Solaris 7 Maintenance Update 3 ご使用にあたって

第 4 章 既知の問題

この章では、Solaris 7 MU3 のインストールと使用に関連する既知の問題について説明します。

インストールに関するバグ

install_mush で起動すると正常に動作しない (bug ID 4062334)

sh(1)ksh(1) とのやりとりに問題があるため、コマンド行から次のコマンドを実行したり、管理用スクリプトから install_mu を起動したりすると、install_mu は特定のパッチを正常にインストールしません。


# /bin/sh ./install_mu arguments

対処方法 : コマンド行または管理用スクリプトから次のように install_mu を実行します。


# ./install_mu arguments

install_mu/tmp ディレクトリにファイルを残す (bug ID 4108278)

install_mu/tmp にファイルと作業ディレクトリを残します。そのファイルとディレクトリにより /tmp が一杯になり、システム上で問題を起こす可能性があります。/tmp に残されるファイルとディレクトリは、install*SUNW* という形式です。

対処方法 : install_mu の実行が完全に終了した後、install*SUNW* というファイルおよびディレクトリが /tmp にないかどうかを確認します。それらのファイルが root によって最近作成されていた場合は、それらを削除します。あるいは、MU3 をスタンドアロンマシンまたはサーバーにインストールした場合は、システムをリブートします。

Patchadd が終了メッセージを表示する

次のメッセージが install_mu によって表示されることがあります。


Installation of XXXXXX-YY failed:
  Attempting to patch a package that is not installed.

ログファイルには、以下のメッセージが残されます。


One or more patch packages included in
XXXXXX-YY are not installed on this system.

Patchadd is terminating.

patchadd は、そのパッチの対象となるパッケージが Solaris 7 システムに入っていなかった場合、パッチを適用しません。このメッセージは、そういった理由で適用しなかったことを示しています。

たとえば、あるアーキテクチャのパッチを別のアーキテクチャのシステムにインストールしようとした場合 (sun4c システムに sun4u パッチをインストールするなど)、patchadd はそれを検知し、このメッセージを表示します。

このメッセージは、1 つまたは複数のパッケージが見つからない場合にも表示されます。管理者がパッケージを削除した可能性や、もともとインストールされていなかった可能性 (全体ディストリビューションより小さいクラスタをインストールした場合など) があります。ディスクレスクライアントと AutoClient システムの場合は、これが当てはまります。

対処方法 : このメッセージは無視してください。

バックアウトに関するバグ

ディスクレスクライアントがヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインできない (bug ID 4255087)

異機種環境のクライアントサーバー環境において、special patch の 108081-01 または 108082-01 をバックアウトした後、ディスクレスクライアントからヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインすると dtlogin がハングします。ヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールは次のとおりです。

表 4-1 ヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケール

ロケール 

説明 

de.ISO8859-15

ユーロドイツ語 (ISO8859-15) 

de_AT.ISO8859-15

オーストリア (ISO8859-15) 

en_GB.ISO8859-15

英国英語 (ISO8859-15) 

es.ISO8859-15

ユーロスペイン語 (ISO8859-15) 

fi.ISO8859-15

フィンランド (ISO8859-15) 

fr.ISO8859-15

フランス語 (ISO8859-15) 

fr_BE.ISO8859-15

ベルギー (ISO8859-15) 

it.ISO8859-15

ユーロイタリア語 (ISO8859-15) 

nl.ISO8859-15

オランダ (ISO8859-15) 

nl_BE.ISO8859-15

オランダ/ベルギー (ISO8859-15) 

pt.ISO8859-15

ポルトガル (ISO8859-15) 

sv.ISO8859-15

ユーロスウェーデン語 (ISO8859-15) 

special patch の 108081-01 または 108082-01 をバックアウトした後、次のエラーメッセージが画面に表示されます。


Backing out patch 108082-01...

pkgadd: ERROR: unable to create package object </usr/openwin/share/locale/da.ISO
8859-15/props/da.ISO8859-15>.
pkgadd: ERROR: unable to create package object </usr/openwin/share/locale/da.ISO
8859-15/props/de.ISO8859-15>.
.....
pkgadd: ERROR: unable to create package object </usr/openwin/share/locale/pt.ISO
8859-15/props/sv.ISO8859-15>.

対処方法 : ディスクレスクライアントからヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインしないでください。これらのロケールにはサーバーからログインするようにしてください。

ヨーロッパ言語 ISO8859-15 ロケールにログインしシステムがハングした場合は、次の手順に従います。

  1. 別のマシンからそのクライアントにリモートログインします。


    # rlogin client_name
    

    client_name にはディスクレスクライアントのホスト名を指定します。

  2. dtlogindtsession ジョブを強制終了します。


    # kill -9 PID PID
    

    PID には、dtlogindtsession のプロセス ID を指定します。

  3. dtlogin を再起動します。


    # /usr/dt/bin/dtlogin &