SunVTS 3.4 テストリファレンスマニュアル

第 32 章 Remote System Control テスト (rsctest)

rsctest は、Sun Enterprise 250 の RSC (Remote System Control) 機能を検査します。

RSC は、システムの監視、ファームウェアの更新、障害の回復において、安全な遠隔アクセス機能を提供します。RSC ハードウェアは、コントローラ、フラッシュ、SEEPROM、10 Mbps Ethernet ポート、外部コンソール用シリアルポートによって構成されます。RSC は、内部シリアル回線 (2 つ) と I2C バス、リセット回線を使用してホストと通信します。

rsctest のサブテスト

rsctest は、Ethernet、フラッシュの検査合計、SEEPROM の検査合計、内部および外部シリアルポートをテストし、結果を報告する 4 つのサブテストによって構成されています。これらのサブテストは、RSC ファームウェアに含まれる固有のリアルタイムオペレーティングシステム (RTOS) で作成されたテスト modlet を呼び出します。rsctest のサブテストは、テスト modlet を実行し、パラメタを渡し、ホスト上のテストプロトコルを使用して結果を RSC から RSC 内部シリアル回線に取り出します。rsctest は、スケーラブルテストではありません。

rsctest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 3.4 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 32-1 rsctest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 32-1 rsctest のオプション

オプション 

説明 

Enet test 

RSC Ethernet テストを有効または無効にします。 

Data Pattern Type 

テストに使用するデータパターンとして Sequential、Random、その両方のいずれかを選択します。 

Packet Size 

すべてのテストで送信するデータパケットのサイズを指定します。 

Num Packets 

1 つのテストループで送信するデータパケット数を指定します。 

Target Host 

ping テストで使用するホストの IP アドレスを指定します。  

Enet Test Type 

Enet テストタイプとして、Internal、External、ping テストを選択します。すべてのテストを選択することもできます。 

Flash test 

フラッシュの検査合計テストを有効または無効にします。 

SEEPROM test 

SEEPROM の検査合計テストを有効または無効にします。 

Serial test 

RSC シリアルテストを有効または無効にします。 

Data Size 

送信するデータサイズを指定します。 

Loopback Type 

Internal、External、またはその両方を選択します。External には、ループバックコネクタが必要になります。 

Data Pattern Type 

テストに使用するデータパターンとして Sequential、Random、またはその両方を選択します。  

Serial Test Type 

テストするシリアルポートして u to u、c to c、d to d のいずれかを選択します。 

 TTYU_Baud RSC のコンソールのボーレートを選択します。

rsctest のテストモード

下記の表に示すように、rsctest は、接続テスト (Connection Test) および 機能テスト(Functional Test) モードの両方に対応しています。

表 32-2 rsctest のテストモード

テストモード 

説明 

接続テストモード 

RSC の状態を報告します。 

機能テストモード(オフライン) 

RSC の Ethernet、フラッシュ、SEEPROM、シリアルデバイスをテストします。 デフォルトでは、これらのすべてのテストで内部モードが使用されます。コンソールの出力先が RSC に変更されている場合、rsctest は ttyc に対してシリアルテストを行いません。ttyu に開いているログインがある場合、ttyu テストは実行されません。

rsctest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/rsctest 標準引数-o enet=E/D,epattype=seq+rand,esize=パケットサイズ, epkts=パケット数,target=IP_アドレス,etest=I+E+P,flash=E/D, seeprom=E/D,serial=E/D,sdatsize=データサイズ,slb=I+E,spattype=seq+rand, stest=u_u+c_c+d_d,ttyubaud=ALL|指定ボーレート

