新しく作成したブート環境で初めてブートする時に、Solaris Live Upgrade は新しいブート環境と以前のアクティブブート環境の同期をとります。アクティブなブート環境が、新しく作成したブート環境の元になったブート環境であるとは限りません。ここでいう「同期」は、前にアクティブであったブート環境のあるシステムファイルやディレクトリを、ブートされているブート環境にコピーすることを意味します。この最初のブートの後で Solaris Live Upgrade がこの同期化を行うためには、luactivate に -s オプションを指定する必要があります。
-s オプションで同期化を実行すると、luactivate は、同期化に関連するファイルの間に矛盾がないかチェックします。新しいブート環境がブートされ、矛盾が検出されると、警告が出されます。この場合、ファイルの同期化は行われません。このような場合でも、アクティブ化は正常に終了することがあります。このような矛盾は、次の場合に発生することがあります。
現在のブート環境を新しいオペレーティングシステムにアップグレードする
非アクティブなブート環境を新しいオペレーティングシステムにアップグレードし、元のブート環境にあるファイルを変更する
両方のブート環境のシステムファイル (/etc/passwd など) を変更する
以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、このオプションを使用する際には十分注意してください。たとえば、現在のブート環境で Solaris 9 ソフトウェアを実行しているとします。この場合、Solaris 2.6 リリースをブートし、同期化を実行すると、2.6 リリースのファイルは変更されることがあります。ファイルはオペレーティング環境のリリースに依存しているため、Solaris 2.6 リリースのブートは失敗することがあります。Solaris 9 のファイルと Solaris 2.6 のファイルは互換性があるとは限らないからです。
スーパーユーザーとしてログインします。
次のように入力して、ブート環境をアクティブにします。
# /usr/sbin/luactivate -s BE_name |
BE_name |
アクティブにするブート環境の名前を指定します。 |
-s |
最後にアクティブであったブート環境と新しいブート環境のファイルを同期化します。 -s オプションは、ブート環境の最初のアクティブ化の後でファイルを同期化するときに使用します。ブート環境の最初のアクティブ化ではファイル間の同期化が行われますが、それ以降のアクティブ化ではファイルの同期化は行われません。以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、このオプションを使用する際には十分注意してください。 |
リブートします。
# init 6 |
この例では、次のリブート時に second_disk ブート環境がアクティブになり、ファイルの同期がとられます。
# /usr/sbin/luactivate -s second_disk # init 6 |