Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

はじめに

高可用性 (HA) 管理ガイド』では、Sun JavaTM System Application Server の高可用性 (HA) 機能について説明します。次の各操作を行うための方法が含まれています。

対象読者

この管理ガイドは、本稼働環境のシステム管理者を対象にしています。対象読者が次のトピックに詳しいことを前提にしています。

お読みになる前に

Application Server は、単体で購入することが可能です。あるいは、ネットワークまたはインターネット環境にわたって分散しているエンタープライズアプリケーションをサポートするソフトウェアインフラストラクチャーである Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) のコンポーネントとして購入することもできます。Application Server を Java ES のコンポーネントとして購入した場合は、http://docs.sun.com/coll/1286.1 にあるシステムマニュアルをよく読むことをお勧めします。

内容の紹介

第 1 章「Application Server の高可用性 (HA) 機能」では、Application Server の高可用性機能の概要について説明します。

第 2 章「高可用性 (HA) データベースのインストールと設定」では、高可用性データベースをインストールおよび設定する方法について説明します。

第 3 章「高可用性データベースの管理」では、高可用性データベースを管理する方法について説明します。

第 4 章「負荷分散とフェイルオーバーの設定」では、HTTP ロードバランサプラグインをインストール、設定、および使用する方法について説明します。

第 5 章「Application Server クラスタの使用」では、Application Server クラスタと、その設定および管理方法について説明します。

第 6 章「名前付き設定の管理」名前を付けられている設定を使用して、Application Server の設定属性を共有する方法について説明します。

第 7 章「ノードエージェントの設定」では、ノードエージェントと、その管理方法について説明します。

第 8 章「高可用性 (HA) セッション持続性とフェイルオーバーの設定」では、高可用性セッション持続性を設定する方法について説明します。

第 9 章「Java Message Service 負荷分散とフェイルオーバー」では、Java Message Service 負荷分散とフェイルオーバーについて説明します。

第 10 章「RMI-IIOP 負荷分散とフェイルオーバー」では、RMI-IIOP 負荷分散とフェイルオーバーについて説明します。

Application Server のマニュアルセット

Application Server のマニュアルセットは、配備の計画とシステムのインストールについて説明しています。スタンドアロンの Application Server マニュアルは、http://docs.sun.com/app/docs/coll/1310.1 に掲載されています。Application Server への導入としては、次の表に示されている順序でマニュアルを参照してください。

表 P–1 Application Server のマニュアルセットの内容

タイトル 

説明 

リリースノート

ソフトウェアとマニュアルに関する最新情報。サポートされているハードウェア、オペレーティングシステム、JDK、および JDBC/RDBMS の包括的な表ベースの概要を含みます。 

Quick Start Guide

Application Server 製品の使用を開始するための手順。 

Installation Guide

ソフトウェアとそのコンポーネントのインストール。 

配備計画ガイド

最適な方法で確実に Application Server を導入するための、システムニーズや企業ニーズの分析。サーバーを配備する際に注意すべき一般的な問題や懸案事項についても説明しています。 

Developer’s Guide

J2EE コンポーネントおよび API 用のオープン Java 標準モデルに従い、Application Server 上で実行することを目的とする Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EETM プラットフォーム) アプリケーションの作成と実装。開発者ツール、セキュリティー、アセンブリ、配備、デバッグ、ライフサイクルモジュールの作成に関する一般情報を含みます。

J2EE 1.4 Tutorial

J2EE アプリケーションの開発のための J2EE 1.4 プラットフォーム技術および API の使用。 

管理ガイド

管理コンソールからの、Application Server サブシステムおよびコンポーネントの設定、管理、および配備。 

高可用性 (HA) 管理ガイド

高可用性 (HA) データベースのためのインストール後の設定と管理の手順。 

Administration Reference

Application Server 設定ファイル domain.xml の編集。

アップグレードと移行

新しい Application Server プログラミングモデルへのアプリケーションの移行 (特に Application Server 6.x または 7 からの移行)。このマニュアルでは、製品仕様の非互換性をもたらす可能性のある、隣接した製品リリース間の相違点や設定オプションについても説明しています。 

