Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

動作 2: 書き換えルールを検索する

アドレスから最初のホストまたはドメイン仕様が抽出されると、MTA は書き換えルールを調べてその仕様の処理方法を明らかにします。ホストまたはドメイン仕様は、各ルールのパターン部分 (各ルールの左側) と比較されます。その場合、大文字と小文字の区別はありません。大文字と小文字の区別がないことは、RFC 822 で定められています。MTA では、特に大文字と小文字を区別しませんが、可能な限り元の状態が維持されます。

ホストまたはドメイン仕様がどのパターンにも一致しない場合は、ホストまたはドメイン仕様の最初の部分 (最初のドット文字より前の部分、通常はホスト名) がアスタリスク (*) に置き換えられ、その新しいホストまたはドメイン仕様が検索されます。ただし、その場合、検索対象となるのは設定ファイル内の書き換えルールだけで、ドメインデータベースは調べられません。

この試行が失敗に終わると、最初の部分が削除され、プロセスが繰り返されます。この試行も失敗に終わると、次の部分 (通常はサブドメイン) が削除され、再び検索が行われます。最初にアスタリスクを含めて検索が行われ、その後アスタリスクを含めずに検索が行われます。アスタリスクを含んだ検索が行われるのは設定ファイル内の書き換えルールテーブルだけで、ドメインデータベースは調べられません。このプロセスは、一致するルールが見つかるか、ホストまたはドメイン仕様全体がなくなるまで続けられます。このようなプロセスを使用することにより、指定した内容にもっとも近いドメインから始めて、徐々に広範なドメインを検索することができます。

このマッチングプロセスのアルゴリズムを、次に示します。

たとえば、アドレス dan@sc.cs.siroe.edu を書き換えるとします。これにより MTA は、指定した順に次のパターンを検索します。


sc.cs.siroe.edu
*.cs.siroe.edu
.cs.siroe.edu
*.*.siroe.edu
.siroe.edu
*.*.*.edu
.edu
*.*.*.*
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