Sun NFS サーバーの調整

ファイルシステムの複製の作成

通常、NFS サーバーでは、以下のファイルシステムが使用されます。

上記のファイルシステムの複製を作成すると、ファイルシステムの性能を向上させることができます。特定の 1 つのファイルシステムに対する要求を処理する場合に、NFS サーバーは、ディスク帯域幅の制限を受けます。データの複製を作成すると、NFS クライアントからデータ方向へのパイプの合計サイズが大きくなります。ただし、複製は、ホームディレクトリからなるファイルシステムなどの書き込み可能なデータ性能の改善には、実用的な手段ではありません。複製は、読み取り専用のデータに使用してください。

ファイルシステムを複製する
  1. 複製を作成するファイルまたはファイルシステムを特定します。

  2. 複数のファイルの複製を作成する場合は、1 つのファイルシステムにまとめます。

    頻繁に使用するファイルを 1 つのディスクにまとめることによって生じる可能性がある性能の低下は、複製を作成することによって補うことができます。

  3. 一般的に入手可能なツール (nfswatch) を使用して、NFS サーバーグループで最も頻繁に使用されるファイルおよびファイルシステムを確認します。

    表 A-1 に、nfswatch などの性能監視ツールと入手方法を紹介しています。

  4. クライアントがどのように複製を選択するかを決定します。

    /etc/vfstab ファイルにサーバー名を記述し、NFS クライアントからサーバーへの対応を指定します。別の方法として、オートマウンタのマップに全サーバー名を記述することによって、完全に動的な結合を指定することもできます。ただし、この方法を使用すると、クライアントが一部の NFS サーバーに偏る可能性があります。クライアントグループが、専用の複製 NFS サーバーをもつ「ワークグループ」パーティションを実施した場合は、最も予測可能な性能を得ることができます。

  5. 新しいデータを配布するための更新スケジュールと方法を選定します。

    新しい読み取り専用データを配布する計画と方法は、そのデータを変更する頻度によって決定してください。内容が完全に変更されてしまうファイルシステム、たとえば、毎月更新される履歴データを含むファイルは、各マシン上で配付媒体のデータをコピーするか、ufsdumpufsrestore を組み合せる方法をお勧めします。ほとんど変更のないファイルシステムは、rdist などの管理ツールを使用して対処することができます。

  6. 複製サーバー上の古いデータをユーザーが使用したときに、どのような問題が生じるかを検討します。

    この場合は、Solaris 2.x JumpStart(TM) 機構と cron を組み合わせる方法があります。