saiptest は、非同期シリアルインタフェースカードの機能を検査します。 このテストでは、非同期シリアルインタフェースカードのデバイスドライバが使用されます。
SunVTS 診断ソフトウェアを実行する前に、必ずテストするインタフェースカードと、そのデバイスドライバをインストールしておいてください。インストールを終えたら、boot -r コマンドでシステムを再起動してシステムを再構成し、SunVTS カーネルがインストールされたドライバを認識できるようにします。
saiptest は対話モードで実行する必要があります。
内部テスト (Internal Test) を正しく実行するには、少なくとも以下のハードウェア構成が必要です。
PCI バス用のスロットがある SPARC システム
非同期シリアルインタフェースカード (PCI スロットの 1 つに装着)
他の SunVTS 非同期シリアルインタフェーステストを実行する場合は、以下のハードウェアも必要です。
非同期シリアルインタフェースパッチパネル (パーツ番号 370-2810)
25 ピンシリアルループバックプラグ (パーツ番号 540-1558)
RS-232 シリアルケーブル (パーツ番号 530-1685)
TTY 端末
Configuration: には、非同期シリアルインタフェースカードで使用可能な非同期シリアルポートが示されます。使用可能なポートについては、表 30-1 を参照してください。
表 30-1 saiptest の非同期シリアルポート
カード番号 |
カードデバイス名 |
シリアルポート |
---|---|---|
0 |
saip0 |
term/a000-a007 |
1 |
saip1 |
term/b000-b007 |
2 |
saip2 |
term/c000-c007 |
3 |
saip3 |
term/d000-d007 |
4 |
saip4 |
term/e000-e007 |
5 |
saip5 |
term/f000-f007 |
6 |
saip6 |
term/g000-g007 |
7 |
saip7 |
term/h000-h007 |
8 |
saip8 |
term/i000-i007 |
9 |
saip9 |
term/j000-j007 |
10 |
saip10 |
term/k000-k007 |
11 |
saip11 |
term/l000-l007 |
12 |
saip12 |
term/m000-m007 |
13 |
saip13 |
term/n000-n007 |
14 |
saip14 |
term/o000-o007 |
15 |
saip15 |
term/p000-p007 |
表 30-2 saiptest のオプション
オプション |
説明 |
---|---|
Internal Test |
PCI スロットに装着されている非同期シリアルインタフェースカードに対して、内部ループバックテストを行います。カードには何も接続せずにテストします。 |
25-pin Loopback |
オプションメニューの Serial Port セクションで選択されているシリアルポートに対して、全二重伝送テストとフルモデムループバックテストを行います。このテストを行うには、テストする非同期シリアルインタフェースパッチパネルのシリアルポートに、25 ピンループバックプラグを接続する必要があります。Echo-TTY オプションが有効な場合は、実行することはできません。 |
Echo-TTY |
TTY 端末のキーボードから入力された文字を、TTY 端末の画面に表示することによって、オプションメニューの Serial Port セクションで選択されているシリアルポートが、正しく動作しているかどうかを調べます。TTY 端末のキーボードから任意の文字を入力してください。正常であれば、入力した文字が TTY 端末の画面に表示されます。 注 - 非同期シリアルインタフェースのシリアルポートに TTY 端末を接続するには、文字サイズを設定する必要があります。たとえば、TTY 端末を 8 ビットの文字サイズに設定している場合は、saiptest オプションの Char Size を 8 ビットに設定する必要があります。2 分間何も入力しなかった場合は、時間切れエラーになります。 |
Baud Rate |
ボーレートを指定します。110、300、600、1200、2400、4800、9600、19200、38400 のいずれかを選択してください。 注 - 38400 のボーレートは、内部テストが無効で、ポートを 1 つずつテストする場合にのみ使用することができます。 |
Char Size |
文字の長さを指定します。5、6、7、8 のいずれかを選択してください。 |
Stop Bit |
ストップビット数を指定します。1 または 2 ビットのいずれかを選択してください。 |
Parity |
パリティーを指定します。none (なし)、odd (奇数)、even (偶数) のいずれかを選択してください。 |
Flow Control |
フロー制御方法を指定します。xonoff、rtscts、both のいずれかを選択してください。 |
Data Type |
テストに使用するデータパターンを指定します。0x55555555 (0x55)、0xaaaaaaaa (0xaa)、random のいずれかを選択してください。 |
Serial Port |
テストするシリアルポートを指定します。オプションメニューの Configurations: に示されているポートから選択してください。 |
saiptest は、オフラインの機能テストモードでのみ実行することができます。
/opt/SUNWvts/bin/saiptest 標準引数 -o dev=デバイス名, M=テストモード,B=ボーレート,Size=文字サイズ,Stop=ストップビット数, Parity=パリティ,F=フロー制御,Data=テストパターン,sp=シリアルポート
表 30-3 saiptest のコマンド行構文
64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。
表 30-4 に、SunVTS 非同期シリアルインタフェースによってエラーが検出されときに生成される saiptest エラーメッセージを示します。カード不良またはテストのエラーについて考えられる原因と、FRU (現場交換可能ユニット)、対処方法を示しています。テスト対象となる FRU 装置は、非同期シリアルインタフェースカード、およびケーブルが接続されたパッチパネルの 2 つです。
表 30-4 saiptest のエラーメッセージ
|
エラーメッセージ |
考えられる原因 |
対処方法 |
---|---|---|---|
6000 |
エラーメッセージ |
|
|
6001 |
Expected = 値,observed = 値 |
|
|
6002 |
Expected 値: |
|
|
6003 |
Observed 値: |
|
|
6004 |
Modem Loopback test failed on デバイス名 |
|
|
6005 |
Off-line error on device デバイス名 |
|
|
6007 |
Busy error on device デバイス名 |
|
|
6008 |
Error on device デバイス名 |
|
|
6009 |
Retry 数値 exceeds limit 数値 rc =s 値 |
|
|
6010 |
Expected 数値 bytes, observed 数値 bytes |
|
|
6011 |
Internal test failed on デバイス名 |
|
|
6012 |
Data Loopback test failed on デバイス名 |
|
|
6013 |
Ioctl TIOCSSOFTCAR error on デバイス名 |
|
|
8000 |
Must provide device name! |
|
|
8001 |
No SAI/P card found or device driver not installed |
|
|
8002 |
Ioctl TCSETS failed on デバイス名 |
|
|
8003 |
Open error on デバイス名 - device driver may not be installed properly |
|
|
8004 |
Device デバイス名 is already opened |
|
|
8005 |
Ioctl SAIP_ENLOOP error in デバイス名 |
|
|
8006 |
Ioctl SAIP_DISLOOP error in デバイス名 |
|
|
8011 |
Ioctl TIOCMGET failed on デバイス名 |
|
|
8012 |
デバイス名: Expected DSR set, observed clear |
|
|
8013 |
デバイス名: Expected DSR clear, observed set |
|
|
8014 |
Ioctl TIOCMSET failed on デバイス名 |
|
|
8015 |
Ioctl TIOCMBIC failed on デバイス名 |
|
|
8016 |
Read error on デバイス名 |
|
|
8017 |
Write error on デバイス名 |
|
|
8020 |
Timeout error on デバイス名 |
ループバックプラグがありません。 |
ループバックプラグを調べてください。 |
8021 |
Timeout error on デバイス名 |
TTY 端末が接続されていません。 |
TTY 端末がデバイスに接続されているかどうかを調べてください。 |
8022 |
Timeout error on デバイス名 |
|
|