Solaris 7 - 5/99 オンラインリリース情報

負の時間属性を持つファイルは、NFS マウントではサポートされない

NFS プロトコルは、ファイルに対する変更、アクセス、およびメタデータ変更のあった時間を、1970 年 1 月 1 日からの経過秒数で数えた 32 ビットの符号なしの値として報告します。NFS では、理論上 2106 年まではこの報告が可能です。

Solaris 7 リリースでは、Solaris NFS クライアントおよびサーバーは、ファイルに対する負の時間を符号なしの値として誤って提示することはありません。したがって、以前の NFS プロトコル仕様に準拠した NFS クライアントは、最後に変更されたのが 1969 年であったファイルが実際には 2106 年に変更されたと解釈しました。

Solaris 7 リリースでは、NFS クライアントおよびサーバー実装は NFS プロトコルに完全準拠するように変更されました。NFS サーバーは、負の時間属性を持つファイルを処理する場合、NFS クライアントに対しファイルの属性の提供を拒否します。

したがって、負の時間属性を持つファイルは、NFS マウントではサポートされなくなります。NFS クライアントが負の時間属性を持つファイルにアクセスを試みると、クライアントは通常、「オーバーフロー」エラーを受けます。

tar アーカイブ、またはアーカイブに保管された負の時間属性を持つ cpio アーカイブを利用することもできます (tar(1) コマンド、cpio(1) のマニュアルページを参照)。NFS 上でこのアーカイブを抽出する場合、Solaris 7 NFS クライアントを使用するとアーカイブは動作しません。

回避方法: 最初の問題を解決するには、そのファイルが入った NFS サーバーにログインし (-m オプションを使用して起動された nfsstat(1M) ユーティリティがサーバーを識別する)、touch(1) コマンドを使用してファイルの時間を現在の日時に変更します。