Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (Solaris Plug-In 4.0)

Solaris パッケージのコンポーネントタイプ

パッケージおよびデータストリームパッケージのコンポーネントタイプ

インストールまたは削除するパッケージを含むコンポーネントを作成するには、Package コンポーネントタイプを使用します。コンポーネント作成の詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 プランとコンポーネントの開発者ガイド』の第 4 章「プラン」を参照してください。

「Solaris Package: Create Package Component」リンクでは、タイプが com.sun.solaris#Package のコンポーネントが作成されます。このコンポーネントは、ファイルシステムパッケージを参照します。ファイルシステムパッケージには、パッケージのインストールに必要とされるファイルやスクリプトを含むディレクトリ、または一連のディレクトリが格納されます。

「Solaris Datastream Package: Create Datastream Package Component」リンクでは、タイプが com.sun.solaris#StreamPackage のコンポーネントが作成されます。このコンポーネントは、データストリームパッケージを参照します。データストリームパッケージは、ファイルシステムパッケージを 1 つのデータストリームに変換したパッケージです。データストリームパッケージに関する詳細については、pkgtrans(1) のマニュアルページを参照してください。

Package コンポーネントと、Datastream Package コンポーネントには、同じコンポーネント変数とコンポーネントプロシージャーが含まれます。変数とプロシージャーを次に解説します。

コンポーネント変数

installName

パッケージがインストールされたときに使用する名前。デフォルトでは、パッケージコンポーネントの名前になります。

installPath

パッケージをダウンロードするターゲットホスト上のパス。

installRoot

パッケージをインストールするターゲットホスト上のパス。

pkgName

パッケージ名。

データストリームパッケージをインストールするときに、この変数の値を変更する必要がある場合があります。pkgadd コマンドを使用してデータストリームパッケージをインストールするときに、パッケージ名を入力するよう求められます。プロビジョニングシステムでは、パッケージのインストール時にパッケージ名の入力を求めないので、ここでパッケージ名を入力する必要があります。

データストリームパッケージのパッケージ名は、データストリームファイルのヘッダーにあります。次の例では、パッケージ名は SMCcvs です。


% head cvs-1.11.17-sol9-sparc-local
# PaCkAgE DaTaStReAm
SMCcvs 1 16852
# end of header
NAME=cvs
ARCH=sparc
VERSION=1.11.17
CATEGORY=application
VENDOR=Joe Smith et al
EMAIL=joe@smith.work.net
PSTAMP=Bob Miller
verboseMode

この変数を使用して、パッケージがターゲットホストに追加されるときに、pkgadd(1M)-v オプションを指定できます。-v オプションは、pkginst/install ディレクトリに格納されている pkgadd が実行するすべてのスクリプトを追跡します。このオプションを使用し、プロシージャースクリプトおよび非プロシージャースクリプトをデバッグします。有効な値は、true および false です。

残りのコンポーネント変数は、パッケージをインストールするときに使用される管理ファイルに対し、プロビジョニングシステムが設定する変数の値に直接対応します。プロビジョニングシステムは管理ファイルを作成し、pkgadd コマンドにインストールの流れを示す情報を提供します。管理ファイルに関する詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「管理ファイルの使用」を参照してください。次に示す変数と、各変数の有効な値に関する詳細については、admin(4) のマニュアルページを参照してください。

mail

instance

partial

runlevel

independ

redepend

space

setuid

conflict

action

basedir


注 –

プロビジョニングシステムが管理ファイル変数に対して設定する値は、Solaris OS とともに /var/sadm/install/admin ディレクトリにインストールされている管理ファイル内でのデフォルト値設定とは一致しません。プロビジョニングシステムによって設定される値は、ユーザーによる介入なくパッケージのインストールを完了するためのものです。Solaris OS とともにインストールされる管理ファイルで設定されるデフォルト値に関する詳細については、admin(4) のマニュアルページを参照してください。


コンポーネントプロシージャー

default: install

このプロシージャーを使用し、1 つまたは複数のターゲットシステムにパッケージをインストールします。

mark Only: install

1 つまたは複数のターゲットシステムにパッケージを手動でインストールした場合で、これらのシステムにパッケージがインストールされていることをプロビジョニングシステムデータベースに知らせるには、このプロシージャーを使用します。

default: uninstall

このプロシージャーを使用し、1 つまたは複数のターゲットシステムからパッケージをアンインストールします。

markOnly: uninstall

1 つまたは複数のターゲットシステムからパッケージを手動でアンインストールしたが、これらのシステムからパッケージがアンインストールされたことをプロビジョニングシステムデータベースに知らせるには、このプロシージャーを使用します。

応答ファイルコンポーネント

パッケージとともに使用する応答ファイルを作成したら、Response File コンポーネントを作成します。Solaris パッケージの中には、インストール前に質問をする request スクリプトを含むものもあります。Sun N1 Service Provisioning System を使用し、request スクリプトを持つパッケージをインストールするには、request スクリプトによって聞かれる質問への回答を含む応答ファイルを作成する必要があります。Response File コンポーネントで参照する応答ファイルを作成するには、pkgask(1M) コマンドを使用します。応答ファイルの詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「パッケージ追加時のユーザーの対話操作を省略する (pkgadd)」を参照してください。

「Response File: Create Response File Component」リンクは、タイプが com.sun.solaris#ResponseFile のコンポーネントを作成します。このコンポーネントは、パッケージで使用するよう作成した応答ファイルを参照します。