日本語環境ユーザーズガイド

付録 C 留意事項

この付録では 、日本語環境で使用する上での留意点について説明します。

GUI 全般

Solaris のグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) 全般に関するバグ情報と注意事項について説明します。

共通デスクトップ環境 (CDE)

Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生する注意事項およびバグ情報について説明します。

Solaris CDE では、ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 の 4 つのロケールを使用できますが、1 人のユーザーが同時に複数のロケール環境を使用することは避けてください。1 人のユーザーが複数のロケールを使用すると、次の問題が起こります。

ja_JP.UTF-8 ロケールで本文に韓国語等の他言語を含むメールを送信する場合の注意事項

ja_JP.UTF-8 ロケールでメールを送信する際のエンコーディングは、デフォルトで ISO-2022-JP です。そのため、英語および日本語だけを含む場合は問題ありませんが、韓国語等の他言語を含む場合、受信側で文字化けが発生する可能性があります。

回避方法 : 新規メッセージウィンドウの「書式」メニューの「文字セットを変更」で「UTF-8」に変更してから、メールを送信してください。だたし、「UTF-8」に変更した場合でも、サブジェクトの文字セットは変更できません。サブジェクトには英語または日本語だけを使用する必要があります。なお、新規メッセージウィンドウでは、「Ctrl-Y」キーによる文字セットの変更は機能しません。

メールプログラムで、日本語をキーワードとして検索できない (バグ ID: 1263296)

メールプログラムで検索を行う際、検索フィールドに日本語が含まれていると、検索が正しく行われません。

メールファイルに該当する文字列が存在する場合でも、「一致するものがありません」と表示されます。

メールプログラムのツールバーボタンに不要なニーモニックが表示される (バグ ID: 4064006)

メールプログラムのツールバーボタンをテキスト表示に設定している場合、ニーモニックが表示されていますが、キーボード上でこれらのツールバーを操作することはできません。

フォント管理を使用して CID/Type1 フォントをインストールする際の注意事項

フォント管理 (sdtfontadm) を使用して CID/Type1 フォントをインストールする際には、次の点に注意してください。

フォント管理で CID フォントをインストールした場合の制限事項 (バグ ID: 4009292)

フォント管理でインストールした TrueType フォントを DPS で使用できない (バグ ID: 4030803)

フォント管理 (sdtfontadm) を使用して TrueType フォントをインストールした場合、UPR ファイルが作成されないため DPS でフォントを表示できません。DPS でインストールしたフォントを利用する場合には /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr を参照して、以下のリストのように UPR ファイルを作成してください。なお、<FONTNAME> には TrueType フォント名を入力してください。

PS-Resources-1.0
        FontOutline
        .
        //<font install directory>
        FontOutline
        <FONTNAME>-78-EUC-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78-EUC-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78ms-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-78ms-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-83pv-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-90ms-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-90ms-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-90pv-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-90pv-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Add-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Add-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Add-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Add-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Adobe-Japan1-0=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Adobe-Japan1-1=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Adobe-Japan1-2=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-EUC-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-EUC-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Ext-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Ext-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Ext-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-Ext-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-NWP-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-NWP-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-RKSJ-H=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-RKSJ-V=<FONTNAME>.ttf
        <FONTNAME>-V=<FONTNAME>.ttf
        .

CID フォントを X から利用した場合にサイズが正しくない (バグ ID: 4067265)

CID フォントを Solaris にインストールして X のフォントとして利用した場合、グリフの大きさが正しくない場合があります。期待した大きさよりも小さく表示されます。

PCK でエンコードされた TrueType フォントに関する注意事項 (バグ ID: 4066981、4066982)

MS-Windows 3.1 用などの TrueType フォントのうち PCK で内部エンコードされたフォント (SpecificID が 2) を Solaris にインストールした場合に、以下の問題が発生します。

オペレーティングシステム、ネットワーク

mp コマンドで印刷する場合の制限事項

jaja_JP.eucJPja_JP.PCK ロケール上では、デフォルトで mp(1) はユーザー定義文字、JIS X 0212、IBM 選定拡張文字、JIS X 0208 13 区の NEC 特殊文字などの印刷をサポートしていません。これらの文字を印刷する場合は '-M' を指定するか、jpostprint(1) を使用してください (ユーザー定義文字を含む場合は jpostprint(1) を使用してください)。

ja_JP.PCK ロケールと ja_JP.UTF-8 ロケールに関する注意事項

ja、ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8 ロケールでは、次の機能がサポートされていません。

日本語 Solaris 1.x の 4.x バイナリ互換パッケージ (BCP) に関する注意事項

日本語 Solaris 1.x の 4.x バイナリ互換パッケージは ja ロケールのみでサポートされます。

日本語 Solaris 1.x をサポートするために提供された BCP 用のライブラリは、 /usr/4lib/locale/ja の下にあります。このため、BCP アプリケーションを実行するには、以下のように設定してから実行する必要があります。


# cd /usr/4lib
# ln -s locale/ja/* .

なお、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールを選択した場合は、この設定が自動的に実行されます。

システムのデフォルトロケールとして韓国語などのアジア言語を選択した場合は、選択したアジア言語用の設定が実行されるので、これらのライブラリ (韓国語の場合は locale/ko にシンボリックリンクを張っているライブラリ) を削除してから、上記の設定を行なってください。