この章では、Solaris 7 MU3 のインストールと使用に関連する既知の問題について説明します。
sh(1) と ksh(1) とのやりとりに問題があるため、コマンド行から次のコマンドを実行したり、管理用スクリプトから install_mu を起動したりすると、install_mu は特定のパッチを正常にインストールしません。
# /bin/sh ./install_mu arguments |
対処方法 : コマンド行または管理用スクリプトから次のように install_mu を実行します。
# ./install_mu arguments |
install_mu は /tmp にファイルと作業ディレクトリを残します。そのファイルとディレクトリにより /tmp が一杯になり、システム上で問題を起こす可能性があります。/tmp に残されるファイルとディレクトリは、install* と SUNW* という形式です。
対処方法 : install_mu の実行が完全に終了した後、install* と SUNW* というファイルおよびディレクトリが /tmp にないかどうかを確認します。それらのファイルが root によって最近作成されていた場合は、それらを削除します。あるいは、MU3 をスタンドアロンマシンまたはサーバーにインストールした場合は、システムをリブートします。
次のメッセージが install_mu によって表示されることがあります。
Installation of XXXXXX-YY failed: Attempting to patch a package that is not installed. |
ログファイルには、以下のメッセージが残されます。
One or more patch packages included in XXXXXX-YY are not installed on this system. Patchadd is terminating. |
patchadd は、そのパッチの対象となるパッケージが Solaris 7 システムに入っていなかった場合、パッチを適用しません。このメッセージは、そういった理由で適用しなかったことを示しています。
たとえば、あるアーキテクチャのパッチを別のアーキテクチャのシステムにインストールしようとした場合 (sun4c システムに sun4u パッチをインストールするなど)、patchadd はそれを検知し、このメッセージを表示します。
このメッセージは、1 つまたは複数のパッケージが見つからない場合にも表示されます。管理者がパッケージを削除した可能性や、もともとインストールされていなかった可能性 (全体ディストリビューションより小さいクラスタをインストールした場合など) があります。ディスクレスクライアントと AutoClient システムの場合は、これが当てはまります。
対処方法 : このメッセージは無視してください。
異機種環境のクライアントサーバー環境において、special patch の 108081-01 または 108082-01 をバックアウトした後、ディスクレスクライアントからヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインすると dtlogin がハングします。ヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールは次のとおりです。
表 4-1 ヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケール
ロケール |
説明 |
---|---|
de.ISO8859-15 |
ユーロドイツ語 (ISO8859-15) |
de_AT.ISO8859-15 |
オーストリア (ISO8859-15) |
en_GB.ISO8859-15 |
英国英語 (ISO8859-15) |
es.ISO8859-15 |
ユーロスペイン語 (ISO8859-15) |
fi.ISO8859-15 |
フィンランド (ISO8859-15) |
fr.ISO8859-15 |
フランス語 (ISO8859-15) |
fr_BE.ISO8859-15 |
ベルギー (ISO8859-15) |
it.ISO8859-15 |
ユーロイタリア語 (ISO8859-15) |
nl.ISO8859-15 |
オランダ (ISO8859-15) |
nl_BE.ISO8859-15 |
オランダ/ベルギー (ISO8859-15) |
pt.ISO8859-15 |
ポルトガル (ISO8859-15) |
sv.ISO8859-15 |
ユーロスウェーデン語 (ISO8859-15) |
special patch の 108081-01 または 108082-01 をバックアウトした後、次のエラーメッセージが画面に表示されます。
Backing out patch 108082-01... pkgadd: ERROR: unable to create package object </usr/openwin/share/locale/da.ISO 8859-15/props/da.ISO8859-15>. pkgadd: ERROR: unable to create package object </usr/openwin/share/locale/da.ISO 8859-15/props/de.ISO8859-15>. ..... pkgadd: ERROR: unable to create package object </usr/openwin/share/locale/pt.ISO 8859-15/props/sv.ISO8859-15>. |
対処方法 : ディスクレスクライアントからヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインしないでください。これらのロケールにはサーバーからログインするようにしてください。
ヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインしシステムがハングした場合は、次の手順に従います。