Instant Messaging は Sun Cluster エージェントを提供しますが、Veritas Cluster Service をサポートしていません。Instant Messaging マルチプレクサの配備を冗長化したり、Instant Messaging ウォッチドッグプロセスを活用したりすることで、より可用性の高い環境を実現できます。
Sun Cluster エージェントを使用して高可用性 (HA) を実現するために Instant Messaging を設定すると、ソフトウェアとハードウェアの障害の監視および復旧機能が提供されます。高可用性機能はスケーラブルサービスではなくフェイルオーバーデータサービスとして実装され、現時点では Solaris 上でのみサポートされています。
同じ SMTP サーバーを使用することで、1 つの HA 環境内に複数の Instant Messaging ノードを配置することができます。
Sun Cluster エージェントを使用して Instant Messaging の HA 環境を実装する前に、次のどの HA 配備がもっともニーズに適しているかを決定します。
混合 HA 環境: この配備はローカル設定とバイナリ、およびグローバル実行時ファイルから構成されます。この設定の利点は、Instant Messaging がオフラインであるノード上でアップグレードを行えることにより、最小限の停止時間で Instant Messaging をアップグレードできることです。欠点は、クラスタ内のすべてのノード上で Instant Messaging の設定とバージョンの統一を保証しなければならないことです。加えて、このオプションを選択する場合、グローバル実行時ファイル用に HAStoragePlus またはクラスタファイルシステムのどちらを使用するのかを決定する必要があります。
グローバル HA 環境: この配備はグローバル設定、バイナリ、および実行時ファイルから構成されます。この設定は管理が容易ですが、アップグレードの前に、クラスタ内のすべてのノード上で Instant Messaging を停止させる必要があります。
複数のマルチプレクサを含む Instant Messaging 配備では、あるマルチプレクサで障害が発生しても、それとは別の利用可能なマルチプレクサ経由で、Instant Messaging クライアントはバックエンドサーバーと通信できます。現時点では、複数のマルチプレクサが単一の Instant Messaging サーバーインスタンスと通信するようにしか設定できません。複数のマルチプレクサが複数の Instant Messaging インスタンスと通信するように設定することはできません。
Instant Messaging にはウォッチドッグプロセスが含まれています。このプロセスは Sun Cluster エージェントを監視し、サーバーのロックアップやクラッシュなど、何らかの理由により利用不可能になったサービスを再開します。ウォッチドッグプロセスを設定した場合、ある Instant Messaging コンポーネントの機能が停止すると、ウォッチドッグプロセスが、そのコンポーネントをシャットダウンしてから再起動します。