表 32-3 rsctest のコマンド行構文

引数 

説明 

enet=enable|disable

RSC Ethernet テストを有効または無効にします。 

epattype=seq+rand

Enet テストに使用する既定のパターンオプション 

esize=パケットサイズ

Enet テストで使用するパケットのサイズ 

epkts=パケット数

Enet テストで送信するパケット数 

target=IP アドレス

Enet の ping テストの宛先システムの IP アドレス 

etest=Internal+External+Ping

RSC Enet テストのテストモード 

flash=enable|disable

RSC フラッシュの検査合計テストを有効または無効にします。 

seeprom=enable|disable

RSC SEEPROM の検査合計テストを有効または無効にします。 

serial=enable|disable

RSC シリアルテストを有効または無効にします。 

sdatsize=data_size

RSC シリアルテストで使用するデータサイズ 

slb=Internal+External

ループバックタイプ。c と d ポートに対しては、External を選択することはできません。 

spattype=seq+rand

RSC シリアルテストに使用する既定のパターンオプション 

stest=u_u+c_c+d_d

RSC シリアルテストに使用するポート構成を指定します。 

ttyu_baud=ALL|指定ボーレート

RSC のコンソールポートのテストに使用するボーレートを指定します。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。


rsctest のエラーメッセージ

表 32-4 rsctest のエラーメッセージ

 

エラーメッセージ 

考えられる原因 

対処方法 

8000

Unable to open driver ドライバ名: システムエラーメッセージ

デバイス名が不正か、ドライバが読み込まれていません。 

原因に従って、デバイス名に誤りがないか調べるか、ドライバを読み込んでください。 

デバイスがビジー 

ドライバを使用している他のすべてのプロセスを終了してください。 

8001

Unable to allocate memory using malloc: システムエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8002

Illegal options passed to rsctest オプション

ユーザーエラー  

rsctest -u と入力して、使用法を確認してください。

8003

Error encountered during call to 関数名

 

 

8004

Error encountered during call to rsc_send(). Error Code: システムエラーメッセージ

RSC ハードウェアからの応答がありません。 

RSC をリセットしてください。 

8005

Error encountered during call to rsc_recv(). Error Code: システムエラーメッセージ

RSC RTOS テストが時間切れになりました。 

RSC をリセットしてください。 

8006

Failing status received. Status:状態

RSC の RTOS テストから障害状態が返されました。  

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。

8007

Invalid message type received from rsc_recv(). Msg_type: メッセージタイプ

RSC から予期しないメッセージタイプが返されました。 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSCをリセットしてください。

8008

Error encountered during call to rsc_start(). Error Code: システムエラーメッセージ

RSC テストプロトコルを初期化することができません。 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。

8009

RSC's Internal|External enettest failed for pattern type= パターンタイプ

Internal: ハードウェアの不良。RSC enet の設定が不正です。 

RSC の構成を調べてください。 10 Mbps ハブとケーブルを調べてください。マザーボードを交換してください。 

External: ハードウェアの不良。RSC enet の設定が不正です。 10 Mbps ハブまたはケーブルが見つかりません。 

8010

RSC's PING test failed. Pattern type = パターンタイプ Target host= ターゲット_IP.

RSC enet の設定が不正です。 

RSC の enet の設定を調べてください。 

ケーブルが接続されていないか、壊れています。ターゲット IP が不正です。 

ハードウェア障害 

ケーブルの接続を調べてください。 

ターゲットの IP アドレスオプションを調べてください。 

マザーボードを交換してください。 

8011

RSC's flash checksum test failed. Status: 状態

フラッシュファームウェアが壊れています。 

I2C バス上のエラー 

フラッシュハードウェアの不良 

ファームウェアを更新してください。 

env2test を使用して I2C バスを調べてください。

ハードウェアを交換してください。 

8013

端末設定 failed for TERMIO.:システムエラーメッセージ

RSC プロトコルエラー 

 

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8014

Read failed.: システムエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8015Data read does not match data sent.

ハードウェア不良またはシステムソフトウェアのエラー 

ハードウェアを調べて、必要に応じて交換してください。 

8016Data read exceeds data sent.

