Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

メッセージストアの制限容量を設定する

この節では、次のタスクについて説明します。

Procedureデフォルトのユーザー制限容量を指定するには

個別の制限容量が設定されていないユーザーに適用するデフォルトの制限容量を設定するには、コンソールまたはコマンド行を使用します。

手順
  1. 「設定」タブをクリックして、左のペインの「メッセージストア」を選択します。

  2. 「制限容量」タブをクリックします。

  3. デフォルトのユーザーディスク制限容量を指定するには、「デフォルトのユーザーディスク制限容量」フィールドで次のオプションのどちらかを選択します。

    無制限: このオプションは、デフォルトのディスク制限容量を設定しない場合に選択します。

    サイズ制限: このオプションは、デフォルトのユーザーディスク制限容量を特定のサイズに制限する場合に選択します。ボタンの横のフィールドに数字を入力し、ドロップダウンリストから「K バイト」または「M バイト」を選択します。

  4. メッセージ数の制限を指定する場合は、「デフォルトのユーザーメッセージ制限容量」ボックスに数字を入力します。

  5. 「保存」をクリックします。

  6. デフォルトのメッセージストアの制限容量を使用する場合は、ユーザーエントリで、「M バイト」属性を -1 に設定します。

    コマンド行

    コマンド行でデフォルトのユーザー制限を指定するには、以下の手順に従います。

    メッセージの合計サイズについてのデフォルトのユーザーディスク制限容量を指定する場合は、以下のようになります。

    configutil -o store.defaultmailboxquota -v [ -1 | number ]

    ここで -1 は制限がないことを示し、number はバイト数を示します。

    メッセージの合計数についてのデフォルトのユーザー制限を指定する場合、以下のようになります。

    configutil -o store.defaultmessagequota -v [ -1 | number ]

    ここで -1 は制限がないことを示し、number はメッセージ数を示します。

    デフォルトのメッセージストアの制限容量を使用する場合は、ユーザーエントリで、mailQuota 属性を -2 に設定します。詳細については、表 18–6 を参照してください。

個々のユーザー制限容量を指定するには

各ユーザーには、制限容量を個別に設定できます。ユーザー固有の制限容量を設定するには、ユーザーの LDAP エントリで mailQuota または mailmsgquota 属性を設定します。(表 18–6 を参照。) 制限容量を適用するには、configutil store.quotaenforcementon に設定します。

ドメイン制限容量を指定するには

ディスク容量の制限容量またはメッセージの制限容量は、特定のドメインに対して設定できます。これらの制限容量は、特定のドメイン内のすべてのユーザーの、累積されたバイトまたはメッセージすべてに対するものです。ドメインの制限容量を設定するには、ユーザーの LDAP エントリで mailDomainDiskQuota または mailDomainMsgQuota 属性を設定し (表 18–6 を参照)、imquotacheck -f を実行します。

制限容量の通知を配備するには

制限容量の通知とは、制限容量に近づいたときにユーザーに警告メッセージを送信する処理のことです。この機能を使用するには、3 つの手順が必要です。

Procedure制限容量の通知を有効にするには

制限容量の通知を有効にするには、コンソールまたはコマンド行を使用します。

手順
  1. 「制限容量」タブをクリックします。

  2. 「容量制限有効化の通知」ボックスにチェックマークを付けます。制限容量の通知を無効にするには、このボックスのチェックマークを外します。

  3. 制限容量の警告メッセージを定義します。詳細については、「制限容量の警告メッセージを定義するには」を参照してください。

  4. 「保存」をクリックします。

    コマンド行

    コマンド行で制限容量の通知を有効または無効にするには、以下のようにします。

    configutil -o store.quotanotification -v [ yes | no ]

