可能にしてください。
旧式のディスクドライブ、テープドライブ、大部分の CD-ROM デバイスについては、SCSI データの転送スピードの最大値を 5.0 Mbps に設定してください。
(使用する場合は) 1 GB を超える容量のディスクのサポートを有効にしてください。
Solaris デバイスドライバ: |
ncrs |
デバイスタイプ: |
SCSI |
アダプタ: |
LSI Logic (以前の Symbios Logic または NCR) 53C810, 53C810A, 53C815, 53C820, 53C825, 53C825A, 53C860, 53C875, 53C875J, 53C876, 53C895 |
バスタイプ: |
PCI |
NCR BIOS と Solaris fdisk プログラムは非互換なので、Solaris ソフトウェアをインストールする前に、DOS バージョンの FDISK (またはそれと同機能のユーティリティ) を使用して FDISK パーティションテーブル中にエントリを作成してください。シリンダ 0 から始まる DOS パーティションを少なくとも 1 シリンダ作成してください。DOS パーティションが作成されていないと、Solaris をインストールした後にシステムをリブートできません。
53C815、53C820、53C825、53C825A コントローラ付きの add-in カードは、バスマスター PCI スロットでのみ使用できます。PCI スロットが 2 つだけのマザーボード上では、通常両方の PCI スロットでバスマスターが使用可能です。3 つ以上の PCI スロットを持つマザーボード上、および複数の埋め込み型 PCI コントローラを持つマザーボード上では、一部の PCI スロットのバスマスターが使用不可の場合があります。
LSI Logic SDMS BIOS および埋め込み型 53C810 または 53C810A コントローラを持つ PCI マザーボードの一部は、53C82x ファミリの LSI Logic SDMS BIOS を持つ add-in カードと正しく動作しません。マザーボード BIOS および add-in カードあるいはどちらか一方をアップグレードすると、上記のような衝突を避けることができます。
マザーボード上に 53C810 チップが搭載されている初期の PCI システムでは、チップ上の割り込みピンが接続されていません。このようなシステムは Solaris ソフトウェアと共に使用できません。
narrow ディスクをサポートするとされているカードの narrow コネクタに wide ターゲットを接続しないでください。このような構成はサポートされていません。
Solaris の ncrs ドライバは Wide SCSI オプションをサポートしていません。add-in 53C8xx カードは、narrow ケーブル (8 ビット SCSI A ケーブル) 用および wide ケーブル (16 ビット SCSI P ケーブル) 用のコネクタを含みます。SCSI P ケーブルを使用している SCSI Wide コネクタにデバイスを接続することができますが、Solaris ncrs ドライバは Wide Data Transfer オプションを開始または受け付けません。接続されたデバイスは 8 ビット narrow モードで動作します。
ご利用のアダプタが LSI Logic SCSI Configuration ユーティリティ (Control-C キーを押してアクセスする) をサポートしている場合は、「Host SCSI ID」(「Adapter Setup」メニュー中のオプション) の値を 7 以外にしないてください。
旧式のターゲットデバイスで問題が発生した場合は、/kernel/drv/ncrs.conf ファイルに次のエントリを追加してください。
targetN-scsi-options = 0x0; |
N には、問題が発生しているターゲットの ID を指定します。
Conner 10805 narrow SCSI ドライブを使用している場合は、次のような警告メッセージが表示されることがあります。
WARNING: /pci@0,0/pci1000,f@d(ncrs0): invalid reselection(0,0) WARNING: /pci@0,0/pci1000,f@d/sd@0,0(sd0): SCSI transport failed: 'reset: retrying command' |
ncrs.conf ファイルでタグ付きキューを使用不可にすると、上記の警告メッセージが表示されないようにすることができます。詳細は、ncrs(7D) のマニュアルページを参照してください。
P90 およびそれよりも低速のプロセッサを使用している Pentium マザーボード (Intel NX チップ) の一部では、ncrs がハングしてコンソールに次のようなメッセージが表示されます。
WARNING: /pci@0,0/pci1000,3@6(ncrs0) Unexpected DMA state:active dstat=c0<DMA-FIFO-empty, master-data-parity-error> |
これは、復旧不可能な状態を示しています。システムは ncrs ドライバを使用してインストールされません。
ncrs ドライバは 53C875 チップセットRevision 4 およびそれ以上をサポートしています。Revision 3 より前のものは、あまり普及していません。
SDT7000/SDT9000 テープドライブを使用している場合、次のようなメッセージがコンソールに表示されることがあります。
Unexpected DMA state: ACTIVE. dstat=81<DMA-FIFO-empty,illegal-instruction> |
上記のインスタンスでは、システムを回復させてテープドライブを使用できます。tar を使用して、テープドライブのテープへファイルを追加したりテープからファイルを抽出したりできます。