パフォーマンスチューニングガイド

パフォーマンスを向上させるための Application Server の調整。 

トラブルシューティングガイド

Application Server の問題の解決。 

Error Message Reference

Application Server のエラーメッセージの解決。 

Reference Manual

Application Server で使用できるユーティリティーコマンド。マニュアルページのスタイルで記述されています。asadmin コマンド行インタフェースを含みます。

関連マニュアル

ほかの Sun Java System サーバーのマニュアルとしては、次のマニュアルを参照してください。

Java ES のマニュアルとそのコンポーネントは、http://docs.sun.com/prod/entsys.05q4 に掲載されています。

デフォルトのパスとファイル名

次の表に、このマニュアルのデフォルトのパスとファイル名を示します。

表 P–2 デフォルトのパスとファイル名

可変部分 

説明 

デフォルト値 

install-dir

Application Server のベースインストールディレクトリを表します。 

SolarisTM プラットフォームへの Sun Java Enterprise System インストールの場合:

/opt/SUNWappserver/appserver

Linux プラットフォームへの Sun Java Enterprise System インストールの場合: 

/opt/sun/appserver/

Solaris および Linux プラットフォームへのインストールで、ルートユーザーでない場合: 

ユーザーのホームディレクトリ /SUNWappserver

Solaris および Linux プラットフォームへのインストールで、ルートユーザーである場合: 

/opt/SUNWappserver

Windows のすべてのインストールの場合: 

SystemDrive:\Sun\AppServer

domain-root-dir

すべてのドメインを含むディレクトリを表します。 

Solaris プラットフォームへの Sun Java Enterprise System インストールの場合: 

/var/opt/SUNWappserver/domains/

Linux プラットフォームへの Sun Java Enterprise System インストールの場合: 

/var/opt/sun/appserver/domains/

そのほかのすべてのインストールの場合: 

install-dir/domains/

domain-dir

ドメインのディレクトリを表します。 

設定ファイルには、次のように表される domain-dir があります。

${com.sun.aas.instanceRoot}

domain-root-dir/domain-dir

instance-dir

サーバーインスタンスのディレクトリを表します。 

domain-dir/instance-dir

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–3 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

machine_name% you have mail.

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

machine_name% su

Password:

aabbcc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

 


sun% grep `^#define \

  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

記号の表記規則

次の表は、このマニュアルで使用される記号を示しています。

表 P–4 記号の表記規則

記号 

説明 

例 

意味 

[ ]

省略可能な引数およびコマンドオプションが含まれます。 

ls [-l]

-l オプションは省略可能です。

{ | }

必要なコマンドオプションの選択肢のセットが含まれます。 

-d {y|n}

-d オプションには、y 引数または n 引数のどちらかが必要です。

${ }

変数の参照を示します。 

${com.sun.javaRoot}

com.sun.javaRoot 変数の値を参照します。

同時に実行する複数のキーストロークを結び付けます。 

Control-A 

コントロールキーを押しながら A キーを押します。 

連続して実行する複数のキーストロークを結び付けます。 

Ctrl+A+N 

コントロールキーを押して放し、続いて次のキーを押します。 

-> 

グラフィカルユーザーインタフェースのメニューの選択を表示します。 

「ファイル」->「新規」->「テンプレート」 

「ファイル」メニューから「新規」を選択します。「新規」サブメニューから「テンプレート」を選択します。 

マニュアル、サポート、およびトレーニング

Sun のサービス 

URL 

内容 

マニュアル 

http://jp.sun.com/documentation/

PDF 文書および HTML 文書をダウンロードできます。 

サポートおよびトレーニング 

http://jp.sun.com/supportraining/

技術サポート、パッチのダウンロード、および Sun のトレーニングコース情報を提供します。