Sun Java System Access Manager 7 2005Q4 管理ガイド

付録  B serverconfig.xml ファイル

serverconfig.xml ファイルは、Sun Java™ System Access Manager のデータストアとして使用される Directory Server に関する設定の情報を提供します。この章では、ファイルの要素、フェイルオーバーのためにファイルを設定する方法、複数のインスタンスを定義する方法、コンソールの配備を取り消す方法、コンソールファイルをサーバーから削除する方法について説明します。この章は、次の節で構成されています。

概要

serverconfig.xml/ AccessManager-base /SUNWam/config/ums ディレクトリにあります。このファイルには、Directory Server への LDAP 接続プールを確立するために Identity SDK が使用するパラメータが格納されます。このファイルは、製品の他の機能が使用することはありません。このファイルでは 2 つのユーザーが定義されます。user1 は Directory Server プロキシユーザーであり、user2 は Directory Server 管理者です。

プロキシユーザー

プロキシユーザーは、任意のユーザーの権限 (たとえば、組織管理者またはエンドユーザー) を獲得することができます。プロキシユーザーにバインドされた接続とともに接続プールが作成されます。Access Manager は、cn=puser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com というDN でプロキシ ユーザーを作成します。このユーザーは、Directory Server に対して行われるすべてのクエリーに使用されます。プロキシユーザーは、Directory Server ですでに設定されているプロキシユーザー ACI を利用するので、必要なときにユーザーに代わってアクションを実行できます。プロキシユーザーは、すべてのクエリー (サービス設定や組織情報の取得など) の受け渡し経路となる開いた接続を維持します。プロキシユーザーのパスワードは常に暗号化されます。「プロキシユーザー」は、serverconfig.xml に格納された暗号化パスワードの例を示しています。


例 B–1 serverconfig.xml でのプロキシユーザーの定義


<User name="User1" type="proxy">
<DirDN>
cn=puser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com
</DirDN>
<DirPassword>
AQICkc3qIrCeZrpexyeoL4cdeXih4vv9aCZZ
</DirPassword>
</User>


            

管理ユーザー

管理ユーザーは、Access Manager SDK が、特定のユーザーにリンクされていない操作 (サービス設定情報の取得など) を Directory Server に対して実行するときにバインド目的で使用されます。「プロキシユーザー」はこれらの操作を管理ユーザーの代わりに実行しますが、バインドではまず管理ユーザーの資格を検証する必要があります。インストールの間に、Access Manager は cn=dsameuser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com を管理ユーザーとして作成します。「プロキシユーザー」は、serverconfig.xml に格納された、dsameuser の暗号化パスワードの例を示しています。


例 B–2 serverconfig.xml での管理ユーザーの定義


 <User name="User2" type="admin">
 <DirDN>
 cn=dsameuser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com
 </DirDN>
 <DirPassword>
 AQICkc3qIrCeZrpexyeoL4cdeXih4vv9aCZZ
 </DirPassword>
 </User>


            

server-config の文書型定義

server-config.dtd は、serverconfig.xml の構造を定義します。このファイルは AccessManager-base /SUNWam/dtd ディレクトリにあります。この節では、DTD の主な要素を定義します。「MiscConfig 要素」serverconfig.xml ファイルの例です。

iPlanetDataAccessLayer 要素

iPlanetDataAccessLayer はルート要素です。この要素では、XML ファイルごとに複数のサーバーグループを定義できます。この要素の直接のサブ要素は 「ServerGroup 要素」です。この要素には属性はありません。

ServerGroup 要素

ServerGroup は、1 つまたは複数のディレクトリサーバーへのポインタを定義します。ディレクトリサーバーの種類は、マスターサーバーまたはレプリカサーバーのいずれかです。ServerGroup を修飾するサブ要素には、「Server 要素」「User 要素」「BaseDN 要素」、および 「MiscConfig 要素」があります。ServerGroup の XML 属性は、サーバーグループの名前、LDAP 接続プールに対して開くことのできる接続の最小数 (1) を定義する minConnPool、および、最大数 (10) を定義する maxConnPool です。複数の ServerGroup 要素の定義はサポートされていません。


注 –

Access Manager は、Directory Server にアクセスするために接続プールを使用します。すべての接続は Access Manager の起動時に開かれ、以後閉じられることはありません。接続は再利用されます。


Server 要素

Server は特定の Directory Server インスタンスを定義します。サブ要素はありません。Server の必須 XML 属性は、ユーザーにわかりやすいサーバーの名前、ホスト名、Directory Server が動作するポート番号、および、開かれる必要のある LDAP 接続のタイプ (シンプルまたは SSL) です。


