Sun Java System Communications Services 2005Q4 リリースノート

既知の問題と制限事項

ここでは、Calendar Server 6 リリース時の、重要度の高い既知の問題の一覧を示します。

制限事項

現在知られている制限事項は、次のとおりです。

複数値ユーザー設定のインスタンスをすべて削除する

制限:set_userprefs コマンドにより、複数値の設定のインスタンスが 1 つだけ削除されます。

回避策:複数値ユーザー設定のインスタンスをすべて削除するには、インスタンスごとに 1 つの set_userpref コマンドを発行する必要があります。

次に例を示します。get_userprefs を実行して、ユーザー設定のすべてをリスト表示します。icsSubscribed などのように、設定に複数の値が存在する場合は、リスト表示された値ごとに set_userprefs コマンドを発行して、設定を削除する必要があります。

クラスタ環境内でインストール済みパッチを検索する

制限:クラスタの個々のノードに何がインストールされているかを示す、クラスタ固有の showrev コマンドは存在しません。これは、一般的な問題であり、単に Calendar Server 固有の問題というわけではありません。グローバルファイルシステムにインストールされた製品であればどれでも、同じ問題に遭遇します。

これは、Calendar Server を更新する際に問題になります。Calendar Server がインストールされているすべてのノードにパッチを適用する必要があります。また、Calendar Server がノードにインストールされていない場合、パッチをノードに適用することはできません。少なくとも Calendar Server がインストールされているノードが分からないと、Calendar Server のインストール先を見つけるのは、紛らわしく、時間のかかる作業になります。

回避策:次のコマンドを実行して、Calendar Server がインストールされているすべてのノードを表示します。pkgparam -v SUNWics5 | grep ACTIVE_PATCH

ポップアップブロッカー

制限:ポップアップブロッカーを有効にしていると、特定の Calendar Server ウィンドウが表示されません。

回避策:Calendar URL に対するポップアップブロッカーを無効に設定して、すべての Calendar Server ウィンドウが確実に表示されるようにします。

例外:Norton Inet Security AD_BLOCKER および Mozilla 内蔵の POP_BLOCKER は、Calendar Server ウィンドウの動作には影響を及ぼしません。

スキーマ 1 モードの Communications Express でユーザーをプロビジョニングする

制限:csuser ユーティリティーでは、アドレス帳で作成されたユーザーが有効になりません。

回避策: ldapmodify を使用してユーザーを有効にします。

複数のドメイン (ホストドメイン)

制限:設定プログラム csconfigurator.sh を使用すると、1 つのドメインしか設定されません。

回避策:複数ドメインのカレンダ環境 (仮想ドメインまたはホストドメインと呼ばれる) が必要な場合、次の 2 つを実行する必要があります。

  1. ホストドメインを有効にします。

  2. Sun LDAP スキーマ 1 を現在も使用している場合は、Delegated Administrator または csdomain ユーティリティーを使って、ドメインを独自に追加します。

『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』の第 11 章「Setting Up Hosted Domains」および『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』の第 13 章「Administering Hosted Domains」を参照してください。

Calendar Server で LDAP キャッシュデータが期限切れにならない

制限:(バグ番号 4777792 としても登録済み) キャッシュがいっぱいになるために、エラーが発生します。Calendar Server では、LDAP キャッシュデータが期限切れになりません。

回避策:定期的にファイルの内容を削除します。その後、Calendar Server を再起動します。

設定ファイルに完全修飾されたホスト名と完全修飾されていないホスト名の両方を入力する必要がある

制限:設定ファイルへのホスト名の入力が 2 回求められます。最初は完全修飾されたホスト名で、2 番目は完全修飾されていないホスト名です。次に例を示します。

caldb.dwp.server.skate.red.sesta.com.ip = "skate.red.sesta.com" 
caldb.dwp.server.skate.ip = "skate" 
caldb.dwp.server.test12.red.sesta.com.ip = "test12.red.sesta.com" 
caldb.dwp.server.test12.ip = "test12"

X-Token 内の RFC 非準拠のデータを引用符で囲む必要がある

制限:X-Token 内に RFC 非準拠のデータが存在する場合は、そのデータを引用符で囲む必要があります。たとえば、X-Token 内のコロンは ":" のようにする必要があります。

報告された問題

次のリストに、この製品に関して報告されている問題を示します。

4526772

問題:Calendar Server ユーティリティー cscal は、ユーザーを二次所有者として所有者リストに追加する前に、ユーザーの検証を行いません。

4754661

問題:Calendar Server 移行ユーティリティー csmig は、所有者カレンダを使用した icsSubscribed の更新を行いません。

4777792

問題:もはやサポートされないキャッシュされた LDAP データを自動的に破棄する機能がありません。

回避策:キャッシュされた以前の LDAP データを手動で削除します。

4932211

問題:複数の接続を素早く同時に開いたり閉じたりすると、enpd がクラッシュします。

4958242

問題:ユーザーが予定を変更して、今日の予定と将来のすべての予定を変更するオプションを選択すると、以前の予定はすべて削除されて、UI に表示されなくなります。

5019977

問題:SSLv2 モードで SSL の初期化が失敗します。SSLv2 クライアントを使用できません。

5027772

問題:設定プログラム “Get” で、baseDN を取得できません。このプログラムは、インストールルートを取得します。ルートに続く部分を追加することで、ベース DN を指定する必要があります。

