コマンドを使用してディスク、ファイルシステムなどのデバイスを管理する場合、デバイス名を指定する方法を知っている必要があります。通常、論理デバイス名を使用して、システムに接続されたデバイスを表すことができます。論理デバイス名と物理デバイス名は、システム上でそれぞれ論理デバイスファイルと物理デバイスファイルによって表現されます。
システムがブートされると、デバイス階層が作成されて、システムに接続されたすべてのデバイスが表示されます。カーネルは、このデバイス階層情報を使用して、ドライバを該当するデバイスに対応づけて、特定の操作を実行するドライバへの一連のポインタを与えます。デバイス階層の詳細については、『OpenBoot 3.x コマンド・リファレンスマニュアル』を参照してください。
devfsadm コマンドによって、ディレクトリ /dev と /devices 内にある特殊デバイスファイルを管理します。デフォルトでは、devfsadm コマンドはすべてのドライバをシステムに読み込み、可能な限りのデバイスに接続しようとします。そして、デバイスファイルを /devices ディレクトリに作成し、論理リンクを /dev ディレクトリに作成します。/dev と /devices のディレクトリの管理に加えて、devfsadm コマンドは path_to_inst(4) インスタンスデータベースも保守します。
動的再構成イベントに応答する、再構成ブート処理とディレクトリ /dev および /devices の更新は、両方とも devfsadmd (devfsadm コマンドのデーモン版) によって処理されます。このデーモンは、システムのブート時に /etc/rc* スクリプトから起動します。
devfsadmd デーモンは再構成イベントによるデバイス構成の変化を自動的に検出するため、このコマンドを対話的に実行する必要はありません。
詳細については、devfsadm(1M) を参照してください。
Solaris 環境では、デバイスは次の 3 つの方法で参照されます。
物理デバイス名 - デバイス情報階層の完全デバイスパス名を表します。物理デバイス名は、次のコマンドを使用して表示できます。
dmesg
format
sysdef
prtconf
物理デバイスファイルは、/devices ディレクトリにあります。
インスタンス名 - システム上のデバイスすべてのカーネル短縮名を表します。たとえば、sd0 と sd1 は、2 つのディスクデバイスのインスタンス名を表します。インスタンス名は、/etc/path_to_inst ファイルにマップされており、次のコマンドによって表示できます。
dmesg
sysdef
prtconf
論理デバイス名 - デバイスを参照する際に、ほとんどのファイルシステムコマンドで使用されます。論理デバイス名を使用するファイルコマンドについては、表 29-1 を参照してください。/dev ディレクトリの論理デバイスファイルは、/devices ディレクトリの物理デバイスファイルにシンボリックリンクされています。