Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

サービスログオプションを定義、設定する

メッセージストアおよび管理サービスのログ設定は、管理者のニーズに合わせて定義することができます。ここでは、最適な設定とポリシーを決定するために役立つ情報と、それらの適用方法を説明します。

柔軟なログ構造

ログファイルのネーミングの形式 (service.sequenceNum.timeStamp) により、柔軟なログローテーションとバックアップポリシーを設計することができます。イベントはサービスごとに別のファイルに記録されるため、問題をすばやく簡単に切り分けることができます。また、ファイル名の中のシーケンス番号は常に増え続け、タイムスタンプは常に一意であるため、指定したシーケンス番号の限界に達しても、新しいログファイルが古いログファイルを単純に上書きしてしまうことはありません。古いログファイルの上書きや削除が行われるのは、ログファイルの保存期間や最大数、合計ログ容量など、より柔軟性のある制限がその限界に達したときだけです。

Messaging Server では、管理やバックアップを簡素化できるように、ログファイルの自動ローテーションがサポートされています。後続のログイベントを記録するために、手動で現在のログファイルを回収して新しいログファイルを作成する必要はありません。現在のログファイル以外、ディレクトリ内にあるものはすべて、サーバーを停止したり、新しいログファイルの作成をサーバーに手動で指定しなくても、いつでもバックアップすることができます。

ログポリシーを設定する際に、合計ログ容量、ログファイルの最大数、個々のファイルサイズ、ファイルの最長保存期間、およびログファイルローテーションの頻度といったオプションを、サービスごとに設定することができます。

適切なオプションを決定する

複数の制限を設定する必要があることと、それらの中にはログファイルのローテーションや削除を引き起こすものがあることを理解しておいてください。最初に限界に達する制限が、制御の中心となります。たとえば、ログファイルの最大サイズを 3.5M バイトに設定し、毎日新しいログを作成するように設定したとします。この場合、24 時間以内に 3.5M バイト以上のデータが記録されると、1 日に複数のログファイルが作成されることになります。このため、ログファイルの最大数が 10 個、最長保存期間が 8 日に設定されている場合でも、ログのローテーションが早いため、8 日間経過する前に 10 個のファイルが作成され、最長保存期間まで達することはありません。

次は Messaging Server の管理ログに備えられているデフォルト値であり、適切なオプションを決定する際に役立ちます。

ディレクトリ内のログファイルの最大数: 10

ログファイルの最大サイズ: 2M バイト

全ログファイルの合計最大サイズ: 20M バイト

最小空きディスク容量: 5M バイト

ログロールオーバー時間: 1 日

最長有効期間: 7 日

ログのレベル: Notice

この設定の場合、サーバー管理ログのデータは 1 日当たり約 2M バイト蓄積され、バックアップは週 1 回作成され、管理ログの保存に割り当てられている合計容量は最低 25M バイトです。ログレベルがより詳細な場合、これらの設定では不十分なことがあります。

POP、IMAP、または HTTP のログの場合も、同様の設定から始めるとよいでしょう。すべてのサービスのログ容量要件が上記のデフォルト値とほとんど同じである場合、最初は約 150M バイトの合計ログ容量を設定することをお勧めします。ここに示した設定はあくまでも一般例であり、実際の条件はこれとかなり異なる場合があります。

ログオプションについて

メッセージストアのログ設定を制御するオプションは、コンソールまたはコマンド行を使用して設定することができます。

これらのオプションの最適な設定は、ログデータの累積される頻度によって異なります。1M バイトの保存領域には、約 4,000 〜 10,000 件のログエントリを記録できます。適度にビジー状態のサーバーでは、ログレベルが低い場合 (Notice など)、週に何百 M バイトものログデータが記録されることもあります。以下の設定を参考にしてください。