次の各項では、Delegated Administrator のパフォーマンスを向上させるための Delegated Administrator と関連ソフトウェアの調整方法を説明します。
この付録で説明するガイドラインに加えて、ディレクトリの中で ACI の統合とデフォルト ACI 数の削減を行うことで、Directory Server のパフォーマンスを向上させることができます。詳細については、付録 E 「Directory Server パフォーマンスのための ACI 統合」を参照してください。
組織に多数のユーザーが含まれる場合、Delegated Administrator コンソールの「ユーザー」リストページの表示に時間がかかることがあります。このページで既存のユーザーを読み込み中にユーザーの作成や編集を行おうとすると、エラーが発生します。ページが完全に表示されるまで、いずれのボタンやリンクもクリックしないでください。
同様に、ディレクトリに多数の組織やグループが含まれる場合も、「組織」ページや「グループ」ページの表示に時間がかかることがあります。
これらのページで読み込みに時間がかかる場合、ワイルドカード検索のプロパティーを十分小さい値に設定することで、ページの読み込み速度を向上させることができます。
ユーザーの検索プロパティー。
グループの検索プロパティー。
組織の検索プロパティー。
ワイルドカード検索プロパティーには次の制限があります。
すべての結果を返します。(すべてのユーザー、グループ、組織を表示。) -1 はデフォルト値です。
検索を行いません。(ユーザー、グループ、組織を非表示。)
n 個の結果 (指定された数の結果) を返します。
resource.properties ファイルを開きます。
resource.properties ファイルは、次のディレクトリにあります。
da_base/data/WEB-INF/classes/sun/comm/cli/ server/servlet/resource.properties |
jdapi-wildusersearchmaxresults を低い値に設定します。次に例を示します。
jdapi-wildusersearchmaxresults=50
または、値を 0 に設定してユーザーを非表示にします。Delegated Administrator コンソールで、「検索」ドロップダウンリストを使用して、指定されたユーザーを検索します。
resource.properties ファイルを開きます。
resource.properties ファイルは、次のディレクトリにあります。
da_base/data/WEB-INF/classes/sun/comm/cli/ server/servlet/resource.properties |
jdapi-groupsmaxsearchresults を低い値に設定します。次に例を示します。
jdapi-groupsmaxsearchresults=50
または、値を 0 に設定してグループを非表示にします。Delegated Administrator コンソールで、「検索」ドロップダウンリストを使用して、指定されたグループを検索します。
resource.properties ファイルを開きます。
resource.properties ファイルは、次のディレクトリにあります。
da_base/data/WEB-INF/classes/sun/comm/cli/ server/servlet/resource.properties |
jdapi-wildorgsearchmaxresults を小さい値に設定します。次に例を示します。
jdapi-wildusersearchmaxresults=10
または、値を 0 に設定して組織を非表示にします。Delegated Administrator コンソールで、「検索」ドロップダウンリストを使用して、指定された組織を検索します。
ページの表示や検索の実行など、Delegated Administrator の一般的な機能のパフォーマンスを向上させるには、Delegated Administrator を配備した Web コンテナが使用する Java 仮想マシン (JVM) のヒープサイズを増加します。Web コンテナの JVM ヒープサイズが小さすぎると、パフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。
JVM ヒープサイズは、次の JVM オプションで設定されます。
-Xmx<n>m |
<n> はメガバイト単位のヒープサイズです。
通常、<n> は 256m に設定されます。
次の作業は、Web Server と Application Server の JVM ヒープサイズを増加する方法の概要を示します。
Web Server 管理サーバーにログインします。
「Java」タブの下で、「JVM Options」を選択します。
-Xmx256m オプションを編集します。
このオプションによって JVM ヒープサイズが設定されます。
-Xmx256m オプションの値を大きくします ( Xmx1024m など)。
新しい設定を保存します。
Web Server 管理サーバーの使用方法と JVM オプションの設定方法については、『Sun Java System Web Server Administration Guide』および『 Web Server Performance Tuning, Sizing, and Scaling Guide』を参照してください。
Application Server 管理サーバーにログインします。
JVM オプションを表示します。
-Xmx256m オプションを編集します。
このオプションによって JVM ヒープサイズが設定されます。
-Xmx256m オプションの値を大きくします ( Xmx1024m など)。
新しい設定を保存します。
Application Server 管理サーバーの詳細と JVM オプションの設定方法については、『Sun Java System Application Server Documentation Center』の「JVM Advanced Settings」を選択してください。または、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q4 Performance Tuning Guide』の「Tuning the Java Runtime System」を参照してください。
ユーザーの検索や表示などの Delegated Administrator 機能のパフォーマンスを向上するには、ディレクトリの検索時に Directory Server が使用するインデックスのしきい値を大きくします。
Directory Server が大量の LDAP オブジェクトを検索するときにしきい値が小さいと、検索の完了前にインデックスの領域が不足することがあります。残りの検索はインデックスなしで実行されるので、検索処理が遅くなります。
この操作は経験豊かな Directory Server 管理者だけが行ってください。
インデックスしきい値を大きく設定するには、dse.ldif ファイルのnssldap-allidsthreshold オプションの値を変更します。
通常、このオプションの値は次のように設定されています。
nssldap-allidsthreshold: 4000 |
nssldap-allidsthreshold の値を大きく設定します。次に例を示します。
nssldap-allidsthreshold: 200000 |
インデックスしきい値の詳細については、『Sun Java System Directory Server 管理ガイド』の「ディレクトリデータのインデックス作成」の「インデックスの管理」を参照してください。nssldap-allidsthreshold オプションの定義については、『Sun Java System Directory Server Administration Reference』の「Server Configuration Reference」の「Database Configuration Attributes」を参照してください。