rpc.nisd コマンドは、NIS+ デーモンを起動します。このデーモンは NIS 互換モードで実行でき、NIS クライアントからの要求にも応答できます。NIS+ デーモンを起動するにはアクセス権は不要ですが、そのすべての前提条件と関連作業を知っておく必要があります。これらについては、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。
デフォルトでは、NIS+ デーモンはセキュリティレベル 2 で起動します。
デーモンを起動するには、以下のように入力します。
rpc.nisd |
デーモンを NIS 互換モードで起動するには、以下のように入力します。
rpc.nisd -Y [-B] |
DNS 転送機能によって NIS 互換デーモンを起動するには、以下のように入力します。
rpc.nisd -Y -B |
オプション |
目的 |
---|---|
-S security-level |
セキュリティレベルを指定する。0 は「NIS+ セキュリティを使用しない」、2 は「最高レベルの NIS+ セキュリティを使用する」という意味 |
-F |
デーモンによって提供されるディレクトリのチェックポイント設定を強行する。この動作は、ディレクトリのトランザクションログを空にして、ディスク空間を解放することになる |
DNS 転送機能によって NIS+ 互換デーモンを起動する
rpc.nisd |
ルートマスター以外の任意のサーバーで NIS+ デーモンを起動するには、このコマンドをオプションなしで実行します。
デーモンは、デフォルトであるセキュリティレベル 2 で起動します。セキュリティレベル 0 でデーモンを起動するには、-S フラグを使います。
rpc.nisd -S 0 |
ルートマスターを含む任意のサーバーで、NIS+ デーモンを NIS 互換モードで起動できます。-Y (大文字) オプションを使います。
rpc.nisd -Y |
サーバーが再起動された場合にデーモンを NIS 互換モードで再起動させるには、サーバーの /etc/init.d/rpc ファイル内で EMULYP=Y を含む行をコメント解除しなければなりません。
NIS 互換モードで実行している NIS+ デーモンに DNS 転送機能を追加するには、rpc.nisd に -B オプションを追加します。
rpc.nisd -Y -B |
サーバーが再起動された場合に、デーモンを DNS 転送 NIS 互換モードで再起動させるには、サーバーの /etc/init.d/rpc ファイル内の EMULYP=-Y を含む行をコメント解除し、次のように変更しなければなりません。
EMULYP -Y -B |
NIS+ デーモンを停止するには、その実行モードが通常であろうと NIS 互換であろうと、他のデーモンと同じようにプロセスを終了させます。最初にそのプロセス ID を見つけ、次にプロセスを終了させます。次に例を示します。
rootmaster# ps -e | grep rpc.nisd root 1081 1 61 16:43:33 ? 0:01 rpc.nisd -S 0 root 1087 1004 11 16:44:09 pts/1 0:00 grep rpc.nisd rootmaster# kill 1081 |