入力ファイルには、composite_name のコンテキストでバインドされる名前や値が入っています。この形式は、間接自動マウントマップの形式に基づいてはいますが、全く同じではありません。入力ファイルには、以下のような形式のエントリが 1 つあるいは複数含まれています。
name [options] [location...] |
name には、リファレンス名が入ります。name フィールドは、単純な原子名のこともあれば、あるいはスラッシュで区切った階層構造を示す名前の場合もあります。さらに (.) といったようにドットを使って示すこともあり、この場合リファレンスは、composite_name に直接バインディングされます。
options には、マウントのオプションがあれば、それが入ります。options フィールドは、ハイフン (-) で始まります。この後に、マウントオプションのコンマで区切ったリスト (スペースなし) が続き、これはディレクトリをマウントするのに使用されます。またこれらのオプションは、composite_name/name サブコンテキストにも適用されます。なお、composite_name/name は、それ自身のマウントオプションは指定しません。
location には、マウントの位置が入ります。location フィールドでは、composite_name/name のファイルを提供する 1 つあるいは複数のホストを指定します。簡単な NFS マウントでは、location は、以下のような形式をとります。
host:path |
host には、ファイルシステムをマウントするサーバー名が入ります。path には、マウントするディレクトリのパス名が入ります。
各エントリについて、マウントの位置や対応するマウントのオプションのリファレンスは、composite_name/name に割り当てられます。
options と location の両方が省略されると、リファレンスは composite_name/name にバインドされません。既存のリファレンスもすべてバインドされません。
たとえば、kuanda のファイルシステムを図 22-4 に示すように、ホスト altair からディレクトリ /export/home/kuanda に NFS マウントするとしましょう。コマンドは以下のように実行されます。
% fncreate_fs -f infile user/kuanda/fs |
. altair:/export/home/kuanda |
図 22-5 に示されるような、複数のサーバーに分散された複雑なファイルシステムを設定する場合、以下のコマンドを実行します。
% fncreate_fs -f infile org/sales/fs |
ここでは、以下を含む infile を使用します。
tools/db altair:/export/db project altair:/export/proj project/lib altair:/export/lib project/src deneb:/export/src |
プロジェクトやそのサブコンテキストの src や lib の NFS マウントを、読み取り専用に変更する場合、infile を以下のように変更します。
tools/db svr1:/export/db project -ro svr1:/export/projproject/lib altair:/export/lib project/src svr2:/export/src |
-ro は、3 行目と 4 行目では必要ありません。なぜならば、src および lib は、project のサブコンテキストであり、これらは、上から -ro マウントオプションを継承するからです。
以下の入力ファイルは、org/sales/fs/project/src を除いて、すべてのマウントを読み取り専用にします。
. -ro tools/db svr1:/export/db project svr1:/export/proj project/lib altair:/export/lib project/src -rw svr2:/export/src |