インストーラはインストール時に、ホストにすでにインストールされている Java ES コンポーネントがインストールする Java ES のリリースと互換性があるかどうかをチェックします。コンポーネントの一部に互換性がない場合、互換性がないことを示すエラーメッセージが表示され、インスールが中断する場合があります。したがって、インストール済みのソフトウェアを調べ、必要なアップグレードを行なった「あと」で、Java ES インストーラを実行することが重要です。
Java ES インストーラはインストール時に、選択可能なコンポーネントをアップグレードしません。ただし、1 つ例外があります。Application Server および Message Queue がすでに Solaris OS にインストールされている場合、インストーラは、これらのコンポーネントをインストール時にアップグレードするかどうかをユーザーに尋ねます。
Java ES インストーラは、インストールする選択可能なコンポーネントで必要となるすべての共有コンポーネントを、アップグレードまたはインストールします。
prodreg、pkginfo などの Solaris コマンドや Linux rpm コマンドを使用すれば、インストール済みのソフトウェアを調査できます。また、インストーラそのものを使用して、この項で説明する手順に従って、パッケージベースのソフトウェアインストールを調べることもできます。
インストールされているソフトウェアに関する情報を得るために、Java ES インストーラだけを頼りにすることは、避けるべきです。インストール済みのソフトウェアについて、ホストを独自に調査して確認することも必要です。
DISPLAY 環境変数を設定します。
リモートホストにログインしているときには、DISPLAY 環境変数がローカルディスプレイに適切に設定されていることを確認します。DISPLAY 変数が正しく設定されていないと、インストーラはテキストベースモードで実行されます。
C Shell での例 (ホスト名は myhost):
setenv DISPLAY myhost:0.0 |
Korn Shell での例 (ホスト名は myhost):
DISPLAY=myhost:0.0 |
表示権限を付与します。
ローカルディスプレイでインストーラを実行するには、表示権限の付与が必要になる場合があります。たとえば、次のコマンドを使用して、myhost から serverhost のルートユーザーに表示権限を付与することができます。
myhost\> xauth extract - myhost:0.0|rsh -l root serverhost xauth merge - |
このような権限を安全に付与する手順については、『Solaris X Window System 開発ガイド』の「サーバーに対するアクセスの操作」の章を参照してください。
各ホストで、アクティブインストールではないことを示す -no オプションを指定してインストーラを起動します。
グラフィカルインストーラの場合、次のとおり入力します。
./installer -no |
テキストベースのインストーラの場合、次のとおり入力します。
./installer -nodisplay -no |
コンポーネントの選択に進みます。
このホストにインストールするコンポーネントを選択します。
状態列は、選択したコンポーネントに必要な製品を示します。
インストーラが選択可能なコンポーネントのバージョンに互換性がないことを検出した場合、互換性のないバージョンのアップグレードまたは削除が求められます。
この問題を解決したら、選択リストを更新し、選択し、インストーラを先に進めます。
インストーラが共有コンポーネントのバージョンに互換性がないことを検出した場合、アップグレードの必要がある共有コンポーネントのリストが表示されます。
表示された各共有コンポーネントについて、「インストール済みのバージョン」と「必要なバージョン」を比較し、アップグレードする必要があるかどうかを確認します。共有コンポーネントの新しい Java ES バージョンと、ホストにインストールされているその他のアプリケーションとの間に互換性があるかどうかを確認する必要があります。
インストーラを終了し、必要なアップグレードを実行します。
選択可能なコンポーネントについては、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 アップグレードガイド』を参照してください。
共有コンポーネントの場合は、インストール時に大部分のアップグレードを実行できます。
各ターゲットホストに対して手順を繰り返します。
インストーラは Solaris OS によって配布される Directory Server のバージョンを調べ、この Solaris の配布の中に含まれている Directory Server のスクリプトの名前がインストーラによって変更されることを警告します。何も対処する必要はありません。