Java ES 環境では、エンドユーザーに単一統合アイデンティティーが割り当てられています。この 単一アイデンティティーに基づいて、ポータル、Web ページなどの各種リソースへのアクセスや、メッセージング、カレンダ、インスタントメッセージングなどの各種サービスへのアクセスを、ユーザーに許可することができます。
この統合されたアイデンティティーおよびセキュリティー機能は、Directory Server、Access Manager、およびその他の Java ES コンポーネント間の緊密な連携動作に基づいています。
Java ES のサービスやリソースへのユーザーアクセスは、ユーザー固有の情報をユーザーリポジトリまたはディレクトリ内の単一のユーザーエントリ内に格納することで実現されます。このユーザー固有の情報には、一意の名前とパスワード、電子メールアドレス、組織内のロール、Web ページの設定などが含まれます。ユーザーエントリ内の情報を使用して、ユーザーを認証したり、特定リソースへのアクセスを承認したり、そのユーザーに各種のサービスを提供したりできます。
Java Enterprise System の場合、Directory Server が提供するディレクトリ内に、ユーザーエントリが格納されます。ユーザーが Java ES コンポーネントから提供されるサービスを要求すると、そのサービスでは Access Manager を使用してユーザーを認証し、特定リソースへのアクセスを承認します。要求されたサービスは、ユーザーのディレクトリエントリ内のユーザー固有の設定情報を確認します。サービスは、その情報を使用してユーザーが要求した作業を実行します。
次の図は、ユーザーの認証および承認を実行するため、またユーザーに対してサービスを提供するためのユーザーエントリへのアクセスを示しています。
このシステムによって可能になる機能の 1 つに、ユーザーが Web ベースですべての Java ES サービスにサインオンできる機能、つまり他のシステムサービスに対しても自動的に認証される機能があります。シングルサインオンとして知られるこの機能は、Java Enterprise System が提供する強力な機能のうちの 1 つです。