Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 管理ガイド

トランザクションについて

トランザクションとは

トランザクションは、すべて正常に完了することが必要なアプリケーションで、周到に用意された一連のアクションです。正常に完了しない場合、各アクションで行われたすべての変更が取り消されます。たとえば、当座預金から普通預金に資金を移動するのは次の手順を実行するトランザクションになります。

  1. 当座預金口座にその移動をカバーするだけの金額があるかどうかを確認します。

  2. 当座預金に十分なお金が入っている場合は、当座預金の金額を借り方に記帳します。

  3. その金額を普通預金口座の貸し方に記帳します。

  4. その移動を当座預金口座ログに記録します。

  5. その移動を普通預金口座ログに記録します。

これらの手順のいずれが失敗すると、先行する手順によって行われた変更がすべて取り消されます。当座預金口座と普通預金口座はこのトランザクションが始まる前と同じ状態になる必要があります。このイベントは「ロールバック」と呼ばれます。すべての手順が正常に完了すると、トランザクションは「コミット」状態になります。 トランザクションはコミットかロールバックのどちらかで終了します。

J2EE テクノロジのトランザクション

J2EE テクノロジのトランザクション処理には、次の 5 つの関係要素が含まれます。

これらの各エンティティーは、次に説明する API や機能を実装することにより、信頼性のあるトランザクション処理を実現しています。