Application Server ドメインは、管理者によるシステム設定の管理を容易にするための作成される、論理的または物理的なユニットです。ドメインは、インスタンスとノードエージェントを含む、より小さなユニットに分割されます。サーバーインスタンスは、単一の物理マシンで Application Server を実行する単一の Java 仮想マシン (JVM) です。各ドメインには 1 つ以上のインスタンスがあります。また、適切に機能するためにドメインには、インスタンス用に少なくとも 1 つの関連するノードエージェントが必要です。ドメインをグループ化してクラスタを生成できます。クラスタでは、管理者によるソフトウェアとハードウェアのグループ管理が可能です。
管理ドメインは基本的なセキュリティー構造を提供し、これによって各種の管理者がアプリケーションサーバーインスタンスの特定のグループ (ドメイン) を管理できます。サーバーインスタンスを個別のドメインにグループ化することにより、さまざまな組織や管理者が 1 つの Application Server インストールを共有できます。各ドメインには、固有の設定、ログファイル、およびアプリケーションの配備領域があり、これらはほかのドメインとは無関係です。1 つのドメインの設定が変更されても、ほかのドメインの設定は影響を受けません。
それぞれの管理コンソールセッションでは、ドメインを設定および管理できます。複数のドメインを作成している場合は、追加の管理コンソールセッションを起動して、各ドメインを管理する必要があります。各ドメインは、一意のポート番号を持ったドメイン管理サーバー (DAS) を持っています。各管理ドメインは、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを保有できます。ただし、アプリケーションサーバーインスタンスは 1 つのドメインにのみ属することができます。Application Server がインストールされると、domain1 という名前の管理ドメインが自動的に作成されます。
ドメインは、create-domain コマンドによって作成されます。次のコマンド例では、mydomain というドメインを作成します。管理サーバーが待機するポートは 1234 で、管理ユーザー名は hanan です。このコマンドは、管理パスワードおよびマスターパスワードをプロンプトします。
$ asadmin create-domain --adminport 80 --adminuser hanan mydomain |
mydomain ドメインの管理コンソールをブラウザ内で起動するには、次の URL を入力します。
http://hostname:80 |
前述の create-domain の例の場合、ドメインのログファイル、設定ファイル、および配備されたアプリケーションは次のディレクトリに置かれます。
domain-root-dir/mydomain
ドメインのディレクトリを別の位置に作成するには、--domaindir オプションを指定します。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-domain と入力してください。
ドメインは、asadmin delete-domain コマンドによって削除されます。ドメインを管理できる OS ユーザー (またはルート) だけが、このコマンドを正常に実行できます。たとえば、mydomain というドメインを削除するには、次のコマンドを入力します。
$ asadmin delete-domain mydomain |
マシン上に作成されているドメインを asadmin list-domains コマンドを使用して参照できます。デフォルトの domain-root-dir ディレクトリ内のドメインを一覧表示するには、次のコマンドを入力します。
$ asadmin list-domains |
別のディレクトリに作成されているドメインを一覧表示するには、--domaindir オプションを指定します。
ドメインの起動時に、管理サーバーとアプリケーションサーバーインスタンスが起動されます。アプリケーションサーバーインスタンスは、一度起動すると常時稼動となり、要求を待機して受け付けます。各ドメインは、別々に起動する必要があります。
ドメインを起動するには、asadmin start-domain コマンドを入力し、ドメイン名を指定します。たとえば、デフォルトのドメイン (domain1) を起動するには、次のように入力します。
$ asadmin start-domain --user admin domain1 |
ドメインが 1 つだけの場合は、ドメイン名を省略します。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-domain と入力してください。パスワードデータを省略した場合は、入力するように要求されます。
asadmin start-domain domain1 コマンドは、サーバーをインストールしたユーザーが実行するようにしてください。インストールユーザー以外が実行した場合、.asadmintruststore が、インストールユーザーのホームディレクトリから、実行ユーザーのホームディレクトリに移動またはコピーされます。
このファイルが、インストールユーザーのホームディレクトリから実行ユーザーのホームディレクトリに (コピーではなく) 移動された場合、アップグレードやインストールを行うユーザーのホームディレクトリに .asadmintruststore ファイルが存在しなくなってしまうため、アプリケーションのアップグレードが正常に実行できなくなる可能性があります。
ドメインの .asadmintruststore ファイルが削除されてしまった場合、新しいファイルを簡単に作成できます。
ローカルの asadmin start-domain コマンドを使用して、管理するドメインを起動します。
ローカルの asadmin コマンドでドメインを起動する場合、.asadmintruststore ファイルは必要ありません。
リモートの asadmin コマンドのいずれかを実行します。
リモートの asadmin コマンドでは、--user、--passwordfile (--password)、--host、および --port オプションを指定し、またターゲットドメインが実行中である必要があります。
確認画面で「y」と入力して、新しいドメイン証明書を受け入れます。
Windows の「スタート」メニューで、「プログラム」 - >「Sun Microsystems」 - >「Application Server」 - >「管理サーバーを起動」を選択します。
