Solaris 9 オペレーティング環境の概要

ファイルシステムの機能拡張

説明  

リリース 

拡張ファイル属性

UFS、NFS、および TMPFS ファイルシステムは、拡張ファイル属性を包含するように機能拡張されました。拡張ファイル属性によりアプリケーション開発者は、ファイルを特定の属性に関連付けることができます。たとえば、ウィンドウシステム用のファイル管理アプリケーションの開発者が行う、表示アイコンとファイルとの関連付けです。 

拡張属性は、論理的には対象のファイルと関連付けられた隠しディレクトリ内のファイルとして表現されます。 

拡張ファイル属性 API と一組のシェルコマンドを使用して、ファイルシステム属性を追加および操作することができます。詳細は、fsattr(5)openat(2)、および runat(1) のマニュアルページを参照してください。

ファイル属性の照会、コピー、または検索に使用できる属性対応オプションを提供することによって、多数の Solaris ファイルシステムコマンドがファイルシステム属性をサポートできるように変更されました。詳細は、マニュアルページの該当のファイルシステムコマンドを参照してください。 

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris 9 

改善された UFS 直接入出力並行処理

通常の UFS ファイルへの読み取りアクセスおよび書き込みアクセスの並行処理が可能になり、直接入出力のパフォーマンスが向上しました。この入出力は、バッファ処理されていないファイルシステムデータにアクセスするのにデータベースアプリケーションで使用します。以前のリリースでは、更新オペレーションが完了するまで、ファイルデータを更新したオペレーションによってほかの読み取りまたは書き込みアクセスはロックされていました。 

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』と mount_ufs(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris 8 1/01 

DNLC の機能拡張

ディレクトリ名検索キャッシュ (DNLC) は、1000 個以上のファイルを含む大きなディレクトリ内のファイルにアクセスする場合により高いパフォーマンスを提供するように改良されました。 

DNLC は、最近参照されたディレクトリ名とそれらに関連付けられた v ノードをキャッシュに書き込む一般的なファイルシステムサービスです。UFS ディレクトリエントリは、ディスク上に連続的に記録されます。つまり、エントリを配置する場合は、名前を探すために各エントリを検索する必要があります。新しいエントリを追加するには、ディレクトリ全体を検索して同じ名前が存在しないことを確認する必要があります。このパフォーマンスに関わる問題を解決するため、DNLC によってディレクトリ全体がメモリーに書き込まれます。 

このリリースのもう 1 つの機能として、DNLC は検索の結果、存在しなかったファイルオブジェクトをキャッシュに書き込みます。ネガティブキャッシングとして知られるこの機能は、ファイルの存在を確認するために繰り返しテストを行うアプリケーションに便利です。 

DNLC の拡張に伴い、調整可能なパラメータがいくつか追加されています。これらのパラメータは最適な状態に設定されているため、不用意に変更しないでください。 

詳細は、『Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』を参照してください。

Solaris 8 6/00 

UFS スナップショット (fssnap)

ファイルシステムのスナップショットを作成するために、fssnap コマンドを使用できます。スナップショットは、バックアップ処理のためのファイルシステムの一時的なイメージです。

fssnap コマンドを実行すると、1 つの仮想デバイスと 1 つのバッキングストアファイルが作成されます。管理者は、実際のデバイスのように動作する仮想デバイスを既存の任意の Solaris バックアップコマンドを使用してバックアップできます。バックストアファイルは、スナップショット後に変更されているスナップショット前のデータのコピーを含むビットマップファイルです。

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』と fssnap(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris 8 1/01 

mkfs コマンドの更新

mkfs コマンドが更新され、ファイルシステムを作成する際のパフォーマンスが向上しました。これにより、mkfs のパフォーマンスは、以前の Solaris リリースの 10 倍の速さになることもあります。mkfs コマンドのパフォーマンスの向上は、大規模ファイルシステムと小規模ファイルシステムのどちらの作成時にも見られますが、特に大容量のシステムや高速ディスクで顕著です。

Solaris 8 1/01