注 –

Server 要素を使った自動フェイルオーバーの例については、「フェイルオーバーまたは複数マスター設定」を参照してください。


User 要素

User には、Directory Server インスタンスに対するユーザー設定を定義するサブ要素が含まれます。User を修飾するサブ要素には、DirDN および DirPassword があります。この要素の必須 XML 属性は、ユーザーの名前とユーザーのタイプです。type の値は、ユーザーの権限と、Directory Server インスタンスに対して開かれる接続のタイプを識別します。以下のオプションがあります。

DirDN 要素

DirDN には、定義されたユーザーの LDAP 識別名 (DN) が含まれます。

DirPassword 要素

DirPassword には、定義されたユーザーの暗号化されたパスワードが含まれます。


注意 – 注意 –

重要な点として、パスワードと暗号化鍵は配備単位全体で一貫した状態に保たれます。たとえば、この要素で定義されるパスワードは Directory Server にも格納されます。1 つの場所でパスワードを変更する場合、両方の場所でそのパスワードを更新する必要があります。また、このパスワードは暗号化されます。am.encryption.pwd プロパティーで定義された暗号化鍵が変更される場合、serverconfig.xml 内のすべてのパスワードを「ampassword --encrypt パスワード」を使用して再暗号化する必要があります。


BaseDN 要素

BaseDN は、サーバーグループのベース識別名 (DN) を定義します。サブ要素および XML 属性はありません。

MiscConfig 要素

MiscConfig は、キャッシュサイズなどの任意の LDAP JDK 機能を定義するためのプレースホルダーです。サブ要素はありません。この要素の必須の XML 属性は、機能の名前とその定義値です。


例 B–3 serverconfig.xml


<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<!--
 Copyright (c) 2002 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.

 Use is subject to license terms.

-->
<iPlanetDataAccessLayer>
        <ServerGroup name="default" minConnPool="1" maxConnPool="10">
                <Server name="Server1" host="
               ishost.domain_name" port="389"
type="SIMPLE" />
                <User name="User1" type="proxy">
                        <DirDN>
                                cn=puser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com
                        </DirDN>
                        <DirPassword>
                                AQICkc3qIrCeZrpexyeoL4cdeXih4vv9aCZZ
                        </DirPassword>
                </User>
                <User name="User2" type="admin">
                        <DirDN>
                                cn=dsameuser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com
                        </DirDN>
                        <DirPassword>
                                AQICkc3qIrCeZrpexyeoL4cdeXih4vv9aCZZ
                        </DirPassword>
                </User>
                <BaseDN>
                        dc=example,dc=com
                </BaseDN>
        </ServerGroup>
</iPlanetDataAccessLayer>


            

フェイルオーバーまたは複数マスター設定

Access Manager では、serverconfig.xml 内で 「ServerGroup 要素」「Server 要素」 として定義された任意の Directory Server への自動フェイルオーバーが可能です。フェイルオーバー目的または複数マスターのために、複数のサーバーを設定できます。設定された最初のサーバーがダウンすると、設定された 2 番目のサーバーが処理を引き継ぎます。「フェイルオーバーまたは複数マスター設定」では、serverconfig.xml での自動フェイルオーバー設定の例を示しています。


例 B–4 serverconfig.xml でのフェイルオーバー設定


<?xml version="1.0" encoding="ISO-8859-1" standalone="yes"?>
<!--
PROPRIETARY/CONFIDENTIAL. Use of this product is subject to license terms.
Copyright 2002 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.
-->
<iPlanetDataAccessLayer>
     <ServerGroup name="default" minConnPool="1" maxConnPool="10">
          <Server name="Server1" host="
            amhost1.domain_name" port="389" type="SIMPLE" />
          <Server name="Server2" host="
            amhost2.domain_name" port="389" type="SIMPLE" />
          <Server name="Server3" host="
            amhost3.domain_name" port="390" type="SIMPLE" />
          <User name="User1" type="proxy">
               <DirDN>
                    cn=puser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com
               </DirDN>
               <DirPassword>
                    AQIC5wM2LY4Sfcy+AQBQxghVwhBE92i78cqf
               </DirPassword>
          </User>
          <User name="User2" type="admin">
               <DirDN>
                    cn=dsameuser,ou=DSAME Users,dc=example,dc=com
               </DirDN>
               <DirPassword>
                    AQIC5wM2LY4Sfcy+AQBQxghVwhBE92i78cqf
               </DirPassword>
          </User>
          <BaseDN>
               o=isp
          </BaseDN>
     </ServerGroup>
</iPlanetDataAccessLayer>