Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

サービスログの特性について

ここでは、メッセージストアと管理サービスに関するログの特徴 (ログレベル、ログイベントのカテゴリ、ログファイル名の命名ルール、ログファイルのディレクトリ) について説明します。

ログレベル

ログのレベル (優先順位) は、ログのアクティビティーの詳細度を定義します。優先順位レベルが高いほど、詳細度は低くなります。優先順位 (重要度) の高いイベントだけがログに記録されるためです。レベルを下げると、ログは詳細なものとなり、より多くのイベントがログファイルに記録されます。

ログレベルは、 logfile.service.loglevel 設定パラメータを設定することによって、POP、IMAP、HTTP、管理、およびデフォルトのサービスごとに個別に設定できます (「サービスログオプションを定義、設定する」を参照)。また、ログレベルを使用して、ログイベントを検索するときにフィルタリングすることもできます。表 21–4 に、利用可能なレベルを示します。これらのログレベルは、UNIX の syslog 機構で定義されるログレベルのサブセットです。

表 21–4 メッセージストアと管理サービスのログレベル

レベル 

説明 

Critical 

もっとも詳細度の低いログです。メールボックスや実行に必要なライブラリにサーバーがアクセスできない場合など、サーバーに重大な問題や致命的な状態が発生したときに、イベントがログに記録されます。 

Error 

クライアントまたはほかのサーバーへの接続試行に失敗した場合など、エラー状態が発生したときに、イベントがログに記録されます。 

Warning 

サーバーがクライアントから送られた通信を解釈できない場合など、警告状態が発生したときに、イベントがログに記録されます。 

Notice 

ユーザーがログインに失敗したり、セッションが終了したりした場合など、通知 (正常だが重要な状況) が発生したときに、イベントがログに記録されます。これがデフォルトのログレベルです。 

Information 

ユーザーがログオンやログオフを行なったり、メールボックスを作成したり名前を変更した場合など、重要なアクションが行われたときに、イベントがログに記録されます。 

Debug 

もっとも詳細度の高いログです。デバッグを行う場合にのみ役立ちます。各プロセスまたはタスク内の個々のステップごとにイベントがログに記録されるため、問題の箇所を正確に突き止めることができます。 

特定のログレベルを選択すると、そのレベルのイベントとそれ以上のレベル (詳細度の低い) のイベントがログに記録されます。デフォルトのログレベルは、Notice です。


注 –

より詳細なログを指定するほど、ログファイルがより多くのディスク容量を占有することになります。ガイドラインについては、「サービスログオプションを定義、設定する」を参照してください。


ログイベントのカテゴリ

サポートされているサービスまたはプロトコル内で、Messaging Server は、どの機能領域で発生したかに基づいて、ログイベントをより細かくカテゴリに分類します。各ログイベントには、それを生成した機能領域の名前が含まれています。これらのカテゴリは、イベントを検索する際のフィルタリングに使用できます。表 21–5 に、Messaging Server がログのために認識するカテゴリのリストを示します。

表 21–5 ログイベントの発生場所のカテゴリ

機能領域 

説明 

一般 

プロトコルまたはサービスに関連するアクション全般です 

LDAP 

LDAP ディレクトリデータベースにアクセスする Messaging Server に関連するアクションです 

Network 

ネットワークの接続に関連するアクションです (ソケットエラーはこのカテゴリに分類される) 

Account 

ユーザーアカウントに関連するアクションです (ユーザーログインはこのカテゴリに分類される) 

Protocol 

プロトコル固有のコマンドに関連するプロトコルレベルのアクションです (POP、IMAP、または HTTP 機能によって返されるエラーはこのカテゴリに分類される) 

Stats 

サーバーの統計収集に関連するアクションです 

Store 

メッセージストアへのアクセスに関連する低レベルのアクションです (読み取りまたは書き込みエラーはこのカテゴリに分類される) 

ログ検索でカテゴリをフィルタとして使用する場合の例については、「サービスログを検索、表示する」を参照してください。

サービスログファイルのディレクトリ

ログ記録される各サービスごとに、1 つのディレクトリが割り当てられ、ログファイルはそこに保存されます。IMAP ログファイルや POP ログファイルなどの各サービスのログファイルは、それぞれのディレクトリ内に一緒に保存されます。各ディレクトリの場所、そのディレクトリ内に保存できるログファイルの数、およびファイルのサイズを設定することができます。

すべてのログファイルを保存するのに十分な容量があることを確認してください。ログレベルが低い (詳細度が高い) ほど、ログファイルのサイズは大きくなります。

ログレベル、ログローテーション、ログの有効期間、およびサーバーのバックアップポリシーを正しく定義することが重要です。ログファイルディレクトリのすべてがバックアップされ、また、過負荷にならないようにするためです。これらを正しく定義しないと、情報を失ってしまうことがあります。「サービスログオプションを定義、設定する」を参照してください。