5060833

問題:プロセス (enpd など) を起動してから ics.conf ファイル内でそれを無効にする場合、stop-cal が発行されても、システムは無効にされたプロセスを停止しません。

回避策:ics.conf ファイル内でプロセスを再度有効にしてから、stop-cal コマンドを発行します。すべてのプロセスが停止した後で、実行しないプロセスをすべて無効にしてから、start-cal を発行します。

6179278

問題:ホットバックアップのログファイルが、設定通りに破棄されません。

回避策:ディスクがいっぱいになることでサービスが中断されることを防ぐために、定期的にログファイルを別の場所にコピーして、新しいログファイルを使用します。

6186298

問題:ホストドメインを使用するスキーマ 1 モードで、DC ツリーが存在しないか、プロビジョンが不正な場合、カレンダユーティリティーが失敗する可能性があります。カレンダを作成したり、別の方法で管理したりする前に、DC ツリーノードを作成する必要があります。

6203605、6245878、6246230

問題:管理者が LDAP からドメインを削除できません。commadmin domain purge を実行しても、deletedicsStatus であるエントリが削除されません。エントリのステータスは removed でなければなりません。推奨される Calendar Server ユーティリティーである csclean を実行しても、icsStatus removed に変更されません。

回避策: commadmin domain purge を実行する前に、ldapmodify を使用して icsStatusremoved に変更します。

6216869

問題:DWP プロセスの実行中に DWP が無効にされた場合、stop-cal を実行しても DWP は停止しません。 stop-cal は、有効に設定されているサービスだけでなく、すべてのサービスを停止するはずです。

6216877

問題:あいまいなエラーメッセージ。ホストドメイン環境で、csdomain に渡された basedn が存在しない場合。実際に受信するメッセージは、“FAIL: icsLdapServer: Null argument to function.” です。この種のエラーメッセージは、数レベル下で生成されると共に、異なるさまざまな状況で生成されるため、メッセージの内容はあいまいです。単にエラーを引き渡すのではなく、高レベルのプログラムがエラーメッセージを解釈し、それをさらに高レベルが引き継いでゆく必要があります。

6219126

問題:Calendar Server への格納時に、description フィールドから先頭の空白が取り除かれます。

6221009

問題:Linux: RedHat Linux 3.0 では、電子メールによる通知の受信時に件名が消えてしまいます。

6221452

問題:個別のホストドメイン上で、SSL を有効や無効に設定することはできません。(RFE)

6221999

問題:csdomain で生成されるエラーメッセージはあいまいで、より明示的なものにする必要があります。

6244958

問題:csconfigurator.sh -saveState オプションを指定して実行し、かつ指定された状態ファイルにパスが含まれていない場合、状態ファイルは作成されません。次に例を示します。/opt/sun/calendar/sbin/csconfigurator.sh -saveState cs.state

回避策:状態ファイルを作成する場所を、常にフルパス名で指定します。

6273182

問題:csclean を使用して非ホストドメインモードのユーザーを削除しても、LDAP からのユーザーの削除に失敗します。

回避策:非ホストドメインモードで、 csuser delete を使用して、LDAP からユーザーを削除します。

6277008

問題:Linux システムでは、Calendar Server が不正に閉じられた場合、リブート後に Calendar Server を再起動できません。

回避策: /opt/sun/calendar/lib/lock/__db.001 からロックファイルを削除します。

6283756

問題:予定を通知する際、長い宛先: フィールドが、長いまま折り返されずに 1 行で送信されます。これは、RFC 821 に違反しています。行に 1000 文字を超える文字が含まれる場合 (SMTP では行の長さの上限が 1000 文字)、Messaging Server は行を切り捨てます。

回避策:Messaging Server で、関連するチャネルに wrapsmtp キーワードを使用します。

6300906

問題: service.http.calendarhostname が設定されている場合、Calendar Express へのログイン時に Calendar Server の cshttpd プロセスがクラッシュします。デフォルトは null ("" ) です。

6308379

問題:Solaris 10 上で Sun Cluster が稼働する HA 環境にパッチ 120500 が適用されていない場合、Calendar Server が動作しません

修正:パッチ 120500 を適用します。

6312605

問題:定期的な予定に関する問題。日付以外のフィールドを変更して (storeevents を使用して) dtstart および dtend パラメータを送信すると、データが破壊されます。

6312869

問題:Delegated Administrator を Java Enterprise System 2005Q1 バージョンから Java Enterprise System 2005Q4 バージョンにアップグレードすると、Delegated Administrator 設定プログラム ( config-commda) がフリーズします。

修正:Delegated Administrator で使用可能な新しいパッチが存在します。このパッチは、Java Enterprise System 2005Q4 の一般リリースバージョンには使用しないでください。