SunVTS 3.4 ユーザーマニュアル

第 2 章 SunVTS のインストールと削除

この章では、SunVTS のインストールと削除方法について説明します。

SunVTS のパッケージ

SunVTS 3.4 では、以下のパッケージと README ファイルが提供されます。

これらのパッケージは、Solaris メディアキットに含まれているサプリメント CD に収録されています。

SunVTS のインストール

パッケージのインストールに使用することができるユーティリティは、いくつかありますが、この章では、pkgadd ユーティリティを使用して、ローカルの CD-ROM ドライブから SunVTS をインストールする方法を説明します。swmtool を使用してパッケージをインストールする方法については、『Solaris 7 - 11/99 Sun ハードウェアマニュアル』を参照してください。

インストール条件


注 -

SunVTS 3.4 は、Solaris 7 - 11/99 オペレーティング環境用に導入されたものであり、Solaris 7 - 11/99 オペレーティング環境上での動作を前提に設計されています。


pkgadd コマンドで SunVTS をインストールする
  1. システムにログインして、スーパーユーザーになります。


    % su
    

  2. SunVTS がシステムにインストールされているかどうかを確認します。


    # pkginfo -c sunvts
    

    SunVTS パッケージがインストールされていない場合、画面には何も表示されません。SunVTS のインストールに進むことができます。

    次のようなメッセージが表示された場合は、SunVTS がインストールされています。下記の注をお読みください。


    system      SUNWvts        SunVTS


    注 -

    同じディレクトリに異なるバージョンの SunVTS をインストールしないでください。SunVTS をインストールする前に、pkgrm コマンドを使用して、既存の SunVTS を削除してください。詳細は、「日本語環境での SunVTS の使用について」を参照してください。


  3. CD-ROM ドライブにサプリメント CD を挿入します。

    ボリュームマネージャーによって、CD が自動的にマウントされます。

  4. 下記の例を参考に pkgadd を使用して、SunVTS をインストールします。

    • SunVTS をデフォルトのディレクトリ (/opt) にインストールする場合は、以下のように入力します。


      # pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWvts
      

    • SunVTS をデフォルト (/opt) 以外のディレクトリにインストールする場合は、以下のように入力します。この場合は、インストールするディレクトリを入力するように求められます。


      # pkgadd -a none -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWvts
      

  5. 問い合わせに答えます。


    注 -

    Warning: The <SUNWeswsa or SUNWsycfd> package "Sun Enterprise SyMON Agent" is a prerequisite package and should be installed.という 警告メッセージが表示されることがあります。 このメッセージによって、SunVTS の正常なインストールまたは実行が妨げられることはありません。このメッセージは、configd プログラム (SUNWeswsa または SUNWsycfd パッケージに含まれる) がシステムに存在しないことを示します。configd は、SunVTS の物理マッピング (Physical mapping) およびオンライン診断機能に必要です。物理マッピング機能を使用する場合は、正しい configd パッケージをインストールしてください。configd パッケージは、サプリメント CD に含まれています。


  6. 実際の Solaris オペレーティング環境に合わせて SunVTS サポートパッケージをインストールします。 (詳細は、「SunVTS のパッケージ」を参照してください。)


    # pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWvtsx SUNWodu SUNWvtsmn SUNWjvtsm
    


    注 -

    SUNWvts のインストールで -a none を使用した場合は、ここでも -a none を使用してください。


  7. SunVTS の物理マッピングまたはオンライン診断機能を使用する場合 (以下の注を参照) は、お使いのシステムをサポートしている Sun Enterprise SyMON の configd パッケージ (Sun デスクトップ システムの場合は SUNWeswsa、Sun Enterprise Server システムの場合は SUNWsycfd) をインストールします。


    # pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Product SUNWeswsa <または> SUNWsycfd
    

    configd プログラム、SunVTS の物理マッピングおよびオンライン診断機能は、Sun Enterprise SyMON 2.0.1 がサポートする Sun Ultra システム (Sun4) でのみサポートされています。