Solaris デバイスドライバ: |
symhisl |
デバイスタイプ: |
SCSI |
アダプタ: |
SYM22910 (チャネル A および B の両方が SE および LVD モードをサポート)。 SYM21002 (チャネル A は SE のみをサポート、チャネル B は SE および LVD モードをサポート) |
バスタイプ: |
PCI |
Ultra2 SCSI LVD 転送では、必ず Ultra2 SCSI LVD 準拠の SCSI ケーブルを使用してください。最高のパフォーマンスを得られるように、デバイスを約 15 cm から 20 cm の間隔を空けて置いてください。
53C896 チップと古い 53C8xx チップの両方がマザーボードに組み込まれている場合、システムのブート時に BIOS システムは古い 53C8xx チップの方を先に認識します。この場合、新しい Symbios SDMS BIOS がすべての 53C8xxを認識するまでお待ちください。Symbios SDMS BIOS は、新しい 53C896 チップをサポートしています。
古い方の BIOS ユーティリティが起動しないように、コントローラの古い 53C8xx BIOS をフラッシュしてください。
最新の Symbios SDMS BIOS は、 http://www.symbios.com/techsupport/pci_sw.htm#Symbios CPI BIOS & Flash Utility からダウンロードすることができます。
53C896 チップのリビジョン B0 および C0 にハードウェア上の問題があるため、 symhisl ドライバが 64 ビット PCI スロットで正しく動作しません。問題が発生したとき、symhisl ドライバが SCSI バスをリセットします。この問題を回避するには、53C896 チップリビジョン C1 をアップグレードしてください。
53C896 チップのその他のリビジョンでも、古い PCI チップおよび設計との間に、ハードウェア互換性がない場合があります。53C896 チップの各リビジョンにおけるすべての問題を、LSI Logic の Web サイト(http://www.lsil.com) で参照することができます。
LVD テクノロジにファームウェア互換性がない場合があります。LVD SCSI バスを正しく構成しているのに SCSI エラーが発生した場合は、ご購入先にお問い合わせの上、アップデートされたハードウェアを入手してください。
Pentium Pro のリリース時に、物理アドレス拡張 (PAE, Physical Address Extension) モードが上位プロセッサに対して導入されました。この PAE モードを使用すると、Intel 版 Solaris は物理メモリーを最大 32 G バイトまでアドレス指定することができるようになります。個々のプロセスについては、仮想アドレス空間を最大 3.5 G バイトまでしか使用できません。
PAE モードによって、データベースやメモリーを多く使用するアプリケーションについて、複数のインスタンスを実行することができます。また、より多くのユーザーが、ネットワークを介してあるマシンを使用できるようになります。
DAC (Dual Address Cycle) をサポートする PCI ディスクコントローラを使用するのが最適です。そのような PCI ディスクコントローラは、どのような物理的な宛先とでも、データの転送 (入出力) を行うことができます。物理メモリーが 4 G バイトしかないカードでデータを転送するためには、システムがメモリーをコピーする必要があるので、パフォーマンスが低下する場合があります。
PAE モードの利点を生かすことができないデバイスドライバもあります。Sun では、Sun が独自に開発した PCI デバイスドライバを、4 G バイト以上のメモリーを持つ x86 マシン上でテスト済みです。Sun の OEM 提携会社では、各会社が提供している PCI デバイスドライバを、4 G バイト以上のメモリーを持つ x86 マシン上でテストする予定です。ただし、サードパーティ製のデバイスドライバをシステムに追加すると、動作が不安定になったりパニックが発生して、データが失われることもあります。システムの動作が不安定になってもそのドライバを使用する必要がある場合は、PAE モードのサポートを無効にしてください。
PAE モードのサポートを無効にするには、次の手順を実行してください。
システムをリブートします。
Esc キーを押して、自動ブートを中断します。
Solaris Device Configuration Assistant (Solaris デバイス構成用補助) が起動します。
「Boot Solaris」画面が表示されるまで、[F2_Continue] を押します。
[F4_Boot Tasks] を押します。
「Boot Tasks」画面が表示されます。
[View/Edit Property Settings] を選択します。
「View/Edit Property Settings」画面が表示されます。
[F4_Create] を押します。
「Create Property」画面が表示されます。
「Specify Property Name」フィールドに mmu-modlist と入力して、Enter キーを押します。
「Specify Value」フィールドに mmu32 と入力して、Enter キーを押します。
「Updating」画面に、Updating Saved Configuration information... というメッセージが表示されます。プロパティと値が正しく保存されたら、「View/Edit Property Settings」画面が表示されます。
[F2_Back] を押します。
「Boot Tasks」画面が表示されます。
[F3_Back] を押します。
マシン上のドライバがロードされた後に、「Boot Solaris」画面が表示されます。
通常と同じようにして、システムのブートを継続します。