この章では、Sun JavaTM System Communications Express のパフォーマンスを向上させるために検討する必要のある情報について説明します。
パフォーマンスを向上させるには、次に示すチューニングオプションを検討します。
この節では、パフォーマンスを向上するために Directory Server で実行可能なチューニングについて説明します。
Calendar Server が LDAP Directory Server にアクセスするときの Communications Express のパフォーマンスを向上させるには、次に示す LDAP 属性のインデックスを作成します。
icsCalendar: カレンダユーザーまたはリソースのデフォルトカレンダを検索するために使用します。インデックスのタイプとして実在 (pres)、等価 (eq)、または 部分文字列 (sub) を指定します。
icsCalendarOwned: LDAP CLD プラグインが有効なときに登録操作を検索するために使用します。インデックスのタイプとして実在 (pres)、等価 (eq)、または 部分文字列 (sub) を指定します。
mail および mailAlternateAddress: この 2 つの属性は、ユーザーの基本および代替メールアドレスを指定します。
comm_dssetup.pl スクリプトによって、icsCalendar、icsCalendarOwned、mail、および mailAlternateAddress の各属性にインデックスが追加されます。
ユーザー/グループ LDAP Directory Server 設定の nsSizeLimit および nsLookthroughLimit パラメータは、検索を正常に完了させるだけの十分なサイズにすることが重要です。
これらのパラメータに適切な値が設定されていることを確認するには、次のコマンドを入力します。
ldapsearch -b /base/ (&(icscalendarowned=*/user/*)(objectclass=icsCalendarUser))
各表記の意味は次のとおりです。
/base/ は、Calendar Server のユーザーおよびリソースのデータがある Directory Server の LDAP ベース DNです。
/user/ は、エンドユーザーが Communications Express の「登録」オプションで、「カレンダの検索」ダイアログに入力できる値です。
nsSizeLimit または nsLookthroughLimit パラメータが十分なサイズでない場合、LDAP サーバーはエラーを返します。
次に示すガイドラインに従って、nsSizeLimit または nsLookthroughLimit パラメータを再設定します。
nsSizeLimit パラメータの値は、検索されたすべての結果が返されるのに十分なサイズである必要があります。不足する場合、一部の結果が欠落したり、検索結果全体が表示されなくなります。
nsLookthroughLimit パラメータのサイズが、LDAP ディレクトリ内のすべてのユーザーおよびリソースの検索を完了するだけの十分なサイズであることを確認します。可能であれば、nsLookthroughLimit は -1 に設定してください。この設定にすると、nsLookthroughLimit には検索の制限が設定されません。
この節では、Calendar Server 上の複数 CPU にわたるロードバランスによってパフォーマンスを向上させる方法を説明します。
サーバーに複数の CPU が搭載されている場合、デフォルトで Calendar Server は cshttpd プロセスなどの HTTP サービスと、csdwpd プロセスなどの分散データベースサービスを複数の CPU に分散させます。
ics.conf 内の service.http.numprocesses および service.dwp.numprocesses パラメータは、各サービスで実行するプロセスの実際の数を決定します。デフォルトで、これらのパラメータはインストール時にサーバーの CPU 数に設定されますが、管理者が再設定することも可能です。たとえば、サーバーに 8 CPU あり、cshttpd および csdwpd プロセスを 4 CPU だけで実行させる場合は、次のようにパラメータを設定します。
service.http.numprocesses="4"
service.dwp.numprocesses="4"
service.loadbalancing パラメータを ics.conf ファイルに追加します。
service.loadbalancing を「no」に設定します。
Calendar Server を再起動して、変更内容を有効にします。
ロードバランスについては、『Sun ONE Calendar Server 6.0 管理者ガイド』の付録 C「Calender Server のパフォーマンスの調整」を参照してください。
この節では、パフォーマンスを向上するために Web Server で実行可能なチューニングについて説明します。
server.xml で、<vs\> (仮想サーバー) 要素の属性 acceptorthreads の値を、Web Server をホストするマシンの CPU 数に変更します。
例
<VS id="https-siroe.com" connections="ls1" mime="mime1" aclids="acl1" urlhosts="<webserver host name"acceptorthreads="<noofcpus\>" \> |
Web Server の server.xml ファイルで、次に示す JVM オプションを追加または設定します。
次の 2 つのパラメータで、JVM のヒープサイズが決まります。
JVMOPTIONS-Xms(approx value according to the memory available)/JVMOPTIONS
JVMOPTIONS-Xmx(approx value according to the memory available)/JVMOPTIONS
最初のオプションは最大のヒープサイズを示し、2 番目のオプションは最小のヒープサイズを示します。
両方のオプションに同じ値を設定することをお勧めします。
次の JVM オプションを追加します。
JVMOPTIONS -server /JVMOPTIONS
JVMOPTIONS-XX:+UseParNewGC/ JVMOPTIONS
JVMOPTIONS-XX:ParallelGCThreads= number-of-CPUs/JVMOPTIONS
JVMOPTIONS-XX:+UseConcMarkSweepGC/ JVMOPTIONS
uwcconfig.properties ファイルで、uwc.gzip compression パラメータの値を「true」に設定して、サーバー応答を圧縮できるようにします。
たとえば、uwc.gzipcompression = true のようにします。
次に、Web Server を再起動します。
変更を加える前に構成ファイルのバックアップを作成します。
deployed-dir/WEB-INF ディレクトリにある web.xml ファイルを編集します。
この xml ファイルには、属性 session-timeout を含む xml タグ session-config が含まれています。
この属性によって、セッションタイムアウトが秒単位で定義されます。
session-timeout 属性の値を希望の値に変更します。
たとえば、次の指定によって session-timeout が 10 分に定義されます。
<session-config\> <session-timeout\>600</session-timeout\> </session-config\> |