  8. SunVTS および SyMON の configd パッケージがインストールされたことを確認します。


    # pkginfo  SUNWvts SUNWvtsx SUNWvtsmn SUNWodu SUNWeswsa <または> SUNWsycfd
    system      SUNWeswsa      Sun Enterprise SyMON Configd Agent For Ultra Workstations
    system      SUNWodu        Online Diagnostic Utilities
    system      SUNWvts        SunVTS
    system      SUNWvtsmn      SunVTS Man Pages
    system      SUNWvtsx       64-bit SunVTS
    

SunVTS のマニュアルページの利用に必要な設定をする

SunVTS のマニュアルページは、"SunVTS のインストールディレクトリ/man" ディレクトリ (デフォルトでは /opt/SUNWvts/man) にインストールされます。マニュアルページを利用するには、ログインシェルに対応する初期化ファイル (通常、Bourne および Korn シェルでは .profile、C シェルでは .login) の MANPATH シェル変数にこのディレクトリを追加する必要があります。

下記の手順では、SunVTS パッケージのインストールでデフォルトの SunVTS インストールディレクトリ (/opt/SUNWvts) が使用されているものとして説明しています。デフォルト以外のディレクトリにインストールした場合は、手順の説明中のディレクトリ名を、マニュアルページを実際にインストールしたディレクトリの名前に置き換えてください。

  1. テキストエディタで適切な初期化ファイルを開き、MANPATH 変数に SunVTS のマニュアルページのディレクトリ (デフォルトでは/opt/SUNWvts/man ) を追加します。

    Bourne, Korn シェルの例 :

    MANPATH=/usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man;export MANPATH

    C シェルの例 :

    setenv MANPATH /usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man

  2. . [ドット] または source コマンドで初期化ファイルを再読み込みするか、ログインし直すことによって、編集した初期化ファイルをシェルに読み取らせます。

  3. SyMON のマニュアルページディレクトリが MANPATH 変数に設定されていることを確認します。


    # echo $MANPATH
    /usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man


    注 -

    ユーザーの作業環境、シェル変数、初期化ファイルのカスタマイズについては、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


日本語環境での SunVTS の使用について

SunVTS 3.4 ソフトウェアは、国際化 (I18N: Internationalization) に対応しており、ユーザーが国際化について熟知している場合は、SunVTS を日本語環境に対応させて実行できるように設計されています。日本語環境で SunVTS を実行する際には、英語フォントまたは日本語フォントのいずれかを使用できます。以下の手順で、どちらの言語を使用するか選択してください。

日本語環境で英語版 SunVTS を実行する

SunVTS を起動する前に、LANG 変数を英語に設定します。C シェルを使用した例を以下に示します。

  1. LANG 変数を設定します。

    # setenv LANG C

日本語環境用 GUI resource ファイルを設定する
  1. スーパーユーザーになってディレクトリを作成します。

    # mkdir -p /opt/SUNWvts/lib/locale/LANG/app-defaults

    ここで LANG には、使用している言語の言語コード (日本語 EUC の場合は ja) を入力します。

  2. 作成したディレクトリに SunVTS Xresource (Vtsui) ファイルをコピーします。

    # cp /opt/SUNWvts/lib/Vtsui /opt/SUNWvts/lib/locale/LANG/app -defaults


    注 -

    上記の例は、SunVTS をデフォルトのディレクトリ (/opt) にインストールした場合を前提としています。SunVTS を別のディレクトリにインストールした場合は、そのディレクトリのパスに合わせて指定してください。


  3. 日本語環境で必要なフォント仕様に合うように、Vtsui ファイルのフォント定義をカスタマイズします。

SunVTS の削除

新しいバージョンの SunVTS をインストールする前に、既存の SunVTS を削除する必要があります。以下に、pkgrm コマンドを使用して既存の SunVTS を削除する手順を示します。

pkgrm コマンドで SunVTS を削除する
  1. システムにログインして、スーパーユーザーになります。

    プロンプトに対して、以下のように入力してください。


    ariela% su
    

  2. pkgrm コマンドを使用して、パッケージを削除します。


    # pkgrm  SUNWvtsx SUNWvtsmn SUNWodu SUNWvts SUNWjvtsm
    

    削除を確認するプロンプトに対して y (はい) を入力します。

    Removal of <パッケージ名> was successful. というメッセージが表示されます。

    Sun Enterprise SyMON ソフトウェアがインストールされている場合は、configd パッケージ (SUNWeswsa または SUNWsycfd) を削除する必要はありません。