ハードウェア不良またはシステムソフトウェアのエラー 

ハードウェアを調べて、必要に応じて交換してください。 

8017

Select timedout for read.:システムエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー。RSC/システムの負荷が大きすぎるため、データが失われました。 

RSC とシステムの負荷を減らしてください。 詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8018

Write failed for num bytes bytes of data.:システムエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8019

Select timedout for write.: システムエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8020

RSC Serial test failed.Test Name= テスト名

Loopback= ループバックタイプ

Pattern_Type= パターンタイプ

Baud= ボーレート.

ハードウェア不良またはシステムソフトウェアのエラー 

ハードウェアを調べて、必要に応じて交換してください。 

8021

OPEN of port failed.:システムエラーメッセージ.

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8022RSC Status shows that the last run of POST failed.

ハードウェア不良またはシステムファームウェアのエラー 

RSC のマニュアルで POST 状態語の意味を調べてください。 

 

8023

Unable to access lib rsc lib.: システムエラーメッセージ.

システムソフトウェアのエラー。 

RSCソフトウェアが正しくインストールされていません。 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

テスト中のユニットにRSCパッケージをインストールし直してください。 

8024

Unable to close lib.: システムエラーメッセージ.

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8025

Call to rsc_init() failed. Error Code: RSC のエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSCをリセットしてください。

8026

Unable to access function 関数名 in lib.: システムエラーメッセージ

システムソフトウェアのエラー 期限切れまたはサポートされていない librsc.so.1 がインストールされています。 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 テスト中のユニットに RSC パッケージをインストールし直してください。

8027

RSC's SEEPROM checksum test failed. Status: 状態.

ファームウェアが壊れているか、I2C バスに問題があるか、システムソフトウェアのエラーです。 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSCをリセットしてください。

8028

Select failed for [Write/Read].

RSC のハングアップ  

RSC データプロトコルのエラー 

詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。

8029

Sending OFF to Serial test failed.

Test Name= テスト名

Loopback= ループバックタイプ

pattern_type= パターンタイプ

Baud= ボーレート

RSC のハングアップ 

RSC データプロトコルのエラー 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSC をリセットしてください。

8031

Communication to RSC failed.

RSC のハング 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSC をリセットしてください。

8032Unable to get RSC's console port from library.

RSC lib がインストールされていません。 

システムソフトウェアのエラー 

ホストに RSC lib がインストールされているかどうか調べてください。 

8033Unable to get RSC's control port from library.

RSC lib がインストールされていません。 

システムソフトウェアのエラー 

ホストに RSC lib がインストールされているかどうか調べてください。 

8034

Unable to negotiate loopback mode on RSC for serial loopback.

RSC の負荷が大きすぎます。 

RSC データプロトコルのエラー 

RSC およびシステムの負荷を減らしてください。 

RSC をリセットしてください。 

8035

Unable to open host PROM.

PROM イメージが壊れています。 

ハードウェアに不良があります。 

prtconf を使用して PROM に問題がないか調べてください。PROM を更新してください。

マザーボードを交換してください。 

8036

Unable to access PROM property using ioct.

システムソフトウェアのエラーPROM が壊れている 

prtconf を使用して PROM に問題がないか調べてください。PROM を更新してください。

マザーボードを交換してください。 

8037

Unable to access the next PROM property using ioctl.

システムソフトウェアのエラーPROM が壊れている 

prtconf を使用して PROM に問題がないか調べてください。PROM を更新してください。マザーボードを交換してください。

8040

Internal Serial tests are not allowed while RSC is being used as console.

入力デバイスまたは出力デバイスが rsc に設定されている。 

rsctest のテストオプションメニューから内部シリアルポートテストを選択解除してください。入力デバイスと出力デバイスをリダイレクトして、SunVTS を再起動してください。

8041

Unable to determine RSC uptime.

RSC のリセット中です。 

RSC から応答がありません。 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。

8042

RSC reset detected; start time stop time.

RSC ハードウェアエラー 

RSC に telnet 接続して、リセットループに陥っていないか調べてください。 

rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。

8043

Unable to determine the systems platform.

システムソフトウェアエラー 

 

8044

Unable to fill signal mask.

システムソフトウェアエラー 

 

8045 

Unable to change signal mask.

システムソフトウェアエラー