    メッセージに何も設定されなかった場合、ユーザーには制限容量の警告メッセージは送信されません。制限容量の警告メッセージの形式については、次の節を参照してください。

Procedure制限容量の警告メッセージを定義するには

ディスク制限容量を超えそうなユーザーに送信するメッセージは、以下の手順で定義します。メッセージはユーザーのメールボックスに送られます。

手順
  1. 「制限容量」タブをクリックします。

  2. ドロップダウンリストから使用言語を選択します。

  3. ドロップダウンリストの下にあるメッセージテキストのフィールドに、送信するメッセージ内容を入力します。

  4. 「保存」をクリックします。

    コマンド行

    コマンド行で制限容量の警告メッセージを定義する場合は、以下のようになります。

    configutil -o store.quotaexceededmsg -v ’message

    メッセージは RFC 822 形式でなければなりません。メッセージには少なくとも件名行を含むヘッダーがあり、$$、メッセージ本文がそのあとに続いている必要があります。$ は、新しい行を表します。使用しているシェルによっては、$ の前に \ を追加して、$ が持つ特殊な意味をエスケープする必要があることもあります (ほとんどの場合、$ はシェルのエスケープ文字)。次に例を示します。

    configutil -o store.quotaexceededmsg -v ”Subject: WARNING: User quota exceeded$$User quota threshold exceeded - reduce space used.’

    さらに、次の変数がサポートされます。

    [ID] - ユーザー ID

    [DISKUSAGE] - ディスク使用量

    [NUMMSG] - メッセージの数

    [PERCENT] - store.quotawarn パーセンテージ

    [QUOTA] - mailquota 属性

    [MSGQUOTA] - mailmsgquota 属性

    次にこれらの変数の使用例を示します。

    configutil -o store.quotaexceededmsg -v ”Subject: Overquota Warning$$[ID],$$Your mailbox size has exceeded [PERCENT] of its alloted quota.$Disk Usage: [DISKUSAGE]$Number of Messages: [NUMMSG]$Mailquota: [QUOTA]$Message Quota: [MSGQUOTA]$$-Postmaster’

    警告メッセージの送信頻度を定義する場合は、以下のようになります。

    configutil -o store.quotaexceededmsginterval -v number

    この number は日数を示しています。たとえば、3 が入っていれば 3 日ごとにメッセージが送信されます。

Procedure制限容量のしきい値を指定するには

制限容量のしきい値は、クライアントに警告が送信されるときの、制限容量を超えた割合です。ユーザーのディスク使用量が指定したしきい値を超えたら、サーバーからユーザーに警告メッセージが送信されます。


注 –

local.store.quotaoverdraft=on の場合、store.quotawarn で設定されたしきい値に関係なく、ユーザーのディスク使用量が制限容量の 100% を超えるまで電子メール通知はトリガされません。


クライアントが IMAP ALERT 機能をサポートしている IMAP ユーザーの場合は、ユーザーがメールボックスを選択するたびに画面にメッセージが表示され、メッセージは IMAP ログにも書き込まれます。

手順
  1. 「制限容量」タブをクリックします。

  2. 「制限容量の警告のしきい値」フィールドに警告しきい値の数字を入力します。

    この数字は許可された制限容量のパーセンテージを表しています。たとえば 90% を選択した場合、ユーザーは許可された制限容量の 90% を使用したところで警告を受けることになります。デフォルトは 90% です。この機能をオフにするには 100% と入力します。

  3. 「保存」をクリックします。

    コマンド行

    コマンド行で制限容量のしきい値を指定する場合は、以下のようになります。

    configutil -o store.quotawarn -v number

    この number は許可された制限容量のパーセンテージを示しています。

制限容量の適用を有効または無効にするには

デフォルトでは、制限容量を超えてもユーザーまたはドメインには何の影響もなく、制限容量超過の通知が設定されている場合に通知を受信するだけです。制限容量を適用すると、ディスク容量が制限容量レベルを下回るまで、それ以上メッセージを受信しないようメールボックスをロックします。

Procedure制限容量の適用を有効にするには

制限容量の適用を有効にするには、コンソールまたはコマンド行を使用します。

手順
  1. 「制限容量」タブをクリックします。

  2. 「容量制限実施の有効化」ボックスにチェックマークを付けます。制限容量の適用を無効にする場合はこのボックスのチェックマークを外します。

  3. 「保存」をクリックします。

    コマンド行

    制限容量の適用を有効または無効にするには、以下のようにします。


    configutil -o store.quotaenforcement -v [ on | off]

