Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

$V メタキャラクタ

メタキャラクタの展開は、URL 検索より先に実行されます。ALIAS_URL0 値に使用されている 2 つのメタキャラクタは $V$R です。

$V メタキャラクタは、アドレスのドメイン部分をベース DN に変換します。これは、前出の 「書き換えルールの機能」で説明されている、$V 書き換えルールメタキャラクタによって実行される最初の処理と似ています。$V 処理では、次の手順が実行されます。

  1. 現在のドメインのユーザーエントリのベース DN を取得します。

  2. 現在のドメインに関連付けられている標準ドメインを取得します。Sun LDAP Schema 1 では、ドメインエントリの inetCanonicalDomainName 属性が存在する場合、この属性で標準ドメイン名が指定されています。この属性がない場合、標準ドメイン名は実際のドメインエントリの DN から率直な方法で構築された名前になります。この名前は、実際のドメインがエイリアスである場合、実際のドメインとは異なります。標準ドメイン名を保存するために使用される名前属性は、option.dat ファイルの LDAP_DOMAIN_ATTR_CANONICAL MTA オプションで無効にできます。

    Sun LDAP Schema 2 では、標準名は SunPreferredDomain 属性の値です。

  3. ベース DN が存在する場合は、URL でベース DN が $V と置き換えられます。

  4. この時点で、このエントリの適用可能なすべてのホストしているドメインが判別されます。これは、標準ドメイン (DOMAIN_UPLEVEL のビット 2 (値 = 4) が設定解除されている場合) または現在のドメイン (DOMAIN_UPLEVEL のビット 2 (値 = 4) が設定されている場合) のいずれかを service.defaultdomain configutil パラメータと比較することによって実行されます。一致しない場合、エントリはホストしているドメインのメンバーです。service.defaultdomain configutil パラメータは、option.dat ファイルにある LDAP_DEFAULT_DOMAIN MTA オプションを設定することで無効にできます。

  5. ベース DN の判別が失敗した場合、ドメインの左側の構成要素が削除され、手順 1 に戻ります。構成要素が残っていない場合、置換は失敗します。

$V は、オプションの数値引数も受け入れます。1 に設定されている場合 (たとえば、$1V)、ドメインツリーのドメイン解決が失敗したことは無視され、local.ugldapbasedn configutil オプションで指定されたユーザーツリーのベースが返されます。

ドメインのベース DN の取得に成功すると、MTA はあとで必要になるいくつかのドメイン属性も取得します。取得される属性の名前は、option.dat ファイルにある次の MTA オプションで設定します。