アップグレードに関する、日本語環境に固有の問題について説明します。
Solaris 7 をアップグレードオプションによってインストールする場合、Solaris 2.5 以降のシステムからのアップグレードをサポートします。それより前のリリースからのアップグレードは保証されません。
アップグレード時に新たなロケールサポートを追加できます。その場合「言語の選択」画面で追加したいロケールを追加選択します。
なお、現在インストールされているロケールをアップグレード時に削除することはできません。また、現在インストールされているロケールとは異なるロケールへアップグレードすることはできません。たとえば、ja ロケールだけをインストールしたシステムを ja_JP.PCK ロケールだけのシステムにアップグレードすることはできません。
Solaris 2.5.1 に同梱されていた「日本語 Solaris 2.5.1 PC 漢字コード開発キット」がインストールされているシステムを Solaris 7 にアップグレードする場合、それをサポートするパッケージ (SUNWjpr、SUNWjpu、SUNWjpxw) は自動的に削除されます。 ja_JP.PCK ロケール環境をインストールするには、「言語の選択」画面で「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」を追加選択してください。
ディスク容量の再配置機能 (DSR: Disk Space Reallocation) を使用してアップグレードを行うと、swap パーティションがなくなる場合があります。
回避方法 : アップグレードが終了した後、スワップファイルを作成し、スワップ領域を追加してください。 詳細は swap(1M) のマニュアルページを参照してください。
日本語ロケールで OS サービスをインストールするとき、ファイル記述子のデフォルトの制限値を超えることは可能ですが、制限値を超えた場合は /var/sadm/system/upgrade_log ファイルに次のようなメッセージが出力されます。
Doing pkgadd of SUNWxilrl to /. ld.so.1: internal: malloc failed Killed pkgadd: Error: postinstall script did not complete successfully Installation of <SUNWxilrl.2> partially failed. pkgadd return code=2 |
回避方法 : OS サービスを追加する前に、ファイル記述子のデフォルトの制限値を大きくしてください。
ファイル記述子のデフォルトの制限値を大きくするには、/etc/system ファイルに以下の行を追加し、-r オプション付きでシステムをリブートします。
set rlim_fd_cur=0x80 |
システムをリブート後、ファイル記述子のデフォルトの制限値が 64 から 128 に変更されていることを確認します。
次のように、C シェルの limit コマンドを使用します。
# limit descriptors descriptors 128 |
または、sysdef コマンドを使用しても確認することができます。
# sysdef | grep descriptors 0x00000080:0x00000400 file descriptors |