Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

一般的な問題と解決策

この節では、以下のようなメッセージストアの一般的な問題と解決策の一覧を示します。

Messenger Express または Communications Express がメールページを読み込まない

ユーザーが Messenger Express ページまたは Communications Express メールページを読み込めない場合は、圧縮後にデータが破損している可能性があります。これは、古いプロキシサーバーがシステムに配備されている場合に発生することがあります。この問題を解決するには、local.service.http.gzip.static および local.service.http.gzip.dynamic0 に設定して、データ圧縮を無効にしてください。これで問題が解決したら、プロキシサーバーを更新することができます。

ワイルドカードパターンを使用したコマンドが機能しない

UNIX シェルには、ワイルドカードパターンを引用符で囲む必要があるものとその必要のないものがあります。たとえば、C シェルはワイルドカード (*、?) を含む引数をファイルとして展開しようとするため、一致するものがない場合は失敗します。これらのパターンマッチング引数は、mboxutil のようなコマンドに渡すためには引用符で囲む必要があります。

次に例を示します。

mboxutil -l -p user/usr44*

これは Bourne シェルで機能しますが、tsch や C シェルでは失敗します。これらのシェルには次のコマンドが必要です。

mboxutil -l -p "user/usr44*"

ワイルドカードパターンを使用したコマンドが機能しない場合は、そのシェルではワイルドカードを引用符で囲む必要があるかどうかを確認してください。

不明または無効なパーティション

ユーザーのメールボックスが作成したばかりの新しいパーティションに移動され、Messaging Server が更新または再起動されていない場合、Messenger Express で「パーティションが不明または無効です」というメッセージが表示されることがあります。この問題は新しいパーティションでのみ発生します。この新しいパーティションにユーザーメールボックスを新しく追加する場合、Messaging Server の更新または再起動を行う必要はありません。

ユーザーメールボックスディレクトリに関する問題

ユーザーメールボックスに関する問題が発生するのは、メッセージストアの損傷が少数のユーザーに限られていて、システム全体に対する損傷がないときです。ユーザーメールボックスのディレクトリに関する問題を識別、分析、および解決する際は、次のガイドラインを参考にしてください。

  1. ログファイル、エラーメッセージ、またはユーザーが見た異常な動作を確認します。

  2. デバッグ情報と履歴を保存しておくには、store_root/mboxlist/ ユーザーディレクトリ全体を、メッセージストア外部の別の場所にコピーします。

  3. 問題の原因になっている可能性のあるユーザーフォルダを見つけるには、reconstruct -r -n コマンドを実行します。reconstruct を使用しても問題のあるフォルダが見つからない場合は、該当のフォルダが folder.db 内にない可能性があります。

    reconstruct -r -n コマンドを使用してもフォルダが見つからない場合は、hashdir コマンドを使用して場所を確認します。hashdir の詳細については、「hashdir ユーティリティー」および、『Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 Administration Reference』の Messaging Server コマンド行ユーティリティーの章の hashdir ユーティリティーを参照してください。

  4. ファイルが見つかったら、ファイルを調べ、権限をチェックし、適切なファイルのサイズを確認します。

  5. reconstruct -r (-n オプションは付けない) を使用して、メールボックスを再構築します。

  6. reconstruct で問題が検出されない場合は、reconstruct -r -f コマンドを使用して、メールフォルダを強制的に再構築することができます。

  7. フォルダが mboxlist ディレクトリ (store_root/mboxlist) 内にはなく、partition ディレクトリ (store_root/partition) にある場合は、全体的な矛盾がある可能性があります。この場合は、reconstruct -m コマンドを実行する必要があります。

  8. 上記の手順が機能しない場合は、store.idx ファイルを削除してから、再度 reconstruct コマンドを実行してください。


    注意 – 注意 –

    問題のあるファイルが reconstruct では見つからないファイルであることがわかっている場合は、store.idx ファイルだけを削除してください。


  9. 原因が問題を起こすメッセージに限られている場合は、メッセージファイルをメッセージストアの外側の別の場所にコピーしてから、mailbox/ ディレクトリ上で reconstruct -r コマンドを実行する必要があります。

  10. フォルダがディスク (store_root/partition/ ディレクトリ) 上にあっても、明らかにデータベース (store_root/mboxlist/ ディレクトリ) 内にはないことがわかった場合は、reconstruct -m コマンドを実行してメッセージストアの整合性をチェックします。

reconstruct コマンドの詳細については、「メールボックスとメールボックスデータベースの修復」を参照してください。

store デーモンが起動しない

stored が起動せずに次のエラーメッセージが表示される場合があります。


# msg_svr_base/sbin/start-msg

msg_svr_base: Starting STORE daemon ...Fatal error: Cannot
find group in name service

上記のメッセージは、local.servergid に設定された UNIX グループが見つからないことを示しています。Stored などは、gid をグループに設定する必要があります。local.servergid によって定義されたグループが誤って削除されることがあります。この場合は、削除されたグループを作成し、inetuser をグループに追加し、instance_root の所有権とそのファイルを inetuser とグループに変更します。