SunVTS には、サンのシステムの大部分のハードウェアデバイスに対するテストが用意されています。
SunVTS を起動すると、 SunVTS カーネルはテストシステムデバイスを調べます。この調査の結果は、テストするデバイスを選択するためのデバイス一覧からなる SunVTS インタフェースに表示されます。システムの構成に関係のないテストが表示されることはありません。
テストは、特定のテストグループ全体または個別テスト単位で選択することができます。使用するテストモードと実行するテストは、テストの目的によって異なります。
たとえば、SunVTS を使用して、断続的に発生する SCSI バスエラーの追跡を行う場合は、Functional テストモードで SCSI グループ全体をテストすることによって、SCSI サブシステムを完全に検査します。次に、そのテストの後で特定の SCSI デバイスを選択して、どのデバイスでエラーが再現するかを調べます。
もう 1 つの例として、新たに設置したシステムを本格的に運用する前に検査するという目的も考えられます。この場合は、指定した時間の間、Functional モードですべてのデバイスをテストします。
オプションボード、周辺装置、通信デバイスなどの特定のデバイスの接続に問題がないかどうかを調べる場合は、Connection テストモードでテストします。
特定の 1 つのテストやテストグループを選択する方法は、使用する SunVTS ユーザーインタフェースによって異なります。詳細は、以下に示す節を参照してください。
CDE ユーザーインタフェース - 「テストするデバイスを選択する」
OPEN LOOK ユーザーインタフェース - 「OPEN LOOK Test Selection パネル」
TTY ユーザーインタフェース - 「個別テストとテストグループの選択」
テストを選択する前に、ユーザーの介入を必要とするテストがいくつかあります。このようなテストでは、記憶媒体を挿入するか、ループバックコネクタを取り付ける必要があります。この作業を行っていない場合は、テストを選択する前に intervention モードを有効にして、必要な作業を行います。
Functional テストモードでこのようなデバイスをテストする場合は、あらかじめドライブに記憶媒体を挿入しておいてください。
テープドライブ - テストするテープドライブにスクラッチテープを挿入してください。テープテストは読み取り専用モードで行われますが、誤ってデータが上書きされることのないようスクラッチテープを使用してください。
CD-ROM ドライブ - CD-ROM ドライブに CD を挿入してください。音楽用 CD またはデータ CD のどちらでもかまいません。
フロッピーディスクドライブ - フロッピーディスクドライブにスクラッチディスクを挿入してください。フロッピーディスクテストは読み取り専用モードで行われますが、誤ってデータが上書きされることのないようスクラッチディスクを使用してください。
通信ポート - ほとんどの通信ポートテストでは、ポートにループバックコネクタが接続されている必要があります。テストするポートに必要なループバックコネクタを接続してください。ループバックコネクタについての詳細は、『SunVTS 3.4 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。
SunVTS カーネルがデバイスを正しく特定できるように、SunVTS を起動したとき、または再調査 (Reprobe) 機能を実行したときに行われるデバイスの調査の前に、記憶媒体やコネクタを取り付けてください。
Intervention モードは、テストを実行する際に何らかのユーザーの介入が必要であることを知らせるためのものです。Intervention モードを有効にすることによって、適切な記憶媒体やループバックコネクタが取り付けられているかどうかが確認されるわけではありません。
Intervention モードボタンの位置は、使用する SunVTS インタフェースによって異なります。詳細は、以下に示す節を参照してください。
CDE インタフェース - 「CDE Select devices (デバイス選択) 領域」
OPEN LOOK インタフェース - 「OPEN LOOK Test Selection パネル」
TTY インタフェース - 「TTY オプションの設定」