Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

データベースの管理

HADB データベースで、次の操作を実行できます。

データベースの起動

データベースを起動するには、hadbm start コマンドを使用します。このコマンドは、データベースが停止する前に実行していたすべてのノードを起動します。停止後にデータベースを起動しても、個別に停止されてオフラインになっているノードは起動されません。

コマンド構文は次のとおりです。

hadbm start  
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile=file]  
[--agent=maurl]  
[dbname]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

コマンドオプションの説明は、「汎用オプション」を参照してください。詳細については、hadbm-start(1)を参照してください。


例 3–9 データベースを起動する例

hadbm start

データベースの停止

データベースを停止してから起動するまでの、データベースが停止している間は、データを使用することができません。データを使用可能にするために、「データベースの再起動」で説明されているようにデータベースを再起動できます。

次の目的で、データベースを停止します。

データベースを停止する前に、そのデータベースを使用する依存 Application Server インスタンスを停止するか、またはそれらのインスタンスが ha 以外の「持続型」を使用するように設定します。

データベースを停止すると、データベース内で実行中のすべてのノードが停止し、データベースの状態が「停止中」になります。データベースの状態の詳細については、「HADB の状態の取得」を参照してください。

データベースを停止するには、hadbm stop コマンドを使用します。コマンド構文は次のとおりです。

hadbm stop  
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile= file]  
[--agent=maurl]  
[dbname]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

コマンドオプションの説明は、「汎用オプション」を参照してください。詳細については、hadbm-stop(1)を参照してください。


例 3–10 データベースを停止する例

hadbm stop

データベースの再起動

タイムアウトの問題が解消されないなどの異常な動作が見られる場合には、データベースの再起動が必要なこともあります。再起動で問題が解決する場合もあります。

データベースを再起動すると、データベースとそのデータは引き続き使用可能です。HADB を停止してから起動するまでの、HADB が停止している間は、データおよびデータベースサービスを使用することができません。これは、デフォルトで hadbm restart がノードの順次再起動を実行するためです。このときノードは 1 つずつ順番に停止して起動します。一方、hadbm stop を実行した場合には、すべてのノードが同時に停止します。

データベースを再起動するには、hadbm restart コマンドを使用します。コマンド構文は次のとおりです。

hadbm restart  
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile=file]  
[--agent=maurl]  
[--no-rolling]  
[dbname]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

このコマンドには特別なオプションが 1 つあります。それは --no-rolling (省略形 -g) で、すべてのノードの一括再起動を指定するオプションですが、サービスの低下を招きます。このオプションを使用しない場合は、データベース内の各ノードが現在の状態またはよりよい状態で再起動されます。

その他のコマンドオプションの説明は、「汎用オプション」を参照してください。詳細については、hadbm-restart(1)を参照してください。

次に例を示します。

hadbm restart

データベースの一覧表示

HADB インスタンス内のすべてのデータベースを一覧表示するには、hadbm list コマンドを使用します。コマンド構文は次のとおりです。

hadbm list  
[--agent=maurl] 
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile=file]

コマンドオプションの説明は、「汎用オプション」を参照してください。詳細については、hadbm-list(1)を参照してください。

データベースの解除

次の場合には、データベースを解除します。

hadbm clear コマンドはデータベースノードを停止し、データベースデバイスを解除してから、ノードを起動します。このコマンドは HADB 内の Application Server スキーマデータストア (テーブル、ユーザー名、パスワードを含む) を消去します。hadbm clear を実行した後で、asadmin configure-ha-cluster を使用してデータスキーマを再作成し、JDBC 接続プールを再設定し、セッション持続性ストアを再ロードしてください。

コマンド構文は次のとおりです。

hadbm clear  [--fast]  [--spares=number]  
[--dbpassword=password | --dbpasswordfile= file]  
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile= file]  
[--agent=maurl] 
[dbname]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

次の表で、hadbm clear の特別なコマンドオプションについて説明します。その他のオプションの説明は、「汎用オプション」を参照してください。

詳細については、hadbm-clear(1)を参照してください。

表 3–12 hadbm clear オプション

オプション 

説明 

デフォルト 

--fast

-F 

データベースを初期化している間、デバイスの初期化をスキップします。ディスク記憶装置デバイスが破損している場合は、使用しないでください。 

適用外 

--spares= number

-s 

再初期化されたデータベースに配置されるスペアノードの数。この数は、偶数かつデータベース内のノードの数より少ない数である必要があります。 

前回のスペアの数 

次に例を示します。

hadbm clear --fast --spares=2 --dbpassword secret123

データベースの削除

既存のデータベースを削除するには、hadbm delete コマンドを使用します。このコマンドは、データベースの設定ファイル、デバイスファイル、および履歴ファイルを削除し、共用メモリーリソースを解放します。削除対象のデータベースは、存在していてかつ停止している必要があります。「データベースの停止」を参照してください。

コマンド構文は次のとおりです。

hadbm delete  
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile=file]  
[--agent=maurl]  
[dbname]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

コマンドオプションの説明は、「汎用オプション」を参照してください。詳細については、hadbm-delete(1)を参照してください。


例 3–11 データベースを削除する例

コマンド

hadbm delete

は、デフォルトのデータベース hadb を削除します。