既存の Motif バイナリのバイナリ互換性には影響ありません。Motif Application Programming Interface (API) の多くのパラメータは XmString 型で、オペーク型です。Motif API が XmString パラメータを期待している箇所で char* を使用している Motif ソースコードは、常に正しくありません。このような不正な Motif コードは、Solaris 7 オペレーティング環境でコンパイルされるとコアダンプしやすくなります。
回避方法: 古いバージョンの Motif を使用してください。
Solaris 7 および CDE は、西暦 2000 年に対応しています。システムの日時を変更するには、date コマンドを使用します。テストなどの目的で、システムの日時を 2000 年以降に変更する場合は、システムをいったん停止するかまたはシングルユーザーモードにシャットダウンした後、シングルユーザーモードで date コマンドを使用してください。日時の変更後は、システムをブートしてマルチユーザーモードで使用することができます。
ユーザーがリモートの集中サーバーからカレンダにアクセスするような集中式カレンダサービスを使用する場合、カレンダがスワップ領域で問題なく動作するには、カレンダファイルの 10 倍の容量がカレンダに必要です。
たとえば、ユーザーが同じサーバーからカレンダにアクセスしたい場合で、カレンダファイルの合計サイズが 50M バイトだと、カレンダが問題なく動作するのに 500M バイト必要です。
Solaris をインストールするときに上記の条件を考慮しないと、ユーザーによるカレンダへのアクセスについて信頼性が低下する可能性があります。
回避方法: カレンダが問題なく動作するように、スワップ領域を増やしてください。
MWM を現在使用している場合は、Solaris CDE にアップグレードしてください。Solaris CDE は高度な機能を提供し、移行は難しくありません。MWM から完全な Solaris CDE にアップグレードできない場合、次の情報を参照してください。
Solaris 2.5 ソフトウェア開発者キットに含まれる Motif 開発キットを使用してアプリケーションを開発した場合、Solaris CDE に含まれるウィンドウマネージャ dtwm を使用できます。ウィンドウマネージャは MWM と同じように使用できます。また、ウィンドウマネージャは MWM 用のリソースファイルをサポートします。
次の操作により、ウィンドウマネージャを既存の MWM 構成と同じようなものにすることができます。
次の設定により、dtwm フロントパネルを無効にできます。
Dtwm*useFrontPanel: False |
このリソースは .Xdefaults に設定できます。または、/usr/dt/app-defaults/C/Dtwm ファイルの既存のリソースを True から False に変更できます。
dtwm の -name オプションにより、既存の mwm リソースのほとんどを使用できます。-name オプションについては dtwm のマニュアルページを参照してください。
MWM カスタマは $HOME/.mwmrc ファイルに依存する場合と、依存しない場合があります。dtwm が $HOME/.mwmrc ファイルを読み取るように設定できる dtwm リソース configFile がありますが、リソースについては dtwm のマニュアルページで説明しています。
dtwm と mwm のルートメニューは異なります。dtwm ルートメニューはすべて構成可能です。ルートメニューでは任意の変更が可能です。詳細は、dtwm と dtwmrc のマニュアルページを参照してください。
Solaris CDE メールプログラムがメールボックスを開く場合、メールボックスの 2 倍の空きメモリーが必要です。たとえば、150M バイトのメールボックスがあると、メールボックスを開くのに最低 300M バイトの空きメモリーが必要です。
回避方法: メールボックスを開くことができるように、スワップ領域を増やしてください。
システムの LC_TIME 環境変数が LC_MESSAGES 環境変数に設定されているものとは異なるロケールに設定されている場合、Solaris CDE メールプログラムが期待するものとは異なる書式で、日付プロンプトが表示されます。
回避方法: 不在通信メールを開始する前に、システムの LC_MESSAGES 環境変数と LC_TIME 環境変数が同じロケールに設定されていることを確認してください。
1、2、3、4 のようなヘブライ語およびアラビア語の文字や数字を含むテキストのコピーとペーストを行うと、それらの機能が正しく動作しません。
ヘブライ語またはアラビア語のロケールで dtmail を使用する場合、このどちらかの言語の名前を持つアタッチメントは、dtmail アタッチメントでその名前が左右逆方向に表示されます。
ヘブライ語またはアラビア語のロケールで dtcm を使用する場合、前面の「カレンダマネージャ」アイコン内の「月」の名前が左右逆方向に表示されます。
メッセージ本文に印刷不可能文字が含まれていると、dtmail が電子メールのメッセージ本文を切り捨てることがあります。
次の警告メッセージが表示されます。
「メッセージには、現在のロケールでは文字として不正なバイナリコードが含まれて います。このため、メッセージの一部が表示されない場合があります。このメッセージ が出力されているのと同じロケールで CDE を実行している場合は、メッセージ全体が 表示されます。」 |
電子メールのメッセージがあるロケールで作成され、その後別のロケールに送信される場合、電子メールの一部が切り詰められる場合があります。これは、メール内に受信側のロケールでは文字として無効なバイナリコードが含まれるためです。
このバグは、次のような場合に発生します。
電子メールが ko ロケールで作成され、ko_UTF.8 ロケールに送信される
電子メールが zh ロケールで作成され、zh.GBK ロケールに送信される
回避方法: 次の手順を実行します。
Solaris CDE を終了します。
メールが作成されたロケールで Solaris CDE にログインします。
または
dtmail を終了して環境変数 LANG を正しいロケールに設定し、その後 dtmail を再起動します。
同じデータがアタッチメントとして送信される場合には、表示上の切り捨ては発生しません。
CDE でアラビア語ロケールを使用して開くと、アラビア語の日時の形状が正しく表示されず、その配置も正しく行われません。また、新しいメッセージダイアログにアラビア文字を挿入すると、アラビア文字の行に変わり、形状、配置ともに正しく表示されません。