サーバーの再起動の手順はドメインの再起動と同じです。ドメインまたはサーバーを再起動するには、ドメインをいったん停止してから起動します。
ドメインを停止すると、そのドメインの管理サーバーとアプリケーションサーバーインスタンスがシャットダウンします。ドメインを停止すると、そのサーバーインスタンスは新しい接続を受け付けなくなり、未完了の接続がすべて完了するまで待機します。サーバーインスタンスはシャットダウンプロセスを完了しなければならないため、これには数秒間かかります。ドメインの停止処理中は、管理コンソールおよびほとんどの asadmin コマンドが使用できません。
ドメインを停止するには、asadmin stop-domain コマンドを入力し、ドメイン名を指定します。たとえば、デフォルトのドメイン (domain1) を停止するには、次のように入力します。
$ asadmin stop-domain domain1 |
ドメインが 1 つだけの場合は、ドメイン名を省略します。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-domain と入力してください。
ツリーコンポーネントで、スタンドアロンインスタンスノードの下にあるサーバー (管理サーバー) を選択します。
「一般情報」ページで、「インスタンスの停止」をクリックします。
「スタート」メニューで、「プログラム」 - >「Sun Microsystems」 - >「Application Server」 - >「管理サーバーを停止」を選択します。
ミラーリングを行うため、および、ドメイン管理サーバー (DAS) の有効なコピーを提供するためには、次のものを用意する必要があります。
元の DAS を含むマシン 1 台 (machine1)
アプリケーションを実行してクライアントの要求を満たすサーバーインスタンスを持つクラスタを含む 2 台目のマシン (machine2)。クラスタは、1 台目のマシンの DAS を使用して設定されます。
1 台目のマシンがクラッシュした場合に DAS を再作成する必要がある 3 台目のバックアップマシン (マシン 3)
1 台目のマシンの DAS のバックアップを維持する必要があります。asadmin backup-domain を使用して、現在のドメインをバックアップしてください。
ドメイン管理サーバーを 1 台目のマシン (machine1) から 3 台目のマシン (machine3) に移行するには、次の手順が必要です。
1 台目のマシンと同様に、Application Server を 3 台目のマシンにインストールします。
この処理は、DAS が 3 台目のマシンに正常に復元されて、パスの競合を発生させないために必要です。
コマンド行 (対話型) モードを使用して、Application Server 管理パッケージをインストールします。対話型のコマンド行モードを有効にするには、console オプションを次のように指定してインストールプログラムを起動します。
./bundle-filename -console |
コマンド行インタフェースを使用してインストールを行うには、ルートのアクセス権が必要です。
オプションの選択を解除して、デフォルトのドメインをインストールします。
バックアップされたドメインの復元は、同じアーキテクチャーおよびまったく同じインストールパスを持つ 2 台のマシンでのみサポートされます (すなわち両方のマシンが同じ install-dir と domain-root-dir を使用する)。
1 台目のマシンのバックアップ ZIP ファイルを、3 台目のマシンの domain-root-dir にコピーします。FTP でファイルを転送することもできます。
asadmin restore-domain コマンドを実行して、ZIP ファイルを 3 台目のマシンに復元します。
asadmin restore-domain --filename domain-root-dir/sjsas_backup_v00001.zip domain1 |
任意のドメインをバックアップできます。ただし、ドメインの再作成中は、ドメイン名が元のドメイン名と同一でなければなりません。
3 台目のマシンで domain-root-dir/domain1/generated/tmp ディレクトリのアクセス権を変更して、1 台目のマシンの同じディレクトリのアクセス権と一致させます。
このディレクトリのデフォルトのアクセス権は、?drwx------? (または 700) です。
次に例を示します。
chmod 700 domain-root-dir/domain1/generated/tmp
前述の例では、domain1 をバックアップすると仮定しています。ドメインを別の名前でバックアップする場合は、この domain1 をバックアップするドメインの名前に置き換えてください。
3 台目のマシンの domain.xml で、プロパティーのホスト値を変更します。
3 台目のマシンの domain-root-dir/domain1/config/domain.xml を更新します。
たとえば、machine1 を検索して、machine3 に置き換えるとします。その場合は、次のように変更します。
<jmx-connector><property name=client-hostname value=machine1/>...
変更後:
<jmx-connector><property name=client-hostname value=machine3/>...
次のように変更します。
<jms-service... host=machine1.../>
変更後:
<jms-service... host=machine3.../>
machine3 の復元されたドメインを起動します。
asadmin start-domain --user admin-user --password admin-password domain1 |
machine2 のノードエージェントのプロパティーで、DAS ホストの値を変更します。
machine2 の install-dir/nodeagents/nodeagent/agent/config/das.properties で、agent.das.host プロパティー値を変更します。
machine2 のノードエージェントを再起動します。
asadmin start-instance コマンドを使用してクラスタインスタンスを起動し、復元したドメインと同期させます。