    制限容量を超過すると、メッセージは MTA キューに保存され、メッセージが配信されなかったが、あとで再配信が試行されることを示す通知が差出人へ送信されます。配信の再試行は、猶予期間の期限が切れて、すべてのメッセージが差出人に戻されるまで、またはディスク使用量が制限容量を下回り、メッセージを MTA キューから取り出してメッセージストアに配信できるようになるまで続行されます。制限容量を超えた場合に、メッセージをキューに入れる前にメッセージを返す場合は、次のコマンド行を使用します。


    configutil -o store.overquotastatus -v on

制限容量の適用をドメインレベルで有効にする

特定のドメインの制限容量を適用するには、次のコマンドを使用します。

imquotacheck -f -d domain

すべてのドメインについて有効にするには、-d オプションを除外します。ドメインがその制限容量を超過すると、maildomainstatus 属性が overquota に設定され、このドメインへの全配信が停止します。ドメインが overquota でない場合、値は active に設定されます。

制限容量の適用を無効にする

ユーザーの制限容量が適用されているようである場合は、制限容量を無効にした場合でも、次のパラメータを確認してください。

次の configutil パラメータは、オフにするか設定しないようにする必要があります。

store.overquotastatuson の場合、常に store.quotaoverdrafton であるとみなし、そうでない場合はユーザーは制限容量を超過して拒否を引き起こすことはありません。また、store.quotaoverdrafton の場合、ユーザーは制限容量よりも小さいメッセージを 1 つだけ許可されます。すなわち、ユーザーの制限容量よりも大きいメッセージは受け入れません。

これらのパラメータを変更したあとは、必ずメッセージングサービスを再起動してください。

次のメッセージストア属性はアクティブにする必要があります。

メッセージがメールボックスの制限容量よりも大きい場合は、制限容量の適用設定とは無関係にバウンスされます。

猶予期間を設定するには

猶予期間は、メッセージを差出人にバウンスするまでメールボックスが制限容量 (ディスク容量やメッセージの数) を超えた状態でいられる期間を指定するものです。MTA がメッセージを受け取っても、メッセージは MTA キューに残り、次のいずれかの状況が発生するまでメッセージストアには配信されません。

たとえば、猶予期間が 2 日間に設定されているときに 1 日分の制限容量を超えた場合、新しいメッセージは引き続き受信され、メッセージキュー内に保持され、配信試行は続行します。2 日目を過ぎると、メッセージは差出人に戻されます。


注 –

猶予期間とは、メッセージがメッセージキュー内に保持される期間ではなく、メッセージキュー内に含まれているすべての着信メッセージがバウンスされるまでに、メールボックスが制限容量を超えた状態でいられる期間です。猶予期間は、ユーザーが制限容量のしきい値に達し、警告を受けたときに開始します。「制限容量のしきい値を指定するには」を参照し、注意してください。


Procedureメッセージをキューに保持する猶予期間を設定するには

手順
  1. 「制限容量」タブをクリックします。

  2. 「制限容量超過時の猶予期間」フィールドに数字を入力します。

  3. ドロップダウンリストで「」または「時間」を指定します。

  4. 「保存」をクリックします。

    コマンド行

    コマンド行で制限容量の猶予期間を指定する場合は、以下のようになります。

    configutil -o store.quotagraceperiod -v number

    この number は時間数を示しています。

Netscape Messaging Server の制限容量の互換性モード

Netscape Messaging Server のディスク使用量が制限容量を超過すると、サーバーはメッセージの配信を延期またはバウンスし、制限容量超過通知を送信して、猶予期間を開始します。Messaging Server には、この動作を保持するパラメータ local.store.quotaoverdraft があります。

ON に設定すると、メッセージはディスクの使用量が制限容量を超過するまで配信されます。超過時には、メッセージが延期され (メッセージは MTA メッセージキューに保持されるが、メッセージストアに配信されない)、制限容量超過警告メッセージがユーザーに送信されて、猶予期間が開始されます。猶予期間は、制限容量超過メッセージがバウンスされるまで、メールボックスが制限容量超過である期間を決定します。デフォルトでは、メッセージストアがしきい値に達したときに、制限容量の警告メッセージが送信されます。このパラメータのデフォルトは、Off です。