ライフサイクルの配備前フェーズでは、ビジネスに関するニーズの分析に基づいて配備シナリオを作成します。配備シナリオは、配備を設計するための仕様としての役割を果たします。
配備前の作業は、図 4–1 に示すように 3 つのフェーズに分けられます。
ビジネス分析: このフェーズでは、提示する配備作業のビジネス上の目的を定義し、その目的を達成するために満たす必要があるビジネス上の要件および制約を記述します。
技術要件: このフェーズでは、ビジネス分析の結果に基づいてユースケースを作成します。ユースケースは、作成予定のソフトウェアシステムとユーザーとの対話をモデル化したものです。これらのユースケースに予測される使用パターンも決定します。ビジネス分析と使用分析の両方に基づいて、提案する配備が満たす必要のあるサービス品質要件 (表 2–2 を参照) を定式化します。
論理設計: このフェーズでは、技術要件のフェーズで開発したユースケースを分析して、エンドユーザーにサービスを提供するために必要な Java ES インフラストラクチャーコンポーネントおよびカスタム開発されたアプリケーションコンポーネントを特定します。第 2 章「Java Enterprise System ソリューションアーキテクチャー」で説明した概念に基づいて、論理アーキテクチャーを設計します。論理アーキテクチャーは、特定のソフトウェアソリューションのユースケースを実現するために必要なすべてのコンポーネント、およびコンポーネント間のすべての対話を示します。
次の図に示すように、論理アーキテクチャーは、パフォーマンス、可用性、セキュリティー、およびその他のサービス品質要件と組み合わされて、配備シナリオにカプセル化されます。ライフサイクルの配備前のフェーズの詳細については、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 配備計画ガイド』を参照してください。