ログイン画面で ar (アラビア語ロケール) を選択すると、dtlogin が非常に大きなフォントで表示されます。サインオン後のデフォルトフォントも、同様に大きくなります。
Solaris CDE で dtcm を選択すると、アラビア語のカレンダマネージャではどの予約も表示されません
回避方法: 次の手順を実行してください。
dtlogin 画面で、ar (アラビア語ロケール) を選択します。
dtcm を起動し、アポイントエディタを開きます。
アラビア語テキストを含む新しい予約を追加します。
アポイントエディタを閉じます。
これで、新しい予約がカレンダマネージャに表示されます。
このバグは、Solaris 2.5.1 オペレーティングシステムでコンパイルされ、同時に XmText ウィジェットをサブクラス化するカスタム Motif ウィジェットが含まれる Motif プログラムにだけ影響を与えます。このようなプログラムは、Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティングシステムで実行すると、コアダンプを起こす場合があります。
回避方法: Solaris 2.6、または Solaris 7 オペレーティングシステムでプログラムを再コンパイルしてください。
Solaris 7 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に、Solaris 2.5 または Solaris 2.6 オペレーティング環境でコンパイルした Motif API を使用している共有ライブラリにリンクすると、コアダンプが発生します。これは、Solaris 2.5 または Solaris 2.6 オペレーティング環境でコンパイルされた共有ライブラリは Motif 1.2 を使用しており、Solaris 7 オペレーティング環境でコンパイルされたプログラムは Motif 2.1 を使用しているためです。これはバイナリ互換の問題ではないので、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境でコンパイルしたアプリケーションは、Solaris 7 オペレーティング環境で問題なく動作します。
回避方法 : Solaris 2.6 オペレーティングシステム上の /usr/dt/include/ ディレクトリにある、Solaris 2.6 Motif ヘッダーファイルディレクトリ Xm を /tmp ディレクトリにコピーしてから、次のいずれかの方法を行なってください。
方法 1
cc m.c -I/usr/openwin/include -I/usr/dt/include -lXm -lXt -lX11 |
通常上記のようになっている Motif コンパイル行を、次のように修正してください。
cc m.c -I/usr/openwin/include -I/tmp -I/usr/dt/include /usr/lib/libXm.so.3 -lXt -lX11 |
方法 2
/usr/dt/lib/libXm.so.3 ファイルを /tmp ディレクトリにコピーします。
/tmp ディレクトリで ln -s libXm.so.3 libXm.so コマンドを実行します。
次のような Motif コンパイル行を使用します。
cc m.c -I/usr/openwin/include -I/tmp -I/usr/dt/include -L/tmp -lXm -lXt -lX11 |
処理速度が遅いシステムでは、 sys-suspend(1M) がハングしてスクリーンがリフレッシュされないことがあります。システムが再開後、デフォルトではスクリーンがロックされます。スクリーンロックを解除するためにパスワードを入力しても CDE デスクトップの画面が表示されずに、空白の画面が表示されます。
このような状況になった場合は、スーパーユーザーとしてリモートからシステムにログインし、sys-suspend プロセスに対して kill コマンドを実行すると、CDE セッションを回復することができます。
回避方法 : autoshutdown が実行されて上記の問題が発生する場合には、dtpower(1M) アプリケーションを使用して autoshutdown を無効にしてください。
ロックスクリーンオプションなしで sys-suspend が起動される場合、問題は 発生しません。
キーボード上の電源キーで起動する sys-suspend のロックスクリーンオプションを無効にする方法については『電源管理システム ユーザーマニュアル』を参照してください。
CDE の「ワークスペース」メニューから起動する sys-suspend のロックスクリーンオプションを無効にするには、以下の手順を実行してください。
スーパーユーザーになり、アクションファイル
/etc/dt/appconfig/types/<locale>/sunOW.dt を作成します。
<locale> には、CDE 起動時に選択した言語オプションを指定してください。
/usr/dt/appconfig/types/<locale>/sunOW.dt ファイル中の ACTION SDTsuspend { ... } 定義を、 /etc/dt/appconfig/types/<locale>/sunOW.dt ファイル中にコピーします。
/etc/dt/appconfig/types/<locale>/sunOW.dt ファイル中に定義されている sys-suspend コマンドに x フラグを追加します。
いったん CDE セッションを終了してから、ログインし直します。
メールボックス選択ダイアログで、ラジオボタンを「IMAP サーバ」に切り替えて「更新」ボタンをクリックしても、ファイルリスト中に IMAP サーバー側のメールボックス名が表示されずに、ローカルのメールボックス名が表示されます。
回避方法 : ファイルリストには表示されませんが、メールボックス名を入力すれば、IMAP サーバー側のメールボックスにアクセスできます。
「メールボックス」メニューから「メールボックス名の変更」および「メールボックスの削除」を実行しても、次のようなエラーメッセージが表示されて処理が正しく行われません。
メールプログラムはメールボックス **** の名前を変更できません。 メールプログラムはメールボックス **** を削除できません。 |
回避方法 : 以下のようにして、コマンド行から直接メールボックスの削除またはメールボックス名の変更を行なってください。
メールボックス名を変更する場合
% /usr/bin/mv <既存のメールボックス名> <新しいメールボックス名> |
メールボックスを削除する場合
% /usr/bin/rm <既存のメールボックス名> |